navikuma のブログ 陽炎のようにゆらめく景色のなかを走行中です。

ユーラシア大陸の端っこからのたわごとです。

怪しいブーム=かぶらずに頭をクールに!

2014年08月31日 | たわごと

 

表紙の写真は滝修行と整体師のブログからお借りしました。

 

マンネリ化してきた彼ら’の「やらせゲーム」のひとつです。 

やっている人、乗せられかぶっている人、またその取り巻きで無邪気に騒いでいる人たちみんな頭を冷やしていただきたいものですね。

バカ丸出しですよ!!

 どういうものかカズモトさんの記事をご覧ください。

Kazumoto Iguchi's blog から

2014年 08月 22日

謎のキャンペーン増殖中:ALSをダシにしたネットワーク解析ツール疑惑!?発案者に韓の法則発動!?

http://quasimoto.exblog.jp/22310833/

いまどういうわけかこんなキャンペーンが流行している。

指名されたら、氷水バケツをかぶるか、かぶらないか、を決める。寄付1万円をしない人は氷水をかぶる。

もしこのバケツにエボラ出血熱ウィルスが混入していたらと思うとぞっとするというのは俺だけか?

さて、このキャンペーン。結論から言うと、かつての「2012年アセンション」という一種の詐欺と全く同じで、これは米CIAがヒューマンコネクションのネットワークを分析するために作られた「やらせ」ゲームである。それにFacebookが協力した。

ずっと前からザッカーバーグはビル・ゲイツの隠し子であり、CIAが作った会社の社長に抜擢されただけのロックフェラー閥にすぎないよとここではメモしてきたが、まさにそのものずばりであった。

CNN自らがこれを公表しているので、これをメモしておこう。以下のものである。

…。 

難病ALSのチャリティ「頭から氷水」はどう広まったか--Facebook分析

8月20日にソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏も参加した、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療研究を支援するチャリティ「Ice Bucket Challenge」。この活動がFacebook上でどのように広まったかを、Facebookのデータチームが7月1日から8月17日の期間で分析し、発表した。

 7月末にマサチューセッツ州在住のALS患者Pete Fratesさんの呼びかけで始まったこのキャンペーンは、指名されると24時間以内に100ドル(1万円)寄付をするか氷水を頭からかぶるかを選び、次の挑戦者を3人指名するというもの。もちろん氷水をかぶり、さらに寄付することもできる。

 ALSは、運動をつかさどる神経が侵されることで筋肉が萎縮し、身体が動かなくなったり、声が出なくなったりする難病で、有効な治療法はいまだ見つかっていないという。難病情報センターによれば、1年間で人口10万人当たり約1~2.5人が新たにこの病気にかかっており、日本では約9000人がこの病気を患っているそうだ。

 米ALS協会の18日の発表では、7月29日から8月18日までの間に1560万ドルの寄付が集まっており、2013年の同期間で集まった180万ドルを大幅に上回った。

 Facebookによると、Facebookで投稿、コメント、いいね!などを通してこのキャンペーンに参加した人は2800万人以上にのぼり、このキャンペーンに関するビデオでFacebook上にシェアされたものは、240万本に達するという。

 クチコミはボストンを中心に広がり始めた。Facebookによると、多くの投稿主は元ボストン大学の野球選手であり、2012年にALSと診断されたFratesさんにちなんだ投稿をしているという。

米国内でのクチコミの広がり

米国北東部でのクチコミの広がり

 キャンペーンは日本でも、IT業界を中心に急速に広まっているが、世界ではさらに多くの人々が参加している国がある。以下、Facebookが発表した「参加人数の多い国」のトップテンとなる。

アメリカ合衆国
オーストラリア
ニュージーランド
カナダ
メキシコ
ブラジル
ドイツ
フィリピン
プエルトリコ
インド


とまあ、米CIAやNSAはときどきこういう仕込みを行うらしい。そうやって、その都度、自分たちの所有するデータが時代遅れになっていないかどうかを確かめるという。今回は、「2012年アセンション」の2年後の2014年の今年、再び「ALSキャンペーン」、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療研究を支援するチャリティ「Ice Bucket Challenge」という美名の下に行われたものであろう。

問題は、この筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症はロックフェラー財団の生物学者が1960年代に米軍の兵隊さんを使って行ったワクチン実験によってすでにワクチン内の添加物が直接の原因だということが分かっているわけである。


真実を探すブログ から

http://saigaijyouhou.com/blog-entry-3575.html

世界中で怪しい大ブームを起こしているアイス・バケツ・チャレンジ!ビル・ゲイツ、レディー・ガガ、AKB48の秋元康、三木谷社長などが参加! 

*氷水を被るビル・ゲイツ氏
世界中で「アイス・バケツ・チャレンジ(氷水バケツ)」という支援運動がかつて無いほどの盛り上がりを見せています。アイスバケツチャレンジとは、難病であるALS(筋萎縮性側索硬化症)の認知度向上のためのチャリティー活動で、指名された者が100ドルを寄付するか、あるいは24時間以内に氷水をかぶるかを選択できるという物です。
アメリカではオバマ大統領を始め、マイクロソフトのビル・ゲイツ、アップルのティム・クック、歌手のレディー・ガガなどの有名人が次々に参加。そして、日本でも歌手の浜崎あゆみ、楽天の三木谷社長、ライブドア元社長の堀江氏、AKB48の秋元康氏などの有名人が氷水を被るパフォーマンスをしています。

