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【それぞれの故郷へ】のんのんびより りぴーと 第12話「一年がたった」 感想

2015-09-30 | のんのんびより りぴーと
この石鹸の入れ方!めっちゃ懐かしくて二マニマしてしまいました
今でもやってるのかな?にしても直で小学校の時を思い起こさせるカットで実に素晴らしかったです









「のんのんびより」を観ていると、“地元に誇りを持つ”という事柄を強く意識させられます
「のんのんびより」に出て来る村は決して便利でもなければ、目立った特産品がある訳でもない
ある意味では“何もない”、だけどまた違った意味だと“いっぱいある”場所なんだと思います
それは何気ないけど、だからこそ記憶に残る風景だったり
それぞれの思い出が沁み込んだ場所だったり
おいしい食べ物だったり、
安らげる雰囲気だったり
そこにある“みんなの笑顔”だったり・・・別にさして有名でも訪れるべき観光名所がある訳でもない、
だけれどもここは確かに大切な場所、みんなの笑顔が集まる場所、、、っていう風に感じ取れる着地点が個人的に素晴らしかったなあ。って思います。

そもそも、本当に記憶に残るのって、この話数でもたっぷりれんげ達の田舎の風景が描かれていましたけれど
ああいういつも通ってた何気ない場所だったりみんなで遊んだ何もない場所だったりするんですよね
パッと見、ただの田舎の風景に思えても、だからこそ上積みされた“何か”で大切でいとおしい風景に変わる
「のんのんびより」は田舎暮らしを描いているから素晴らしいのではなく、
そういった“地元”の良さだったり、
そこに根付く情景の胸を打つ感覚をきっちり描けているからこそ素晴らしいんじゃないか・・・なんて個人的には思いました。
別に目に見える何かがあるから好きなんじゃない、そこにはそこならではの独特の空気があって
また更に付随する思い出があって、それが感慨深さを煽るからこそ、その場所に愛着が生まれる

なんだかんだ言いつつ、都会に染まった風に一瞬思えるけど
それでもやっぱ地元を楽しんでしまう、大切にしてしまうひかげがある意味象徴的なキャラクターだとは言えます
みんなここが田舎だと言う事には当然自覚的ですけど、だからと言って変な劣等感も後ろめたい気持ちもなく
みんながみんなこの場所を大好きで、愛している(ように見える)
その真っ直ぐに地元に誇りを、愛着を持っている感じこそ
「のんのんびより」を観ていて本当に「素敵だな。」と思え続けていた要因だったのかもしれません。



女子大生とその姪っ子


そもそも、人は「どっちが都会か」だとか「田舎の方が心地いいよ~」とか比べすぎだと思うのです
その都会度を競い合ってる風潮だとか、都会を揶揄して田舎を極端に持ち上げるような風潮が正しく映るのか、って言ったら疑問で
本当はそれぞれの土地にそれぞれの“良さ”と“味”がありますし、もっとそれに自覚的になった方が結果的には幸せだと思う
この「のんのんびより」に出て来るキャラクター達は本当に素直に地元を楽しんでいましたよね
夏なら川遊び、春ならお花見にたけのこを採りにいってみんなで食事して楽しんだり、
秋ならお月見、正月にはみんなで集まって冬空の下で甘酒を飲んだり・・・と。
遊びにしても定規で弾き合いをやったり、
虫採りに行ったり、
みんなでサイクリングに行ったり・・・と正に俺らが子供の頃にやっていたような遊び方で彼女達なりに楽しんでいたり
凄く素直に地元を楽しんで、「地元を楽しむぞ」とかそういう意識すらもせずエンジョイしている様が自分的にとても印象的でした
自分の住んでいる場所を田舎だ不便だとか揶揄したり蔑んでないで、もっと“地元の素敵”に気付いたらどうだい?っていうか
何気ない景色が良かったり、心に残ったり、なんだか素敵だな。とか思えたり、そういう事が重要なんじゃないかな・・・
なんて事をこの最終話及び最終話までの過程で自分は常々考えていました
登場人物たちは別に「この場所素敵だね」とか
「この村が好き」だとか
「地元LOVE」みたいな事は決して言わない
言わないけれど、だからこそ素直に好きなんだろうなあ・・・っていうのがしっかり伝わって来てそこもまた良いな。って感じた部分ですね。

別にどこどこが都会だとか、田舎だから良い~みたいなみみっちい視点は必要ないし、この作品はそこからは一線を画している
それぞれの地元に、それぞれの故郷に、“大切”と“素敵”は確かに散らばっている。
決してそんな事を分かりやすくメッセージとして掲げていた訳ではありませんが、
個人的には「のんのんびより りぴーと」を最後まで観続けてそんな事を強く感じましたね。





