サイトウ歯科 院長ブログ

西宮市門戸厄神駅前「サイトウ歯科」の院長が歯科に関する記事を綴っています www.saitodental.jp

第2回日本デジタル矯正歯科学会ー歯科治療のデジタル化の是非について

2023-09-06 11:38:59 | 歯列矯正

9月に入ってすぐ東京国際フォーラムで開催された第2回日本デジタル矯正歯科学会に参加してきました

歯の詰め物や被せ物、義歯などを3DプリンターやCAD CAMで作る技術、CTを使ったインプラントや矯正治療の診断、

マウスピースを使用した矯正治療など歯科治療のデジタル化が最近進んでいます

そしてそれらデジタル機器を制作販売している会社も増えてきて「デジタル=最新のいい治療」みたいな構図が出来上がってきています

確かにデジタルの世界は目新しく未来感があってワクワクします

しかし今回の学会では大学レベルでそれらの治療の可能性と限界について冷静に検証したデータを講演していただきました

当たり前のことですが歯科治療のデジタル化にはメリットとデメリットがあると言うことです

そこをしっかり見極めて日頃の診療にデジタルを導入していかないと患者さんに迷惑をおかけしてしまう可能性があります

例えばIOSと言われる口腔内スキャナーを利用した歯の型取りですが

今までのように型取りには印象材をトレーに持って口の中に入れなくていいので患者さんの負担が減ります

ところが一番型取りで大変な全部の歯の型取りは口腔内スキャナーの方が印象材でとる今までの型取りの方が精度が高いそうです

デジタル化してできたものの精度が悪ければ治療レベルが落ちてしまいます

それも何年かすると改善されるでしょうから頻繁に学会に参加して新しい技術を見極めていくことが大切だと改めて思いました



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大人の歯列矯正治療

2023-03-25 17:45:48 | 歯列矯正

最近増えてきたと感じる40代から50代の女性の患者さんの歯列矯正

今年の日本臨床矯正歯科医会のアンケートでも50代以上の患者さんが

「見た目の改善」「長期的な口の健康維持」が目的で歯科を来院されるかた増えてきているとのこと

一昔前は歳を取ったら歯は悪くなるのは当たり前と考える方が多かったのですが

年齢を重ねても口元を綺麗にして歯の健康を守りたいという方が増えてきたようです

実際60代以上の体力は厚生労働省の調べても年々増しており

若々しく元気なシニア層が普通になってきています

歯列矯正は子供のものでもなく年齢制限はありませんし

良い歯並びになると歯磨きをしやすく歯周病にもなりにくく

噛み合わせを治すことで歯の持ちもよくなります

健康寿命を伸ばすためにも大人の歯列矯正はお勧めです







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マウスピース矯正について(3)

2023-03-02 11:52:38 | 歯列矯正

では実際にマウスピース矯正での失敗にはどんなものがあるでしょうか?

1、歯並びが治らない

2、治療期間が伸びる

3、歯茎が下がってしまう

1、2についてはブラケットとワイヤーを使用した矯正によってリカバーが可能ですが

問題は3の歯茎が下がってしまうという問題です

これはマウスピース矯正の問題というよりも無理な歯列拡大の弊害と言えます

マウスピース矯正や拡大床などを使用して抜歯を避けるために安易に歯列(歯の並ぶアーチ)を拡大すると

歯は綺麗に並んでも歯の外側の根の周囲の骨が歯茎失われてしまい

それによって歯茎が下がる、歯周病の進行が早くなる、最悪抜歯になる可能性もあります

なのでマウスピース矯正においてはより術前のレントゲンやCTの綿密な診断によってそれらのリスクを考慮する必要があります

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マウスピース矯正について(2)

2023-02-28 11:42:04 | 歯列矯正

マウスピース矯正は画期的な治療方法ですが、ではなぜ全ての矯正歯科医がマウスピースで治療をしないのでしょうか?