ちなみに、この支援運動で集まった資金の総額は3000万ドル(約31億円)以上になっているとのことです。氷水を被るというパフォーマンスが誰でもお手軽に出来るということでここまで広がったのでしょうが、それにしても、有名人や権力者達が一斉に行っているのがちょっと気になります。
特にビル・ゲイツ氏は何らかのメリットがあるチャリティー運動に支援する傾向が強いため、彼が大々的に参加していることが非常に怪しいです。子宮頸がんワクチンの前にもワクチン推進運動とかをやっていましたし、今回の氷水バケツには違和感を感じています。

Bill Gates ALS Ice Bucket Challenge
<iframe src="http://www.youtube-nocookie.com/embed/XS6ysDFTbLU" frameborder="0" width="560" height="315"> </iframe> 

ALS Ice Bucket Challenge
<iframe src="http://www.youtube-nocookie.com/embed/uk-JADHkHlI" frameborder="0" width="560" height="315"> </iframe> 

☆ホリエモンこと堀江貴文氏「アイスバケットチャレンジ」2014.8.18
<iframe src="http://www.youtube-nocookie.com/embed/5iV5osUICWY" frameborder="0" width="560" height="315"> </iframe> 
ALSアイスバケツチャレンジ(秋元康) / AKB48[公式]
<iframe src="http://www.youtube-nocookie.com/embed/q9tXRzGG1sY" frameborder="0" width="560" height="315"> </iframe> 

☆古田敦也、乙武洋匡、三木谷社長も「氷水」で難病支援 『ALSアイスバケツチャレンジ!!』
<iframe src="http://www.youtube-nocookie.com/embed/iN1gyMTJ-GU" frameborder="0" width="560" height="315"> </iframe>

☆アイス・バケツ・チャレンジ
URL http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%90%E3%82%B1%E3%83%84%E3%83%BB%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8

引用:
アイス・バケツ・チャレンジ(Ice Bucket Challenge)あるいはALSアイス・バケツ・チャレンジ(ALS Ice Bucket Challenge)は、バケツに入った氷水を頭からかけるか、アメリカALS協会(英語版)に寄付するという筋萎縮性側索硬化症(ALS)支援運動のひとつ。2014年に始まり、ソーシャルメディアを通してアメリカだけでなく他国にも広まっている[1][2]。日本ではアイス・バケット・チャレンジと呼ばれることもある。
:引用終了

☆日本の芸能界でも「アイス・バケツ・チャレンジ」が大流行
URL http://www.rbbtoday.com/article/2014/08/20/122601.html

引用:
難病であるALS(筋萎縮性側索硬化症)の認知度向上のためのチャリティー活動として、氷水をかぶる姿をSNS等で公開する「ALSアイス・バケツ・チャレンジ」。海外の有名人の間で流行しているこの活動が、日本の芸能界にも広がっているようだ。

 この活動は、指名された者が100ドルを寄付するか、あるいは24時間以内に氷水をかぶるかを選択できるものだが、芸能人たちはこぞって氷水をかぶるパフォーマンスを選んでいる様子。20日には歌手の浜崎あゆみが、頭から氷水をかぶる動画をFacebookで公開して話題に。挑戦者は次の挑戦者として3名を指名する仕組みで、浜崎はEXILEのHIRO、AAAの浦田直也、そしてテキサス・レンジャーズのダルビッシュ有投手を指名した。
:引用終了

☆「氷水バケツ」世界で広がるソーシャル寄付 27歳発案者が事故で亡くなる
URL http://www.huffingtonpost.jp/2014/08/20/ice-bucket-founder_n_5696805.html?utm_hp_ref=japan

引用:
アイス・バケツ・チャレンジは体が自由に動かせなくなる難病、筋委縮性側策硬化症(ALS)の認知を高め、寄付を募るための活動。指名された人は、寄付をするか、氷水をバケツでかぶり、その様子をソーシャルメディアに投稿するか、もしくはその両方をやるか選択する。20日までに3000万ドル(約31億円)以上を集めた。
:引用終了

とまあ、すぐ乗せられてしまう軽薄の人がなんと多いことか!

やるならこのような金抜きで滝修行などどうでしょうか。

 

 

これはことしの休暇中に体験した眺望の一例です。

また少しずつ投稿していきます。

 

 

 


イスラエル軍 パレスチナ ガザ侵攻とその源流 考察

2014年08月03日 | たわごと

(イスラエル:暗黒の源流  ジャボチンスキーとユダヤ・ファシズムから 

 あのパレスチナの痩せたちっぽけな土地を確保する、あるいはせいぜい中東地域での覇権を確保する、などといった目でシオニズムとイスラエルを見ていると、とんでもない間違いを犯すことになるだろう。彼らの本体は、もし現在のイスラエルが不要になれば巨大な中東戦争を演出することでイスラエルを消滅させ、再びユダヤ人の大虐殺を引き起こすことすら厭わないだろう。彼らにとっては世界支配の意思があるのみでありすべては方便の世界なのだ。これこそ人類最大の悪夢、最大の狂気に他ならない。 

というさらなる高みから俯瞰した推眼もあるのだが、ごく最近のパレスチナ虐殺事態について以下のYoutubeをご覧ください。


20147月イスラエル軍 パレスチナ ガザ侵攻の目的

https://www.youtube.com/watch?v=v51HFEUrtoc 

「パレスチナ問題を考える」なぜ70年以上紛争は続くのか?なぜパレスチナ人は命がけでイスラエルに居続けるのか?

