うんどうエッセイ「猫なべの定点観測」

おもに運動に関して、気ままに話したいと思います。
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ザックジャパン、北朝鮮に手こずりながらもW杯予選を白星発進

2011年09月03日 | サッカー(全般)
◆サッカー・2014 FIFAワールドカップブラジル大会アジア3次予選 第1節(2011年9月2日)

・C組
 日本 1(0-0)0 北朝鮮  (@埼玉スタジアム2002)
 得点者:日本)90分+4 吉田麻也

 タジキスタン 0(0-0)1 ウズベキスタン


▼3次予選のその他の試合結果  (左側のチームがホーム)
・A組
 中国 2(0-1)1 シンガポール 
 イラク 0(0-1)2 ヨルダン

・B組
 韓国 6(2-0)0 レバノン 
 UAE 2(0-1)3 クウェート

・D組
 豪州 2(0-1)1 タイ 
 オマーン 0(0-0)0 サウジアラビア

・E組
 イラン 3(0-0)0 インドネシア 
 バーレーン 0(0-0)0 カタール


アジアサッカー連盟の今大会の関連ページ
日本サッカー協会の今大会の関連ページ
今大会の日本代表23名(日本サッカー協会HPより)
今大会の北朝鮮代表23名(日本サッカー協会HPより)

〔写真はGetty Imagesより〕


                           *  *  *  *  *


ついに、9月2日からサッカーのブラジルW杯アジア3次予選がアジア各地で開幕しました。アルベルト・ザッケローニ監督率いる日本代表は3次予選ではC組に属します。このC組の2011年8月24日発表のFIFAランキングだと、日本が16位、ウズベキスタンが82位、タジキスタンが153位、北朝鮮が114位です。日本は、昨年6月の南アフリカW杯では国外開催初となるベスト16に進出し、今年1月にカタールで開催されたアジア杯では大会最多となる4度目の優勝を果たすなど、アジアでは頭一つ抜けた実力を有してます。3次予選はもちろんのこと、3年後の本大会のアジア代表の大本命だと見なされてます。世間やメディアは、ホームで行われる初戦の北朝鮮戦は、勝ち点3を獲得するのはもちろんのこと、大量得点を狙えるような緩い雰囲気すら漂ってました。

アジア杯優勝の記念に背番号と名前が金色のユニフォームで臨んだこの一戦。日本は思わぬ苦戦を強いられます。試合前は、台風12号の影響で試合延期が懸念されましたが、どうにか開催に扱ぎ付けます。ただ、ピッチ状態や風も試合に少なからぬ影響を及ぼしました。立ち上がりから主導権を握った日本は、ボール支配率が66.1%、シュート数が20本と完全に圧倒。対する北朝鮮は、ボール支配率が33.9%、シュート数が僅か5本。前半に至っては、シュートを1本も打てない有様でした。ただ、自らの立場を弁えている北朝鮮にとって、アウェーでの日本戦は勝ち点1を得れば及第点です。前半途中にはGKリ・ミョングが右足を負傷するアクシデントが起きます。しかし、最大の弱点だと思われていたこの選手が日本の猛攻を耐えると、次第にチーム全体に守りのリズムが生まれました。対照的に、日本は中々ゴールマウスを抉じ開けられず、徐々に焦りの色を浮かべます。やはり、本田圭佑と中村憲剛の負傷離脱が影響したのは否めなかったです。

悪い状況を打開する為、ザッケローニ監督は後半13分にMF柏木陽介からU-22代表の清武弘嗣に交代。左の攻撃的MFに入っていた香川真司を中央に移し、清武を右サイド、右サイドに入っていたMF岡崎慎司を左にそれぞれ配置転換。更には、後半25分にはFW李忠成に代えて、代表デビュー戦となる身長194㎝の長身FWハーフナー・マイクを投入。中盤の底から主将の長谷部誠が積極果敢に攻撃参加。速さと高さを武器に北朝鮮を自陣に釘付けにして、徹頭徹尾に渡って圧迫を加え続けます。次第に北朝鮮はスタミナが切れはじめ、後半38分には途中出場のFWパク・クァンリョンがMF遠藤保仁に対する危険なタックルで一発退場し、日本が断然有利な展開に。ただ、どうしても肝心の得点を奪うには至らず、時間が刻々と過ぎて行きました。

日本は終了間際に今野泰幸のシュートがクロスバーを叩き、香川のヘディングシュートが驚異的な反応で横っ飛びしたGKリ・ミョングの左手一本に弾かれるなど、惜しいシーンが何度も続きます。一方、北朝鮮は後半45分にFW鄭大世を下げて専守防衛に徹します。このままスコアレスドローの予感が漂いました。しかし、ロスタイム3分過ぎに、日本はショートコーナーから清武の上げたクロスを、フリーだったDF吉田麻也が頭で豪快に押し込んで、ついに均衡が破れます。まるで、1月のアジア杯1次リーグのヨルダン戦の同点ゴールを彷彿する得点シーンでした(→詳細はこちら)。勝ち点1をほぼ手中にしていた北朝鮮はこの失点で足が完全に止まっただけでなく、精神的にも甚大な打撃を被り、もはや反撃する余力はありませんでした。結局、日本が最小得失点差で北朝鮮を下し、拾い物の勝ち点3を手にしました。