歯科医師にとって従来のブラケットとワイヤーを使用した矯正治療に比べてマウスピース矯正は歯科医師にとっても

楽な治療であるはずなのでもっと普及しても良さそうなものですよね

理由はマウスピース矯正がブラケットとワイヤー矯正に比べて治療適応の範囲が狭く

治療成績が悪いことが挙げられます

実際、マウスピースを販売している会社のセミナーを受けると補助装置と呼ばれるブラケットやワイヤーやゴムなど

従来の矯正装置を併用して使用することを推奨しています

また、日本矯正歯科学会や成人矯正歯科学会においてマウスピースによる歯列矯正の症例は専門医取得には使用できません

要するに従来の矯正装置による矯正治と比較してマウスピース矯正の治療レベルはまだまだ低いということです

ただ、メリットも多くあるマウスピース矯正ですので綿密な治療計画を立てて従来の矯正装置と併用する

また、マウスピース矯正でうまくいかない時は従来のブラケットやワイヤーを用いた装置でリカバーするなどの体制が必要になります

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健康な歯を抜かずに矯正治療します?

2022-09-01 16:23:05 | 歯列矯正

健康な歯を抜かずに歯を並べれることもあります

しかし、健康な歯を抜かないと歯を並べれないほと歯の大きさと顎のサイズのバランスが悪い時があります

そんな時歯を抜かずに治療する方法は大きく4つあります

1)奥歯を親知らずの位置まで移動させて行って前歯が並ぶようにする

この場合は奥歯が歯肉に埋まってしまい歯茎が腫れてきます 実際どこかで矯正してそうなって来院された方がいました

2)歯を削って細くして並べる

この場合はあまり削ると歯の形が細長くなってしまったり、歯が滲みたりするようになります

3)歯並びのアーチを大きくして側方に広げて歯を並べる

上記のレントゲンのように歯の外側の骨が薄くなってしまい将来歯周病のリスクが高くなります

4)顎の手術をして並べる

これが理想ですが大掛かりな手術を口腔外科にて行う必要があります

歯を抜かないで歯が並んでも歯周病や虫歯のリスクが高まったら結局歯を抜かないといけなくなります

歯を抜いて矯正する目的は将来、患者さんの歯を抜かなくて良いようにするためなのです

ただ、誤解がないように言っておくと

歯を抜かなくても良い人もいますし、少し歯を削れば歯が並ぶ人もいます、顎が大きくて横に歯を広げても大丈夫な人もいます

当たり前ですがしっかり検査してその人にあった矯正方法を見つけることが大切ということです


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矯正治療中も素敵な笑顔で

2022-08-16 17:04:46 | 歯列矯正

日本臨床矯正歯科医会で「第18回ブレーススマイルコンテスト」が開催されています

矯正治療中の素敵な笑顔を写真に撮って応募しましょう

最優秀賞は10万円、優秀賞5万円、大会賞3万円、入賞者にはQUOカードが!

ブレーススマイルコンテストなのでマウスピース矯正の方は応募できません

応募は日本臨床矯正歯科医会のホームページ

https://www.jpao.jp/smile/ 

からできます 締切は2022年8月31日(水)まで 急いで!

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歯並びと噛み合わせはなにが違う?

2022-03-30 11:42:51 | 歯列矯正

歯並びが悪い状態と噛み合わせが悪い状態はなにが違うのでしょう?

歯並びは上顎、下顎それぞれの歯の並びのことで噛み合わせは上下の歯がどのように噛んでいるかということです

ではそれはお口の健康にどんな影響があるのでしょうか?