https://www.youtube.com/watch?v=u1q6iT9lMvg&list=UU1kBq6SsfKPmwOqVmxdssKA 

真実を探すブログ

ガザ地区での戦闘、死傷者の数は約1万人に!アメリカは弾薬支援!ハマスがイスラエル兵を拉致⇒イスラエル軍が最大規模の集中攻撃開始! new!!

http://saigaijyouhou.com/blog-entry-3369.html 


ハマスはイスラエルがつくった紛争争継続のための口実捏造装置である。 1219日のエスプレッソ紙のインタビューでは、アラファトは、「ハマスは、イスラエルの支持により、構築された。その目的は、PLOに敵対する組織を作ることだった。ハマスは、イスラエルから資金援助を受け、訓練されてきた。彼等は、公認と後援という利益を受けつづけてきた。 

アラファト:「ハマスはシャロンの子供である」..

http://www15.ocn.ne.jp/~oyakodon/kok_website/fireworks4/main_pages_sub/oumunoseiriseiton_page8_22_2.htm

イスラエルとハマスは、同じ仲間であり、

共にイルミナティ傘下団体です!

http://ameblo.jp/64152966/entry-11893335723.html

 


ふじふじのフィルター

カルト・シオニストイスラエルの虐殺は続くが、イスラエルを支援する米政府やEUに止めろと働きかける有名人も出てきた。

 ついに、ガザでは、イスラエル軍に1500人も殺されてしまいました。

http://fujifujinovember.cocolog-nifty.com/blog/


 われわれ仏教徒日本人がガザの子どもたちのために日本の国内でできることは?

出先のコンビニから(自宅周辺ではなく)FAX大作戦で駐日イスラエル大使館へFAX送信し、イスラエル大統領と首相宛に「こどもたちを殺す軍事攻撃という悪逆非道をただちにやめなさい」と直に叱責することです。

電話も自宅電話や携帯電話ではなくどこか出先の公衆電話を使って電話しましょう。これらはすべてあなたの個人情報を官憲の探索から守るためです。

文面や話す内容はこの投稿をそのまま用いてすべての文責をこの馬の骨に負わせればよい。

参考「不正選挙FAX大作戦」

http://blog.goo.ne.jp/kill_me_deadly/e/8e8686a084689a150cc62b8ef5980c60

http://blog.goo.ne.jp/kill_me_deadly/e/d7f50162ca9a92dfaaff135d9f7de18a

駐日イスラエル大使館

電話:03-3264-0911(代表)

ファックス: 03-3264-0791

 

 

少年は「全部神様に言いつけてやるんだから

http://smile.perma.jp/?p=454


日本や世界や宇宙の動向 

エボラ出血熱を完治する特効薬があります!

http://blog.livedoor.jp/wisdomkeeper/archives/51934795.html 


マレーシア航空機撃墜の犯人と目的

https://www.youtube.com/watch?v=U1wFEy7TM7o&index=5&list=UU1kBq6SsfKPmwOqVmxdssKA 

やっぱり米国の謀略!

http://d.hatena.ne.jp/k1491n/20140729/1406603140


以下は前回からの続き、

第9部 近代十字軍  

[吊るし上げられたADLフォックスマン]   2007年7月、米国のユダヤ人社会は大揺れに揺れた。ユダヤ・メーソン機関ブナイ・ブリスの幹部で反名誉毀損同盟(ADL)会長として米国社会で比類なき政治力を発揮するエイブラハム・フォックスマンが、米国議会に対して「アルメニア人虐殺問題を取り扱うな」と圧力をかけたからである。 

 この「アルメニア人虐殺問題」とは、19世紀末ごろから第1次世界大戦にかけてオスマン帝国(トルコ)で数百万人のアルメニア人が殺害されたとされる歴史問題であり、米国を中心として世界に散らばって住むアルメニア人たちはこれを第2次世界大戦中のユダヤ人ホロコーストと並ぶ『組織的・計画的なジェノサイド』として非難・告発し、一方でトルコ政府は『戦時の強制移動中に起こった悲劇』であるとしてその組織性・計画性を否定する。そして米国などのユダヤ人団体の多くは従来から一貫してアルメニア人の側に立って様々な角度から「虐殺問題」を取り扱ってきた。

 米国議会はというと、日本に対する「従軍慰安婦問題非難決議」でも分かるように、歴史問題を穿り返しては政治的圧力の道具とすることにことのほか熱心である。もちろんのことだが、自国のベトナム戦争時の虐殺はもとより、イスラエルによるパレスチナ住民虐殺や英国によるインド支配の残虐さに対する非難決議を行ったことは一度も無い。

  そしてついにフォックスマンはこう語った。「議会の動議がこの件を調停することはできまい。その解決は一つの方向となる。それは判定になってしまう。トルコ人とアルメニア人は彼らの過去の見直しをする必要があるかもしれない。ユダヤ共同体はその歴史の判定者であるべきではなく、米国議会も同様である。」こうしてADLと他の3つの強力なユダヤ組織、米国ユダヤ人委員会、メーソンの国際ブナイ・ブリス、そして国家安全保障問題ユダヤ委員会(JINSA)は、議会にこの問題から遠ざかるように求めたのである。

 米国議会がこの一言で「アルメニア人虐殺問題」を取り下げたわけだから、誰が米国の政治を支配しているのか一目でわかろうというものである。

  どうして彼らは一般のユダヤ人たちが大いに関心を持つこの問題を相手にしなくなったのだろうか?

