うんどうエッセイ「猫なべの定点観測」

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さくらジャパン、W杯は11位に終わる

2010年09月13日 | 団体球技(屋外)
◆第12回女子ホッケーW杯(2010年8月29日~9月11日 @アルゼンチン・ロサリオ)

・今大会の日本の成績
予選リーグA組
8月30日 vs豪州 ●1(0-1)2     9月 5日 vsインド ●0(0-1)2
9月 1日 vsドイツ ●1(0-0)2     9月 7日 vsオランダ ●2(0-2)5
9月 3日 vsNZ △2(0-0)2   
〔日本は4敗1分で予選リーグ6位〕

11位決定戦
9月 9日 ○2(0-0)1 スペイン

・最終順位
優勝・アルゼンチン、2位・オランダ、3位・イングランド、4位・ドイツ、5位・豪州、6位・韓国
7位・NZ、8位・中国、9位・インド、10位・南アフリカ、11位・日本、12位・スペイン

※アルゼンチンは2大会ぶり2度目の優勝

今大会の詳細の成績
  国際ホッケー連盟による今大会のビデオオンデマンドによる中継(全試合無料配信)

〔写真は国際ホッケー連盟より〕


                          *  *  *  *  * 


4年に1度、女子ホッケーのナショナルチームの世界一を決めるこの大会。現在世界ランキング9位の日本は、W杯には今大会で3大会連続での出場でしたが、残念ながら出場12チーム中11位と不振に終わりました。前々回の2002年W杯豪州大会から、日本は偶数年に開催される世界大会である五輪とW杯には必ず参加してました。五輪では初出場だったアテネ五輪で8位、北京五輪では10位。W杯では2002年豪州大会では10位、前回2006年スペイン大会では日本女子ホッケー史上最高成績となる5位入賞を果たしました。なので、今大会の11位という成績は、ここ数年では最低の成績です。ちょうどチームの世代交代期ということもありますが、北京五輪後の成績は少し低迷を辿っていると言わざるをえないですね。

予選リーグ初戦の豪州戦と2戦目のドイツ戦は、いずれの試合も体格とフィジカルの差で苦しめられました。ドイツ戦は先制点を奪いながらも、日本は1人退場者を出してから形勢が一変。これを機に立て続けに得点を許してしまい、逆にペナルティーコーナー(PC)からの日本の同点ゴールをビデオ判定によってノーゴールと判定される不運もあり、痛恨の逆転負けを喰らいました。この2敗で日本は準決勝進出がほぼ絶たれました。ただ、両国とも日本より格上だったので、2連敗を喫したのは仕方が無かったのかもしれません。むしろ、1点差で終えたのは善戦の部類と言えるでしょう。

本当に日本にとって痛恨だったのは、その後の2試合です。同格だと思われた世界7位のNZと世界13位のインドに未勝利で終わったことです。NZ戦は前半から相手にPCをたくさん許す苦しい展開でしたが、日本は堅い守りで凌ぎます。逆に日本は後半にエースの千葉香織の先制点を皮切りに2点を先行し、優位に立ったのかと思われました。だが、粘るNZに猛反撃を許してしまい、あっという間に同点に追いつかれ、結局2-2のドロー。この結果がモロに響いたのか、相性が良いと思われていた次戦のインド戦では、終始攻め込みながらチグハグな攻撃となってしまい、0-2で痛恨の黒星。この2試合を落としたことが、予選リーグ最下位に繋がってしまいました。予選リーグ最終戦の世界1位のオランダ戦は2-5と完敗し、スペインとの11位決定戦は日本が逆転で大会初勝利。最後まで積極的に戦う執念を見せたのが、唯一の慰めでした。

今回の日本は経験が浅い若い選手が多かったとはいえ、世界のレベルが更に向上していることを痛感させられた大会となりました。世界のトップレベルとの差はもちろんのこと、同格だと思われた相手にも勝ちきれなかったのが何よりの証左でしょう。それだけに、今年最大の目標であるロンドン五輪アジア予選を兼ねた広州アジア大会は、間違いなく厳しい戦いを強いられます。ちなみに、今大会の成績がロンドン五輪の国・地域別の出場枠に反映されます。日本以外のアジア勢の成績は、韓国が6位、、中国が8位、インドが9位、と他の大陸と比較しても決して芳しい成績ではありませんでした。おそらく、アジア枠は1になる公算が高いと思われます。

4年前は中国が五輪開催国だったから、日本はアジア大会で準優勝でも五輪出場権を獲得できました。しかし、今回は中国は予選から回るので、アジア枠が1つだけの場合はアジア大会で優勝する事が絶対条件です。もしアジア大会で負けたら、今回のW杯予選のように世界最終予選へ遠回りすることを余儀なくされます。たとえ、世界最終予選で五輪出場権を得たとしても、予選突破に全精力を傾けなくてはいけないので、今度は本大会に向けた強化の時間を確保できません。五輪本番で好成績を収めるには、やはり早い段階で五輪出場権を獲得するのは必須条件です。なので、日本が今大会でアジア最下位の成績に終わったのは、今後のことを考えると大いに不安を感じますね。今大会の苦い結果を反省し、課題を修正した上で、来るべき決戦に備えてほしいです。

ホッケーは日本国内ではマイナー扱いにされている競技なだけに、代表チームにはスポンサーが現在ついておらず、少ない予算の中で活動をしている状態です。もし、ロンドン五輪の出場を逃したら、日本のホッケー界は相当の打撃を被ります。11月のアジア大会は、アジアのライバルが血眼になって強化に心血を注いでいるので本当に厳しい戦いとなります。だからこそ、自分達の未来を少しでも明るくする為にも結果を求められているので、何としてでも優勝を飾ってほしいです。


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