結論をいうと、歯並びが悪くても噛み合わせが良ければしっかり歯ブラシとフロスをしていただければ

そう簡単に歯は壊れません

歯並びの問題は見かけの問題で、歯の持ちに関わるのは噛み合わせが悪い状態です

綺麗な歯並びでも一部の歯しか噛み合っていなければその歯の負担が大きいので 

いずれその部分から壊れてきます

特に敏感な前歯が噛み合っていない方は鈍感な奥歯のみで噛んでしまうので

前歯が噛み合っている人よりもに無理な力がかかって奥歯が早く壊れます

逆に奥歯がしっかり噛み合っていなければ本来は柔らかいものをかみ切る為の前歯で

硬いものをすりつぶしているとこれもまた壊れてしまいます

ハサミで豆を切っていると刃がすぐに傷んでしまうイメージですね

お口の中は歯、歯茎、筋肉、骨、舌などが精密に連動して食事をするようにできています

なにかが欠けるとそれを補うようにできていますが限界があります

自覚症状がなくても噛み合わせを正常な状態にすることが歯を長持ちさせるためには大切です

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明けましておめでとうございます

2022-01-01 01:00:00 | 歯列矯正

明けましておめでとうございます

今年はトラ年です

動物によって噛み合わせは異なるのですが

虎や猫は肉を引き裂いて食べるので歯はハサミのように尖っていて、すれ違う噛み合わせです

牛や馬などは穀物や野菜を食べるので臼のような歯ですり潰すかみあわせです

人間は雑食なので前歯は切歯と呼ばれ食べ物を引き裂けるようになっており、

奥歯は臼歯と呼ばれ食べ物をですり潰せるようになっています

なので前歯の噛み合わせが悪いと食物をうまく噛み切ることができません

逆に奥歯の噛み合わせが悪いと食物をうまくすり潰せません

前歯と奥歯が正常に噛み合って初めて本来の機能を発揮できます

みなさんが食べ物を美味しく食べれるよう今年も頑張っていきたいと思います

本年もよろしくお願いいたいます


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歯列矯正治療中の大橋悠依選手!金メダル獲得おめでとうございます

2021-07-30 19:11:29 | 歯列矯正

東京五輪の競泳女子で400メートル個人メドレーと200メートル個人メドレーの二冠に輝いた大橋悠依選手おめでとうございます!

みなさん彼女の口元をみてお気づきの方も多いと思いますがホワイトブラケットにて歯列矯正治療中です

リオのオリンピックの時から比べて口元がかなりスッキリして噛み合わせも良くなっています

オリンピックやワールドカップで日本人選手は歯並びが悪い選手が多く、日本人の歯の健康に関する意識の低さ

しいては歯科医師のレベルの低さを示しているようでいつも悲しい気持ちになっていたのですが

こうやって歯列矯正しながら結果を出していただけると矯正に携わる歯科医師としては感無量です

時折患者さんから「歯並びを治したいのですが矯正治療をするとスポーツや学業に悪い影響がでませんか?喋りにくくなりませんか?」という質問をうけるのですが

「最初は大変ですが、オリンピックを見ていただければわかりますが、しっかり食べて身体作りを行い、

競技に集中して金メダルをとってインタビューに答えることは可能です!」と説明できます



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歯列矯正は噛み合わせを改善させて歯を長持ちさせる!

2021-01-13 16:02:24 | 歯列矯正

歯科治療の中でも材料の変化に伴って治療理論のパラダイムシフトが起きているのが、インプラント、歯列矯正の分野です

3年前にインプラント治療についてはインプラント指導医のためにかなり勉強し、合格したのでいったんインプラントの勉強は置いておいて

今度は最新の矯正治療について勉強するべく毎月東京で開催されていた日本成人矯正歯科学会認定医研修プログラムに参加していました

途中、新型コロナの影響で延期やweb受講などもあり2年3ヶ月かかりましたが、無事終わりました

長かったですが、20年前にに受けた矯正治療のコースと比べ新理論や新材料を色々と学ぶことができました

でも変わらないのは治療のゴールである「良い噛み合わせの獲得」です

いくら虫歯の治療やインプラント治療や歯周病治療のレベルをあげても噛み合わせが悪ければ長期的には安定しません

そのために歯列矯正治療はなくてはならないものです

歯列矯正治療の審美的なことばかりが注目されますが歯を守るために歯列矯正は有効な治療です










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