 こんなときに歴史問題を穿ってトルコ国民を刺激すればイスラエルにとって致命的な打撃を導くことにもなりかねまい。シオニスト機関として何としてもこのような事態は回避しなければならない事情があったことに間違いは無い。

 しかし、この「アルメニア人虐殺問題」の背後には、おそらくイスラエル誕生を巡る、はるかに根深い「歴史問題」が横たわっている。ひょっとするとフォックスマンは表面的・現実的な案件に対してだけではなく、近代史の深奥にひそむ問題が表ざたになるようなことを恐れたのかもしれない。 

[「近代十字軍」とオスマン帝国]    2001年9月11日の「同時多発テロ」後に、米国大統領ジョージ・W.ブッシュは「十字軍」を口にした。しかし19世紀後半以後の世界史を教科書的な視点から離れて眺めなおしてみるならば、この「十字軍」は大英帝国によるオスマン帝国転覆・解体謀略から本格的にスタートしたように思える。「アルメニア人虐殺問題」は単なる民族紛争ではない。それはまさしくこの「近代の十字軍」による中東制圧支配計画の中で起こった出来事であるに違いない。 

 現在のトルコ東部にあるアナトリア地方では何百年もの間イスラム教徒であるトルコ人とキリスト教徒であるアルメニア人が平和共存してきた。イスラム教徒たちはどこでも他の宗教を禁圧する道を選ばなかったのだ。たとえばイベリア半島では彼らは数百年間にわたってキリスト教徒やユダヤ教徒と共存してきた。イスラム教徒はその「姉妹宗教」を攻撃せず

 オスマン帝国の解体を目論んだのは大英帝国ばかりでなく北方の巨人ロシアも同様であった。。彼らは1890年代からオスマン帝国内に武器を密輸し過激なアルメニア民族主義を焚き付け武力による「革命」を叫んでオスマン帝国を内部から崩しにかかった。この時点でアルメニア人の存在はオスマン帝国にとって非常に危険なものになり始めたのである。

経済破綻と政治腐敗に苦しむオスマン帝国と一般のトルコ民衆にとってアルメニア人の存在がどのようなものであったのか、容易に想像がつくだろう。

。扇動家たちの動きが活発になればなるほど一般のアルメニア人民衆におよぶ危険が飛躍的に大きくなったのは当然のことである。悲劇は始めから予想されたことだった。

 繰り返すが、これらの全ては欧米国家を支配する者たちがこのイスラム帝国解体のために仕組んだ策略だったのだ。彼らにとってアルメニア人は一つの「コマ」に過ぎなかったのである。この点は第1次大戦中に大英帝国のスパイであるロレンスに扇動されたアラブ人たちも同様であった。そしてついにオスマン帝国では内患外憂のなかで劇的な体制変革が行われることとなる。

 [トルコとイスラエル]    地理的な位置から見て、明らかにトルコは欧州と中東を結ぶ最重要拠点である。「そして当のパレスチナにはヒトラーとのハーヴァラ協定以来受け入れ態勢を整備しつつあったスターリニストたちが「選ばれたユダヤ人」たちの到着を待っていたのである。

 イスラエル建国にとって、欧州と中東の橋渡しの位置にあるトルコ共和国が持つ重要性は測り知れない。両国は欧州が「近代十字軍第一次攻撃」の結果として中東に打ち込んだ「クサビ」なのだ。

 現在、軍事的な同盟だけではなく、イスラエルにとってトルコは国家の存亡を左右するものとなっている。カスピ海沿岸の石油と天然ガスを運ぶパイプラインはもとよりトルコからイスラエルへの水輸送パイプが計画されている以上、もしトルコが反米反イスラエルの姿勢を明確にするなら、このシオニスト国家の命脈もそれで断ち切られてしまうだろう。イスラエルとしては他のあらゆる問題を棚上げにしてでもトルコ(穏健イスラム)政権を刺激してはならない。フォックスマンが米国の多くのユダヤ人の反発と指弾を覚悟してでも「アルメニア人虐殺問題」に蓋をせざるを得ないわけである。

  19世紀後半に、国際共産主義運動とほぼ同時期に現れ出たシオニズム運動もまた、単にユダヤ人の内部から自発的に生まれ出たものとは考えにくい。オスマン・イスラム帝国は「近代十字軍」の最初の餌食となった。その解体と再編成に共産主義とシオニズムの両方が関与している。そして文字通りの「国無き民」アルメニア人こそがその最大の犠牲者なのだろう。彼らは告発すべき者を誤っていたのかもしれないのだが、今回のシオニストたちの態度をきっかけに「虐殺」の真相に気付くことを期待したいものである。 

[欧州へ]   トルコの情勢は将来EUにこの国を迎える可能性を持つ欧州にとってもまた重大な関心事とならざるを得ないのだが、現在のところ米国同様にどの国も「触らぬ神に祟りなし」を貫いているようだ。

 欧州各国国民は欧州の「米国化」に対して非常に強い抵抗感を抱いている。しかしそれを突き崩し、極少数派のシオニスト組織が全面支配する米国型システムとイスラモフォビア(イスラム嫌悪)が、一般の欧州人と欧州に多く在住するイスラム教徒との亀裂を徐々に生み出し一般社会を様々に揺り動かしながら、一歩一歩着実に侵入してきているのだ。

 しかしその点の話は次回に回すことにしたい。欧州で始まったシオニズムは将来の何かの「巨大なショック」をきっかけにして新たなファシズムとして欧州を席巻することになるのだろうか。2001年以降の米国のように。 

第10部 近代欧州史の深奥  

しかし奇妙である。オスマン帝国末期にいきなりシオニスト・ユダヤ人がトルコに登場して活躍を始めたとは思えない。それだけの活動を行うためには、その活動を支える根強い何らかの潮流が以前から作られていなければならない。オスマン帝国とシオニズム以前のユダヤ人社会の間に、いったいどんなパイプが作られていたのだろうか。

