思考の踏み込み

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つばめ3

2014-06-11 00:30:20 | 日記
さて、わが家のつばめたち。

夜みると、親が巣を囲むようにして雛たちを護りながら寝ている。

昼間は無邪気に餌をねだり続ける我が子たちの為に、何度も何度も餌を運び、夜は身を呈してそのか弱い "いのち" を守る。

ー その姿は "愛" 以外のなにものでもない。
それはきわめて純粋で、人間の心を揺さぶるが、そんな事も知らずに大きくなった雛たちは元気にいっぱいに飛び立っていって再び戻ることはない。

かつて白居易はこのあたりの心情を美しく悲しげに詩に描きだした ー 。




" ー 梁上 双燕 有リ
翩翩(へんぺん)タリ雄ト雌ト

泥ヲ銜(ふく)ム両椽(りょうてん=二本の樽木) ノ 間



一巣 四児ヲ生ム 四児 日夜長ジ

食ヲ策(もと)メテ声ハ孜孜(ピーピー)タリ

青虫 捕へ易(やす)カラズ

黄口 飽クル期(とき)無シ




嘴爪(しそう)敝(やぶ)レントスト雖モ 心力疲レヲ知ラズ

須臾(しゅゆ=たちまち)ニシテ十タビ来往シ
猶オ巣中ノ飢(き)ヲ恐ル

辛勤(しんぎん)三十日

母ハ痩セ 雛ハ漸(ようや)ク肥ユ

喃喃(ピーチクパーチクと)言語ヲ教エ 一一毛衣ヲ刷ク ( =羽をキレイにしてあげる)

一旦羽翼(うよく)成レバ
引キテ庭樹ノ枝ニ上ラシム

翅(はね)ヲ挙ゲ回顧セズシテ
風ニ随イテ四散シテ飛ブ



雌雄空中ニ鳴キ
声尽キ呼ベドモ帰ラズ

却(かえ)ッテ空巢ノ裏ニ帰ラズ
啁啾(ちゅうしゅう)終夜悲シム


燕ヨ燕ヨ爾悲シムコト勿カレ


爾当(まさ)ニ返ッテ自ラヲ思エ

爾ノ雛 為(た)リシ日

高ク飛ビテ母ニ背キシ時ヲ思エ

当時ノ父母ノ念
今日爾応ニ知ルベシ ー "





愛し方を忘れ、愛され方を知らず 、魂の帰巣本能を見失った人々よ ー 。

燕よ燕よ、なんじ悲しむ事なかれ!

ツバメは今年も変わる事なく帰ってきた。全て世界は初めから調和していて何も変わりはしない。汝の中にもそれは同じく息づいている ー 。

白楽天はそう語っている様に私には思える。