サイトウ歯科 院長ブログ

西宮市門戸厄神駅前「サイトウ歯科」の院長が歯科に関する記事を綴っています www.saitodental.jp

再生医療で歯ができる?

2017-12-09 08:42:19 | インプラント学会

週末は滋賀の琵琶湖プリンスホテルで開かれた日本口腔インプラント学会近畿北陸支部学術大会に参加して来ました。

今回の学会のテーマは「インプラント治療ーその先にあるもの」です。

インプラント治療の先にあるものと言えば、何人かの患者さんに「先生、インプラントじゃなくて再生医療で失った歯をも作れませんか?」と聞かれます。

もちろんそれが理想なのですがips細胞などで作った組織は癌化の可能性があり、インプラントを入れた方が今のところはるかに安全です。

しかし、インプラントは危険で自分の細胞から作った組織は安全という思い込みをかなりの人がしているようです。

それに再生医療で歯をつくるとなるとインプラント治療よりも遥かに高額治療になるでしょう。

仮に50歳の患者さんに再生医療でできた歯を入れるとして30年の安全性を確かめるには今から30年かかりますから、

僕の生きている間に安全に再生医療で歯を作るのは無理かもしれません。

しばらくは「インプラント治療ーその先にあるもの」は、「より良いインプラント治療」ですね!

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癌は感染る?!

2017-12-05 19:20:15 | インプラント学会

愛知学院大学歯学部口腔病理学講座の前田初彦教授が就任10周年を迎え名古屋東急ホテルで祝賀会が催されました。

前田教授は口腔癌の原因であるヒトパピローマウイルスの権威で、ぼくも大学院時代にその論文を書いていました。

ヒトパピローマウイルスとは癌を引き起こすウイルスです。

そうです、ウイルスなので感染るんです!癌は感染らないと思っている人も多いのですがこのウイルスは皮膚や粘膜の細胞を好む性感染症の一つです。

タバコとお酒とヒトパピローマウイルスがあれば実験では容易に口腔癌を作り出すことができます。

口腔内に1ヶ月以上たってもなおらないできものがあるときはすぐに歯医者の検診をうけましょう。

名古屋に新幹線で向かう途中、「幸せを呼ぶ黄色い新幹線」ドクターイエローに出会いました。

携帯の待ち受けにすると縁起がいいそうですのでどうぞ(笑)

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抜歯の時期は難しい 日本口腔インプラント学会第38回中部支部学術大会

2017-12-05 15:33:00 | インプラント学会

名古屋大学で開かれた日本口腔インプラント学会 第38回中部支部学術大会で発表してきました。

演題は「重度骨欠損を伴う上顎臼歯部欠損部位においてインプラント治療を行なった一症例」です。

上顎の奥歯において歯周病などが悪化して顎の骨が吸収してしまうとインプラント治療はかなり難しくなります。

骨増生手術を行わないとインプラント治療ができないケースも多々ありますが、今回発表した患者さんについては骨増生手術を避けて

インプラントと天然歯を連結したブリッジで治療し(基本的にインプラントと天然歯は繋がないのがセオリー)、17年以上いい状態が維持できているため発表させていただきました。

ただ、こういった難症例を発表するたびに思うのが、もっと早い時期に抜歯処置を行って入れば治療も簡単だったはず、、、、、、なので患者さんには次のことを覚えておいていただきたいのです。

まず治療を行い、それでも経過が悪い歯についてはあとのことを考えて戦略的に抜歯処置を行った方いい結果が残せることが多々あること。

難しいことですがとても大切なことです

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新しい矯正用インプラントの装置!

2017-12-04 17:30:45 | インプラント学会

ちょっと東京まで口蓋に使う矯正用のインプラントアンカーの講習会に行って来ました 

矯正用インプラントアンカーとは歯を動かすための固定源として使用するインプラントのことです。

通常歯を動かす際には歯と歯を引っ張り合って動かすため、動かしたい歯以外の歯も動いてしまうため難易度が上がります。

また、大臼歯のような大きな歯を動かすにはより大きな固定源が必要となり、場合によってはヘッドギアと呼ばれる頭に被る装置などを利用することも以前はありました。

しかしインプラントアンカーの登場で動かしたい歯だけを動かすことが可能になりその優位性は実感しているのですが

最近、口蓋にインプラントアンカーを二本使用して大臼歯を三次元的に動かす手法があちらこちらで発表されています。

この手法を応用すれば今まで動かすことが困難だった上顎の大臼歯を思った方向に自由に移動させることが可能になります。

インプラントは歯列矯正において大きなイノベーションを起こしているようで目が離せません

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え!今はそうやって治療するの!」 アメリカのインプラント治療最前線!2017

2017-12-01 18:15:45 | インプラント学会

アメリカ口腔インプラント学会の専門医試験を受けるためにはMax Courseという300時間にわたるインプラントの講習会を受けることが必須です。

そのコースをアメリカまで行かなくても日本でうけることができるのが当会のAAID Max course Jpapan in Nagoyaです。

今回も多くの国内外の著名な先生方に講演していただいていますが現在のAAIDの会長であるシャンカー先生にもアメリカから来ていただき講演していただきました。

やはりインプラント先進国であるアメリカの現在のトピックを交えての講演は驚きの連続です。

今、日本で行われている治療方法がアメリカではとっくに使われなくなっていることなどよくあることです。

今回も「え!今はそうやって治療するの!」がたくさんでした。

海外のインプラント学会に行っていない先生が見たら驚くだろうなあ〜

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