 サバタイ・ゼヴィ(Sabbatai Zevi;Shabbethai、Zvi、Tzviなど様々に表記される)といっても、よほどユダヤ史を研究している人以外には、ご存知の方はほとんどいないだろう。しかしユダヤ人の間では「自称メシア」つまり「偽メシア」として有名な人物である。彼は1626年にトルコのスミマにあるユダヤ共同体の中で生まれた。若いころは神秘主義とカバラ魔術に凝ったと言われるが、やがて17世紀に英国で発生した千年王国思想に影響を受け自らを「メシア」と名乗るようになる。

ゼヴィの父親はオスマン帝国の英国代表部のエージェントとして働いていたのだが、元々神秘思想にかぶれたゼヴィがこの潮流に目をつけないはずはない。彼はわずか20歳のときにすでにスミマで「イスラエル王国を再建すべく神に選ばれたメシア」として名乗りを上げていたのだ。イスラエル王国を再建? そして「メシア」に成りすました彼は小アジア~東欧各地のユダヤ共同体の中で歴史的に「サバティアン」と呼ばれるようになる信奉者を増やしていく。

 彼の主張の際立った特徴は反道徳主義であろう。すでにこの世にメシアが登場したからにはもはや人間から罪は消えた、ゼヴィに従う限り何をしてもそれは罪として数えられない。恐ろしい発想だがこれは何もゼヴィが発明したものではないしユダヤ教起源のものでもない。キリスト教にも仏教にも同様の傾向は存在する。しかしゼヴィの場合は際立っていた。彼は1666年にオスマン当局に弾圧されそうになるとイスラム教に改宗しアジズ・メヘメットと名乗った。それをユダヤ教徒から非難されると「イスラム教徒をユダヤ教に改宗させる方便だ」と答えたのだが、一方でオスマン帝国のスルタンに対しては「ユダヤ教徒をイスラム教徒に改宗させる」と語ってその関係を維持し、イスラム教徒の間にもそのセクトを広げた。

 彼とその信奉者たちにとって奪うことや殺すことはもとより、二枚舌を用いて騙すことは何一つ罪にはあたらない。こうして彼らの間から道徳と法を規定する唯一絶対の神は消えた。ゼヴィは1676年にモンテネグロで死亡したが、「イスラエル王国を再建すべく神に選ばれたメシア」の思想的影響は強烈に東欧と小アジアのユダヤ人たちの間に根付いていったのである。ここで注意深い読者なら、このような発想が現在のシオニストのそれに瓜二つであることにハッとさせられるかもしれない。

そしてこの堕落し果てた偽メシアのユダヤ人がこの時代にすでに英国とトルコとユダヤ社会の間をつないでいたことを忘れてはならない。彼は「イスラエル王国再建」のためにトルコを利用しようとした。ゼヴィの父親が仕えた英国がその動きを掌握していなかったはずもあるまい。19世紀末に登場する新たな「偽メシア」はこのような土台のうえに活動を開始したのである。前回お知らせしたアルメニア人虐殺を実行した「青年トルコ運動」の主力にこのサバティアン・セクトの末裔が多数含まれていた。

 [偽預言者の系譜]   ジャコブ・フランク(1726-1791)である。彼はサバタイ・ゼヴィおよびダビデ王の生まれ変わりを自称し、東欧から西欧一帯のユダヤ人社会に大きな影響を与えた。当時彼らは、東欧各地で王侯貴族の庇護の元に経済と小工業生産や流通を取り仕切り、各地域の中で大きな政治的影響力を誇っていた。

 フランクは当時ポーランド領であったウクライナで生まれたといわれるが、父親はやはりサバティアンであった。当時のポーランドには数多くのサバティアンの秘密組織が存在したのである。当然だが伝統的なユダヤ教ラビたちはサバティアンを厳しく禁じ取り締まった。しかしその人間の悪徳と貪欲と狂信を一身に集めたこのメシア思想が簡単に消えて無くなるわけもない。中流クラスのユダヤ人たちの多くが徐々にこの悪魔的思考「フランキズム」に取り付かれていく。

  [重層社会としての欧州]  実際には地面にへばりつくように生きる下々の者達以外にとって、国境など存在しないのである。超国家組織とそれが伸ばす網の目は、陸続きの欧州では数百年、千数百年も昔から当たり前なのだ。 

 その典型的な例がローマ教会であり王族や貴族による「高貴なる血(青い血)のネットワーク」である。またローマ教会がラテン語という共通言語によってその支配の網を維持したのだが、その上に乗って近代の科学者や哲学者のネットワークが形作られた。さらにはその科学者集団の原形である錬金術師、そしてフリーメーソンの起源であろうといわれる建築家たちの動きにも国境など存在しなかった。

 その国境の無い人と富と思想の流れの中にユダヤ人グループのそれがあったことは言うまでもない。15世紀末にスペインを追放されたセファラディ・ユダヤも、それ以前にハザールの滅亡によって東欧に散ったアシュケナジ・ユダヤも、常に各地の王侯貴族の下でその経済を支える同時に共同体同士で常にオープンな通路を保っていた。

サバタイ・ゼヴィ、ヤコブ・フランクといった、人間の持つ権力への願望と劣情と狂気を最大限に引き出す文字通りの「偽メシア」の思想は、ユダヤ人社会が昔から持っていた通路を通って一気に欧州と小アジアに広まり、それがイスラム教とキリスト教、そして世俗主義の中に根深く浸透していった。それはあたかも血管を伝わって広がった毒が体の様々な組織の中に染み込み体中の細胞を犯していくように、欧州と北米の社会をガンジガラメにしていくのである。

