皆さんは「旅行貯金」というものをご存知でしょうか。全国各地の郵便局で貯金をして、郵便局名のスタンプを押してもらうというもので、レールウェイライターの種村直樹氏が世に広めたともいわれています。郵便局によっては、旅行貯金客向けに記念スタンプを用意しているところもあり、それらは一部マニアの間では「宝の郵便局」とも呼ばれているそうです。
私もまだ高校生だった96年から始めており、正式に数えたことはないですが、おそらく全国800局以上は郵便局にいっているのではないかと思います。ただ、ここ数年は訪問ペースが鈍りがちで、昨年は2局行ったのみでした。
訪問ペースが鈍っている理由は2つあります。昨年は外出といえばほぼ東京のみでしたが、私は短期間ですが豊島区の要町というところに住んだことがあり、その際に都内の郵便局は多くが訪問済み(豊島区内はほとんど訪問したと思います。もちろん札幌市内も)ということと、それから2001年頃から貯金通帳の形が変わり、それまであった主務者印(「○○郵便局長」「○○○郵便局長印」)の押捺スペースがなくなったということです。
ところで、通帳が変わってから後も空きスペースに主務者印を押してもらっていましたが、2005年4月頃から主務者印の押捺は廃止するとの通達がなされた影響で、どこの郵便局でも押捺を拒否されるようになってしまいました。主務者印を押すことで郵便局が何か不利益をこうむるとは到底思えないのですが…。
また、宝の郵便局と呼ばれる局のなかには数段にわたる大きな記念スタンプを用意している局もありましたが(写真の下呂局・天橋立局など)、最近訪問したある郵便局で「うちにも前はこういうスタンプあったんだけどねぇ、そういうのはダメだと通達が来たので押せなくなってしまったんですよ」といわれたように、数段にわたるスタンプは禁止されてしまったようです。まあ数段にわたるものだと印字もずらす必要があるので、手続き簡略化の意味合いもあると思いますが、これは残念です。そのうち記念スタンプ自体廃止しろと通達が来たりして…。
それにしても、最近の主務者印押捺拒否といい、数段に渡る記念スタンプ廃止といい、最近の郵便局は以前と比べてちょっと硬直さが目立つ気がします。私は郵政民営化自体には反対なのですが、こういった上意下達な点に親方日の丸の硬直さを見てしまいます(ただ、こうした旅行貯金規制の動きが目立つのはここ2年くらいで、郵政省時代には何の規制もありませんでしたが)。
ともかく、旅行貯金はお金を使うのではなく貯めるので、実質的に自分の金を使わずに旅の記録を残せるという点で結構おすすめです。また、利子はほとんど期待できませんが、郵便貯金の場合は銀行と違っていつおろしても引き出し手数料が無料なのも魅力だと思います。