うんどうエッセイ「猫なべの定点観測」

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厄介な隣人に振り回されながらも、U-20女子W杯の日本開催がようやく決定

2012年02月11日 | サッカー(女子)
日本サッカー協会は8日、今夏のU-20(20歳以下)女子ワールドカップ(W杯)について、日本政府から開催を承認する文書が届いたと発表した。国際サッカー連盟(FIFA)主催の女子の大会では初となる日本での開催が決まった。会場、運営方法などは今後、詳細を詰める。FIFAによると、期間は8月19日から9月8日。
 当初は8月18日から9月8日にウズベキスタンで開かれる予定だった。FIFAは昨年12月の理事会で施設、運営両面から同国での開催は困難と判断し、政府保証が得られることを条件に日本開催を決めた。
 奥村展三文部科学副大臣は8日、東京・国立競技場が主会場になる見通しを示し、東日本大震災の被災地も会場にするというFIFAの考えを支持した。
 また出場権を既に獲得している北朝鮮代表へのビザ発給について「大会が近づけば当然、ビザの発給はしないといけない。ただ(拉致被害者の)家族会の心中をしっかり察して、治安や安全を守ることも考えて、ビザ発給や受け入れをしたい」と話した。

〔共同通信 2012年2月8日の記事より〕

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友人は選べるが隣人は選べない

昨年末に持ち上がっていた女子サッカーのU-20W杯の日本への代替開催問題。本来なら、1月31日が、開催条件だった「政府保証」の回答期限でしたが、政府との調整に時間が手間取ってしまい、今月にずれ込みました。しかし、2月8日に政府の承認を取り付けて、ようやく開催が決まりました。ちなみに、日本で国際サッカー連盟(FIFA)主催大会が開催されるのは、2002年日韓W杯以来10年ぶり5度目です。過去4回はいずれも男子の大会なので、女子の大会が開催されるのは今回が史上初めてとなります。

政府保証の承認がずれ込んだ最大の理由は、言うまでも無く北朝鮮の存在に尽きます。日本は、2006年10月の北朝鮮の核実験以降、制裁措置を発動しているので、政府の特例が無い限り、北朝鮮国籍保有者の入国を原則禁止してます。更には、未解決の日本人拉致問題まで抱えてます。ただ、“招かれざる客”の北朝鮮は、昨年10月にベトナムで開催されたAFC U-19選手権で準優勝して今大会の出場権(アジアから3枠)を獲得してます。過去に民主党政権は、一昨年の2010年2月に東京で開催された東アジア選手権で、大会に参加するはずだった北朝鮮女子代表チームを政治的な理由で入国拒否を実行しようとして、FIFAから「各国協会への政府介入」だと見なされて、あわや厳罰処分(=協会の資格停止&国際試合の禁止)を喰らいそうになったことがあります(→詳細はこちら)。FIFAは政治の介入を極度に嫌う組織です。前の麻生政権時代に大会開催が既に決まって準備していたにも関わらず、政権交代した途端に反故にしたことが各方面から批判を浴びました。

しかし、今回の代替開催は、振って湧いた話なので、さすがに2年前とは状況が全く異なります。しかも、大会開幕まで半年近くしかありません。それに、北朝鮮のスポーツチームを国内に受け入れるのは、あらゆる面で負担が大きく圧し掛かります。6年前の核実験以降、北朝鮮のスポーツチームと国内で対戦したのは、昨年9月2日に埼玉スタジアムで行われたブラジルW杯アジア3次予選が唯一です(→詳細はこちら)。ただ、この時は僅か1試合だけだったので、警備はやりやすいです。しかし、今回のU-20W杯の試合会場は4ヶ所以上が最低条件なので、試合ごとに移動する可能性があり、費用が高くつきます。しかも、北朝鮮女子のユース世代はなまじ強い(ただし、薬物使用や年齢詐称疑惑がある)から長期間滞在する可能性があり、大会の赤字拡大だけでなく、宿泊地となる自治体も大きな負担を抱えます。また、選手団の中には“役員”と称している工作員が紛れ込んでいるので、大会が近づくにつれてビザ発給問題が再び俎上に上る可能性があります。更には、選手が亡命する可能性もあります。

日本は昨年夏のW杯で優勝して女子サッカー熱が盛り上がっているだけに、4年後の2016年リオデジャネイロ五輪の未来予想図となる今回のU-20W杯開催を機に、国内女子サッカー界の発展と競技環境の改善に繋げることが狙いです。大会開催時期がロンドン五輪の直後に行われるので、上手くメディアを使って大会を盛り上げれば、課題とされている集客面でも期待出来ます。それに、東日本大震災の復興支援で被災地での開催が予定されているので、特別な意味があります。それだけに、極悪非道のならず者国家の存在が、本当に鬱陶しく感じますね。独裁者の金正日が昨年末にやっと死去したので、北朝鮮は「喪に服する」意味で、あらゆる国際大会に不参加することが予想されたが、どうやらそんな気はサラサラ無いみたいです(→詳細はこちら)。大会を開催をする以上、たとえ敵性国家であっても、正当な資格を有する国の参加を拒むことは不可能だが、ピッチの外の煩わしい出来事のせいで、せっかく日本で開催される記念すべき大舞台がぶち壊されないか、今から心配です。

ちなみにだが・・・
アジア予選で敗退した韓国は、日本が開催国になったおかげで棚ボタで出場権が舞い込みました。せっかく、日本はアジア予選を兼ねたAFC U-19選手権で韓国に3-1で完勝して、一昨年9月のU-17W杯決勝でPK戦で敗れた雪辱を果たして奈落の底に突き落としただけに、将来の脅威の芽を摘み取っておく意味でも、非常に残念です。本来なら、韓国はチャンスを与えてくれた日本に心から感謝をするべきだが、息を吐くように歴史を捏造するあの民族は、恩儀というものを全く知らない連中なので、そんなものは期待するだけ無駄でしょう。だからこそ、決勝トーナメントで対戦した時に、たっぷりと返り討ちにしておかないといけないです。



▼U-20女子W杯の過去の歴代成績
(参加資格は、第1~2回大会は19歳以下、第3回大会以降から20歳以下)
                    優勝      2位       3位      日本の成績
第1回(2002年)カナダ大会    米国      カナダ     ドイツ     ベスト8
第2回(2004年)タイ大会     ドイツ     中国      米国      アジア予選敗退
第3回(2006年)ロシア大会    北朝鮮    中国      ブラジル   アジア予選敗退
第4回(2008年)チリ大会     米国      北朝鮮     ドイツ     ベスト8
第5回(2010年)ドイツ大会    ドイツ     ナイジェリア  韓国     1次リーグ敗退

※第1~3回大会までは、本大会とアジア予選が同一年開催。
  第4回大会以降から、アジア予選が奇数年、本大会が偶数年に開催。


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