 そしてそれは最初から「パレスチナのイスラエル王国再建」を目指すものであった。最も大切な同盟国アメリカの軍艦を襲撃して皆殺しにしようとしたシオニスト・イスラエルの姿、パレスチナ人に対するアパルトヘイトと虐殺の政策、そして虚構と脅しで米国人を見張り資産を巻き上げる米国シオニストの姿、アルメニア人を騙して扇動し数十万人を殺したサバティアンの子孫の姿、チェカとNKVDを主導して数百万のロシア人を虐殺したユダヤ人共産主義者の姿、さらには無数のユダヤ人同胞を未曽有の苦難に放り込み見殺しにした シオニストたちの姿、…、これらはすべてこの偽メシアの系譜に属している。

 19世紀後半に盛んになった反ユダヤ主義に対する反応として生まれたシオニズムなどといった、特に左翼が好みたがる通説が、いかに上っ面だけの真相を覆い隠すたわごとに過ぎないのかは明白であろう。

[シオニズムとは?]   自ら「陰謀論者」を名乗る不思議な「反ユダヤ主義ユダヤ人」ヘンリー・マコウは、いわゆる「ユダヤの陰謀」およびシオニズムの本体を大英帝国主義の中に見ている。当然だがその大英帝国の中枢部はロスチャイルドを筆頭とするユダヤ系資本に握られる。しかしロスチャイルドの到着以前にも、大英帝国の基礎固めの時期である16~17世紀にはオランダやポルトガルから大量のユダヤ人が英国に移り住み支配階級の間に強力なネットワークを築き上げていた。遅れてフランクフルトからやってきたロスチャイルド家はその土台なかで頭角を現した。 

そしてそのロスチャイルド家がジャコブ・フランク最大のパトロンであった。英国が近代シオニズム発祥の地であったとしても何の不思議も無いのだ。大英帝国はそのスパイ網を東欧・ロシアから中東一帯に張り巡らせていたのだが、オスマン帝国内でのトルコ革命やロシア革命がユダヤ人主導の元に行われたと同時に、それらを大英帝国のスパイ網が逐一キャッチしコントロールしていたことに疑念の余地はあるまい。欧州の重層社会と水平に広がる様々なネットワークを知る者にとってはほとんど常識の部類であろう。

 彼らにとってイスラエル王国の再建は、そのまま世界の絶対的支配につながる重要なステップなのだ。馬鹿馬鹿しいと思わずにヨハネの黙示録をめくってみていただきたい。

 おそらく20世紀のイスラエル建国はその一つのステップであり、イスラエルの建国とその維持のみに絞った狭い意味のシオニズムは単なる方便に過ぎまい。シオニストの働きは世界的なものである。日本でさえすでにガンジガラメにされている。英国はもとより、フランスではサルコジのシオニスト政権がすでに誕生しており、ドイツのメルケル政権は完全にシオニストの主中にある。その流れは米国を席巻した後、確実に欧州に還流しつつあるのだ。

 あのパレスチナの痩せたちっぽけな土地を確保する、あるいはせいぜい中東地域での覇権を確保する、などといった目でシオニズムとイスラエルを見ていると、とんでもない間違いを犯すことになるだろう。彼らの本体は、もし現在のイスラエルが不要になれば巨大な中東戦争を演出することでイスラエルを消滅させ、再びユダヤ人の大虐殺を引き起こすことすら厭わないだろう。彼らにとっては世界支配の意思があるのみでありすべては方便の世界なのだ。これこそ人類最大の悪夢、最大の狂気に他ならない。 

 第11部 悪魔の選民主義 

[「偽メシア」の系譜と近代シオニズム]   前回、私は17世紀トルコのサバタイ・ゼヴィ、そして19世紀ポーランド・ドイツのジャコブ・フランクという二人の「偽メシア」をご紹介した。しかし、当然だがこの二人はユダヤ=キリスト教社会に深く根を下ろす「メシア待望」を象徴しているに過ぎず、その背後には「迫害の後にユダヤ人を選民として救済するメシア」という旧約聖書以来の「復讐のメシア」待望がある。また一方でそれを取り巻くキリスト教社会には「千年王国の到来を告げる偽メシアの登場と大迫害」および「キリストの復活=選民としてのキリスト教徒の救済」を願う倒錯したキリスト教徒の「黙示録信奉」が幅広くそして根強く横たわっている。 

 「サバティアン」たちはトルコを根城とし東欧のユダヤ人たちを「選民思想」と「復讐のメシア」願望でまとめていった。そしてそれは欧州各国に広がるユダヤ人連絡網を通してたちまちのうちに広がり、各国で支配者の庇護の下で経済面での特権的地位を確保しその反動として常に非ユダヤ人民衆からの憎しみと攻撃にさらされていたユダヤ人社会の中で着実に根を下ろしていった。

  そしてそれは確実にロシア、ウクライナまでを含む東欧に広がっていったのだ。ウラジミール・ジャボチンスキー、メナヘム・ベギン、イツァーク・シャミール、ダヴィッド・ベン・グリオン、ゴルダ・メイア等々といった「イスラエル建国の祖」たちが、「左右」の違いにもかかわらず、ことごとくこの地域出身者であることに否が応でも気付かされざるを得ない。そして「メシア」ジャコブ・フランクを経済的に支えたのがフランクフルトのロスチャイルド家であり、