今回のW杯3次予選の抽選で用いた基準はFIFAランキングなので、国際試合を組むことが少ない北朝鮮は第4ポットと低く扱われてます。たしかに、今の北朝鮮の実力はアジアのトップクラスとは言えませんが、やはり南アW杯出場国だけあって侮りがたいものがあります。しかも、在日のJリーガーや鄭大世のような欧州組まで擁するなど、国際舞台から遠ざかっていたひと昔前に比べると明らかに実力が向上してます。それに何と言っても、日本はW杯予選の初戦は毎度の如く苦戦を強いられてます。前回の予選こそ、日本はタイに4-1で大勝してますが、遠藤がFKで先制点を奪った後にすぐさま同点に追いつかれてます。なので、たとえ格下が相手であっても、勝利を飾るのは容易ではないです。9月に行われる予選の2試合は最低でも勝ち点4を取りたいので、曲者を相手に手こずりながらも、W杯予選の初戦でしっかりと白星を挙げたのは結果的にはよかったです。あらためて、長丁場の戦いのW杯予選と、短期集中開催のアジア杯とでは、大会の性格が明らかに異なるので、厳しさを実感させられます。

それにしても、埼玉スタジアムで行われるW杯予選の初戦でロスタイムの勝利というと、どうしてもジーコ監督時代を思い出しますね。ちなみに、就任決定から僅か5日目でW杯予選に臨んだジーコ監督率いるイラクはホームでヨルダンに0-2と完敗を喫し、初陣は飾れませんでした。


▼過去5大会の日本代表のW杯予選の初戦の結果

・イタリア大会アジア1次予選
 vs香港 △0-0 (1989年5月22日 @香港/香港政府大球場)

・米国大会アジア1次予選
 vsタイ ○1-0 (1993年4月8日 @神戸ユニバー記念競技場)

・フランス大会アジア1次予選
 vsオマーン ○1-0 (1997年3月23日 @オマーン・マスカット/スルタン・カブース・スポーツコンプレックス)

・ドイツ大会アジア1次予選
 vsオマーン ○1-0 (2004年2月18日 @埼玉/埼玉スタジアム2002)

・南アフリカ大会アジア3次予選
 vsタイ ○4-1 (2008年2月6日 @埼玉/埼玉スタジアム2002)

※2002年日韓大会は開催国なので予選免除



☆日本vs北朝鮮のダイジェスト



☆タジキスタンvsウズベキスタンのダイジェスト   ※1~3まで映像があり



☆こちらはイラクを率いるジーコ監督の初陣となったヨルダン戦。
ホームのイラクは0-2と完敗を喫して黒星発進となりました。




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2 コメント

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5年前と違って (こーじ)
2011-09-05 01:24:25
 北朝鮮は5年前と違って強くなっている感じはしましたけど、やはり実力は日本の方が格上だというのは試合開始からハッキリしてました。

 ただしサッカーは強いから必ず勝つとはいえず、あそこまでガチで守られると点を取るのに往生します。

 5年前は海外組の疲労を考慮して国内組中心のチームで戦ったので中村俊輔らが後から入りましたが、今回は本当に意図ある選手交代だったというのも好感が持てますね。

 やはりサイドからや高さと あらゆる攻めを受けるとダメージは溜まるという事でしょうし、
ここ一番で頼りになるのが吉田だというのも分かる気がします。

 とにかく2位以内に入ればいい訳ですから、
タシケントでは負けない戦いをして欲しいですね。
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コメントありがとうございます (猫なべ)
2011-09-06 00:52:20
こんばんは、こーじさん

ザックジャパンは、1月のアジア杯で試合終了間際に得点を奪って勝ったり、引き分けに持ち込む試合があったので、瀬戸際にまで追い詰められても心のどこかで勝てる気がありましたね。
しかも、今回の場所が埼玉スタジアムだったので、神通力がありました。

公式戦でロスタイムの勝利というと、ジーコ時代のドイツW杯1次予選のオマーン戦と最終予選の北朝鮮戦、2004年アジア杯準決勝でのバーレーン戦を思い出しますね。
退場者を出しながらも交代策が上手くハマったバーレーン戦以外は、殆ど奇跡的な勝利だったので、ジーコは悪運だけは強いなあと思います(笑)。
やはり、同じロスタイムの勝利でも、ジーコ時代に比べるとザックジャパンは内容が大きく異なりますね。

ちなみに、この日の長谷部はとても活躍したように私は思ったのですが、私が心から敬愛してやまない(笑)この自称スポーツライターは、どうやらお気に召さなかったみたいですね。
まあ、心の底から日本の事が大嫌いなこの人は、試合を観ずに怪文書を書いたのだと思いますけどね(苦笑)。
http://blog.livedoor.jp/sugicc402/archives/3923465.html
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