十六、幽冥鬼魂(ゆうめいきこん)を渡す
人生に於いては、孝悌(こうてい)を行うことが根本であります。
孝経に『身を立て道を行い、後世に名を揚げて父母を顕すは、孝の終わりなり』と申して“道を修めて成道し、世の中で道を説いて人々を済度したならば、必ず後世にその名を残すようになるから、父母の名も顕すようになるので、人の子として甲斐(かい)がある生き方であり、これが親に対する孝行の最高なるものである”と申されたのであります。
我々が恥じない親孝行をするには、親の生前に誠心誠意を尽くして孝敬しなければなりませんが、親の死後には深い地獄に落ちた父母の亡霊を超抜し、永く輪廻の苦しみを脱せしめて、理天の清福を受けるようにしなければなりません。
子孫として忍びなく、もし幽冥鬼魂である九玄七祖(九代までの先祖)を超抜しようとするならば、窮極、どのような法で渡すべきであるか。
始めの目的を達成するためには、必ず常に変わらない修道をせられ、功徳を積まれて、道に対する表白(ひょうはく:誠意)のある方に先祖の超抜が許されるのであります。
これを『一子入道して九祖その徳を蒙り、一子成道して、九祖超昇す』と申すのであります。
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