ここでこの「選民思想=復讐のメシア待望」が「貨幣神」と出会うこととなった。

 以来、ロンドンとパリの「貨幣神」は「選民思想=復讐のメシア待望」に取り付かれる者達の守護神となっていくのである。近代シオニズムがこのような歴史の中で徐々に形を取っていくことになる。単なる「選民思想=復讐のメシア願望」だけでは一部の風変わりな集団的狂気で終わるだろうが、そこに現実の世界を強力に動かし作り変えていく「貨幣神」の働きが加わることで、それは資本主義によって動かされる政治思潮の、最も先鋭化され、最も残虐で、最も堅固な動きを作っていくことになる。

 しかし問題をもう少し広い目で見るならば、現代シオニズムを考える際のポイントはもはや「血の問題」などではなく権力と経済支配への意思に貫かれる「選ばれた者」のための社会作りであると言えるだろう。そこではもはや人種的に「ユダヤ系」であるのかどうかなどは問題にもならないであろう。紛れも無いシオニストであるイタリアのベルルスコーニを見るがよい。米国民主党オバマ大統領候補(2008年11月1日現在)、および彼が指名した副大統領候補ジョセフ・バイデンを見るがよい。

 ここで近代~現代シオニズムの持つもう一つの顔を見ておかねばならない。「イスラエル建国」に尽くしイスラエルの利権を維持し拡大しようとする「狭義のシオニスト」と表裏一体の関係にある、「広義のシオニスト」といえる者達の存在だ。欧米各国には固くイスラエルを支持しイスラエルの利益のために体を張って働く者達(ユダヤ人、非ユダヤ人に関わらず)がいる。しかし彼らはそれほどに《イスラエルを愛している》のだろうか? 確かにイスラエルの「二重国籍」を持つ者は多い。しかし彼らは決してその国に移り住もうとはしない。彼らの多くは欧米各国で支配的な階級に属する者達、銀行や企業を所有して巨額の資本を操り、メディアを所有して情報を操り、アカデミーを支配して論理を操り、法律に精通して法体系を操る者達である。

  狭義の「シオニズム」がパレスチナの痩せこけた土地に固執する一部ユダヤ人の偏執狂的な運動であるにもかかわらず、広義の「シオニズム」は資本主義の別名とすら言える。それはもはや人種概念ではなく資本主義によって作られる「選民」を「新ユダヤ人」とする世界支配への願望なのだ。

 

 前回も申し上げたとおり、近代資本主義の土壌ともなった清教徒たちの集団は奇妙な終末思想に取り付かれ、彼らにとってアメリカ大陸こそが「聖なるシオン」に他ならなかったのである。そして資本主義の「祖国」イギリスと近代国家思想発祥の地フランスはともに紛れも無く近代シオニズムの「祖国」でもある。

 [神は死に、悪魔が神となる]  近代シオニズムの大きな特徴としてその無神論が挙げられる。テオドル・ヘルツルを筆頭とし「イスラエル建国の祖」達の誰一人として敬虔なユダヤ教徒はいない。当然だがあの「偽メシア」どもは真っ先に彼らの神を捨てた。彼らはあらゆる道徳的基準を放棄し、自らを「選民」として支配的な地位に付かせるものであればいかなるものをも利用しいかなる嘘をも正当化する。それが彼らの「道徳」なのだ。ジャボチンスキーが言うとおりである。「聖なるシオン」を我が物にするシオニズムこそが彼らの唯一の道徳である。それ以外に道徳など存在しないのだ。 

 近代シオニズムに関しては、「神を捨てた」と言うよりは「神を取り替えた」と言ったほうが良いのかもしれない。彼らは強力な「貨幣神」の力に従っている。しかし貨幣そのものには善も悪もあるまい。それが選民思想と結び付くときに強力な「悪魔主義」へと変身する。貨幣を支配する者が「選民」として世界を支配するときにその「貨幣神」は巨大な悪魔へと変貌するだろう。

それは、あれこれの理屈ではなく、20世紀の歴史、特に後半に登場したネオ・リベラル経済による世界支配を一見すればすぐに理解できる話である。現在の日本を見てみるがよい。伝統的な独自の民族主義に基づく資本主義解釈はすでに破壊され、徐々にごく少数の「エリート」と大多数の「非エリート」が形成されつつある。「非エリート」たちは若者も老人も食うや食わずに追い詰められしぼりとられる。その分の富と力が《消滅》したわけも無い。単にどこかに集中しただけの話だ。

 資本主義の大本山であるアメリカを見るがよい。対外戦争政策のたびに税金から膨大な富が軍産複合隊とそれを支える金融機関に流れてきた歴史については言うまでもあるまい。その中で殺され傷つき悲惨な生活に追いやられていくのは大多数の「非エリート」たちである。

  この二重のシオニズムの構造を正しく読み取っておかねばならないだろう。この大富豪どもとその手先がヒトラーを育て、彼が欧州から一般ユダヤ人を狩りたてパレスチナの地に一部のユダヤ人を集めていったのは、それが彼らの意図する「聖なるシオン=地球全体」を目指す彼らなりの「革命」にとって欠かすことのできないステップだからである。彼らの世界観は資本主義のそれであると同時に特殊な神話の様相を帯びる。彼らは人間の弱さと愚かさと残虐さを熟知しており、人間とその集団が決して冷徹な計算や理屈だけで動きまとまるものではないことを十分に知っている。支配する側にとっても支配される側にとっても、人間にはある種の神話が必要なのだ。

シオニストたちはまずその神を捨てた。次にパレスチナへの「帰還」という神話を徐々に根付かせていった。それは「2000年前に住んでいた場所に戻る権利がある」というものであり、あらゆる合理的な精神を超越した一つの神話体系にのっとったものである。それが本当ならばケルト人たちはイングランドを占領する権利を持ち、アメリカ原住民達はアングロサクソンをワシントンやニューヨークから追い出す権利があることになる。しかしそれはユダヤ人にだけ与えられた絶対的な権利である。彼らは「特別の民」だったのだ。いったい誰によって「選ばれた」?