また、そんな優しくて素敵なみんなの笑顔と言葉は蛍から“寂しさ”を完全に奪ってくれた
別に友達に会えなくて憂鬱になる程度に孤独を抱えていた訳ではないけれど、
それでもこの瞬間、この場所は確かに蛍を受け入れてくれたし、
あの笑顔あの言葉できっと蛍は、
「ああ、ここは私の場所なんだ。」っていう風に、若しくは近い感情を抱けたのではないかな、と思います
みんなに気を遣っていた蛍も、蛍に気を遣っていたみんなも、そこにはもういなくて
今は素直にただただ友達でしょ、って言える距離感にまでなっていた
その事が何よりも嬉しかったですし、
最後笑顔でその言葉に応える蛍の表情と声色からは別に「嬉しい」なんて脚本にせずとも
その時間の尊さと蛍がそれに対して尊さを感じている事、そして単純に嬉しい気持ちがしっかり伝わって来て
「ああ、こういうの良いなあ。」なんて風に素直に思える事が出来ました。みんな、いつまでも仲良し、
ここは世界一優しいおかえりが待ってる場所。それを本気で証明した作劇に感動しました。
それは決して田舎だからそうなんじゃなく、
登場人物たちがこの場所ならではのものを愛し、積極的に触れていて
その土地も人もめいっぱい楽しんでいるから~に他ならないんだと思います

「あの頃」何気なく見ていたいくつもの風景も
「今では」自分にとって本当に大切でいとおしい情景に変わっている。
そんな事を本作を通じてまざまざと感じられましたし、
きっとそれぞれの故郷の、それぞれの地元の良さだったり想いを再確認させるアニメにも仕上がってたんじゃないかな、って思いますし
個人的にはそうであって欲しいな、と思います。さり気ない風景は、きっと一生の想い出に、変わって行く。





それはそうと、この最終回でも「のんのんびより」の強い魅力の一つであると思われる
“シュールなギャグ”が炸裂していてすっげえ堪らなかったです
一番はやっぱ竹の子さんに一件一件在宅確認をしていくシーンですかね(笑
あまりにも滑稽過ぎるっちゅうか、れんちょんの元来の律儀さが間違った形で発揮されてしまって正直爆笑しました
それに恥ずかしそうに青ざめた顔で付き合うこまちゃんもまたシュールで面白かったですね
まあそもそもの原因はこまちゃんが竹の子の中には人がいる、って嘘をついたからなんで因果応報なんですけどね
しっかしその前のれんちょんの「セーフ」だとか、
蛍の犬を「ヒザカックン」って咄嗟に命名するシーンだとか
この辺は作者の方の?ギャグセンスが如実に出ていてそこもまた面白かったです
こういうシュールなギャグセンスもまた有り体な日常アニメとは一線を画している部分かもしれませんね
(別に有り体な日常アニメのギャグはあれはあれで完成されてる、とは思いますよ勿論ね)

また、みんなでひなたぼっこする時の美しく、それでいて感動的な劇伴に関しては
「こういう何気ない日々こそが最も尊く、大切なものなんだよ。」ってある種のメッセージのようでもあって
その作用の仕方・・・っていうかこれは個人的な見方ですが、それでもそれは素敵だなあ。って思いました
この作品は生き物の声だとかそういう部分にもこだわっているのでミクロな視点から楽しめる類のアニメだとは感じましたね

全く押し付けがましくない形で、
素直に、
素敵に、
地元を好きで、地元に根付いて、地元で楽しそうに過ごす“みんな”の様子を描き切った本作
その「何気なさ」や「さり気なさ」が非常に粋に映って今期でも指折りに大好きなアニメ作品でした。
願わくばこれを観た人がそれぞれの故郷を、それぞれの地元を、
しっかりと見つめてくれますように。
素直に愛せますように。
そんな事を思いました。スタッフの皆さん、原作関係者の皆さん、そしてこの感想を読んでくれた方々に感謝を。ありがとうございました。












しかし蛍ちゃんは全編通して嫁にしたいくらいの可愛さがありましたね!
とっても素直で、スレてなくて、真っ直ぐで・・・小学生とは思えないくらい出来た子で、発育も含めてそのギャップが最高でした
これからも笑顔で、元気で、この場所でスクスク育って欲しいな。なんて思いました。
勿論、こまちゃん先輩もれんちょんも、そしてキュンと来ちゃうようなめちゃくちゃ可愛いメイン回があった夏海も大好きです
ちょっと素直になれないひかげの良い意味での子供っぽさも、いい大人やってただがしやも心に残りましたね
一穂姉ちゃん先生も何だかんだ良い保護者&フォロー役やってたと思うし(笑
そんな素敵なサブキャラ勢も含めて「いいな」って思える作中観でした。 自分ももっと、自分の故郷や地元に対して(無理なく)向き合えたらいいかな、と。



ここはただ絶景ってだけじゃなく、
みんなの思い出とかも詰まってるからこそきっと彼女らにとって大切な場所、度々行きたくなる場所なんだろうな。って感じました。
これからも、みんなでいっぱい思い出作っていけるといいですよね。でも、彼女らなら、きっと。ね。