 シオニストたちはユダヤ教からその「選民主義」と「復讐のメシア」という概念だけを抜き取って利用した。しかも最初に「救済の約束」を受けるのは「14万4千人のユダヤ人」である。

 当然だが、イスラエルという国は、単に中東地域に打たれた欧米資本のクサビであるばかりではなく、膨大な量の資金洗浄の場でもあり、また米国国民から巻き上げた税金のばら撒き場所・たかり場所でもある実に都合の良い場なのだ。 

[シオニズムはユダヤ民族主義ではなく]   ネオコンについて少しまとめてみよう。ネオコンは主にレーガン政権の反共政策の中で頭角を現してきたのだが、その少し前にメナヘム・ベギンが歴代の「左翼政権」に代わって指導者となった。ネオコンの一部は元左翼(トロツキスト)と言われるが、「教祖」とも見なされるレオ・シュトラウスはかつてジャボチンスキー支持者の一人でありナチスの人脈にもつながる人物である。そしてネオコン主流を形作ったポール・ウォルフォヴィッツ、ダグラス・ファイス、リチャード・パール、チャールズ・フェアバンクスなどはことごとくイスラエル「右派」との太い人脈を保ち、米国の国家機密を平然とイスラエルに流す者達だった。またダグラス・ファイスの父親ダルック・ファイスはベギンやシャミールが所属したポーランド・ベタールの一員であった。ネオコンはジャボチンスキー直系のイスラエル「右派」米国出張所と言っても言い過ぎではあるまい。 

 それではこのネオコン台頭以前はアメリカ合衆国の内部でシオニストが力を持っていなかったのだろうか。とんでもない! 1967年に米国の情報船USSリバティーがイスラエル空軍の爆撃に遭って危うく撃沈されそうになったときに、カンカンになって怒っていた大統領ジョンソンを1日で黙らせたのは何の勢力なのか? そもそも「イスラエル建国」前に米国内ユダヤ人たちによるパレスチナ・シオニストへの武器密輸を黙認させたのは何の勢力なのか? スターリンのソ連と共にあのデタラメなイスラエル建国を断固として支持させたのは何の勢力なのか?

 米合衆国のエスタブリッシュメントたちはその始めから広義のシオニストなのである 。「貨幣神」は、強烈な世界支配への意思、ある「選ばれた者達の天国」を地球上に実現させようとする強烈な意思と結び付いたときに、その悪魔性を発揮するのだ。それはまさに悪魔そのものである。神はもういない。しかし悪魔はその力をますます発揮しつつある。

 近代~現代シオニズムはもはやユダヤ民族主義ではない。それは「選民」による資本主義経済に基づいた世界の全面支配を目指すものであり、ユダヤのメシア思想と同時にキリスト教の千年王国思想にも根を下ろす、資本主義エリート達による「永遠の天国」実現への動きである。そしてそれは人類の大部分にとっては「永遠の地獄」の実現でしかない

[暗黒の海に浮かぶ島、イスラエル]   彼らはその政治代表部として「神」に仕える。それは「人間の顔を持つ資本」であり、人間の持つ魔性を最大限に引き出し具現化したものである。それは虚構そのもの、貪欲さそのもの、そして残虐性そのものである。

 20世紀の後半に、一つの巨大な虚構として登場し、選ばれざりし者達(具体的にはパレスチナ人)への残虐の権化として登場し、米国国民の富を無限に吸い取る貪欲さの権化として登場したイスラエル国家は、この「人間の顔を持つ資本」が作る暗黒の海に浮かぶ「島」である。その「神」は、全地球を《聖なるシオン》と変える際に、もしこの「島」が不必要となれば、再び人種的な意味のユダヤ人に対する大虐殺を演出することによって沈めてしまうことすら厭わないだろう。そしてそれは新たな神話の最も重要なイベントとなる。永遠の地獄と永遠の天国を維持するためには強烈に人間の心を支配する神話がどうしても必要なのだ。

 ウラジミール・ジャボチンスキーはその神話作りの中心人物の一人として登場した。彼は「二重のシオニズム」が持つ一つの顔を代表していたのである。そして彼の「ユダヤ・ファシズム」がパレスチナの小さな土地ではなく世界に広がっていくときに、そのもう一つの顔がその最も獰猛な顔をむき出してくることだろう。

 いや、もうすでに顔を見せ始めている。世界に憎しみと復讐心と恐怖をばら撒き、似非科学と反理性主義をばら撒き、それによって人心を支配し政治を支配し、世界の大多数の住民を地獄に閉じ込めて「選民の天国」を永遠に維持しようとするファシストの姿、まさにマイケル・レディーンの言うユニバーサル・ファシズムの姿である。

 「イスラエルの源流」探索は決して過去の歴史探訪ではない。それは極めて現在的であり近未来的な問題と直結するものである。「イスラエルの源流」の暗黒はまさしく現代の暗黒であろう。そしてまた、残念ながら非エリートである大部分の我々にとって、未来の暗黒に他ならない。(了)