そろそろ、「テクノ封建制」について書いてみようと思っていたが、そのために、ヤニス・バルファキスの『父が娘に語る経済の話。』を再読したり、最近発売されたヤニス・バルファキス著『テクノ封建制 デジタル空間の領主たちが私たち農奴を支配する とんでもなく醜くて、不公平な経済の話。』(集英社/2025.2.26) を必死で読んでいる。私には、資本主義が終焉して、「テクノ封建制」に取って代わられたという話がまだ信じられない。
一応、現在は世界経済がインフレ状況であり、企業の業績がそれほどいいわけでもないのに、金利がとても低く、やっと日本では、マイナス金利でなくなったが、株価などは異常に高騰している。金利がこんなに低いということは、資本主義社会が成長していないと言うことの表れでもある。にもかかわらず株価は上昇し、アメリカでは億万長者が増加している。そして、こうした中でアメリカに禁輸資本のビッグ3が登場した。
アメリカの金融資本の「ビッグ3」とは、米国の資産運用業界で圧倒的な影響力を持つ3つの企業のことで、 ブラックロック(BlackRock)、バンガード(Vanguard)、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(State Street Global Advisors, SSGA)を指す。これらの企業は、インデックスファンドやETF(上場投資信託)を通じて、米国の大企業の株式を大量に保有しており、S&P500企業の90%以上で最大株主となっている。
これらの企業の影響力は、単なる投資運用にとどまらず、企業の経営方針や市場の動向にも大きな影響を与えている。まさに、アメリカの金融資本を牛耳る存在だが、ヤニス・バルファキスによれば、これらが「クラウド資本」を提供して、「テクノ封建制」を支えていると言っている。そして、もちろん彼らは、利潤を上げているが、利潤を上げるよりも、支配することを主たる目的としているように見える。丁度、現在、その意味を考えているところだが、それらが資本主義をどのように変えているのかがどうも、今ひとつ、よく分からない。自分が、バカになってしまったような気がしているところだ。そんなとき、アメリカのトランプ大統領が、自国の経済を守るために関税を課すと発表し、世界中を驚かした。
関税とは、国家が輸入品に課す税金のことで、主に以下の3つの目的で導入される。①国内産業の保護──海外からの安価な商品が流入すると、国内企業が競争に負ける可能性があるので、関税を課すことで、国内産業を守ること。②税収の確保──関税を通じて、政府は収入を得ることができる。これにより、公共サービスの充実やインフラ整備の資金源になる。➂貿易政策の調整──関税は外交政策の一環として使用される。他国との貿易交渉や経済的なバランスを調整する手段となる。
今回のトランプの関税は、この3つを含んでいると思われるが、最大の目的は、➂でありアメリカの膨大な貿易赤字を改善し、アメリカの国内産業の育成を図ることのように思われる。つまり、アメリカは、今まで、赤字になってまで、世界の政治経済のために働いてきたが、今後は自国の経済のために働くというわけだ。
アメリカはこの貿易不均衡による国内の産業破壊を回復するために、「相互関税」という概念を持ち込んで、今回の完全率を割り出している。「相互関税」とは、貿易相手国がアメリカ製品に課している関税や貿易障壁に応じて、アメリカも同じような関税を課す政策である。これは「レシプロカル・タリフ(Reciprocal Tariff)」とも呼ばれ、貿易の公平性を確保することが目的となっている。
現在、トランプ政権は2025年4月にこの相互関税を導入し、世界各国からの輸入品に一律10%の関税を課したうえで、国ごとに異なる追加関税を設定した。例えば、日本には合計24%の関税が課されることになり、特に自動車産業への影響が懸念されている。この政策に対して、EUや中国などの貿易相手国は報復関税を検討しており、世界的な貿易摩擦の激化が懸念されているが、それは、アメリカ国内でも消費者物価の上昇や企業の負担増加が問題になってきている。
こうした、アメリカの「相互関税」のあり方が今後どう動くのか、それが世界経済にどのように影響をあたえるのか、それと「テクノ封建制」とはどうつながるのか、これから時間がかかってもいいのでじっくり考えて行きたい。いま、新しい、経済戦争が起ころうとしていると思われる。日本は、どうしたらいいのか、考えどころだと思う。
一応、現在は世界経済がインフレ状況であり、企業の業績がそれほどいいわけでもないのに、金利がとても低く、やっと日本では、マイナス金利でなくなったが、株価などは異常に高騰している。金利がこんなに低いということは、資本主義社会が成長していないと言うことの表れでもある。にもかかわらず株価は上昇し、アメリカでは億万長者が増加している。そして、こうした中でアメリカに禁輸資本のビッグ3が登場した。
アメリカの金融資本の「ビッグ3」とは、米国の資産運用業界で圧倒的な影響力を持つ3つの企業のことで、 ブラックロック(BlackRock)、バンガード(Vanguard)、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(State Street Global Advisors, SSGA)を指す。これらの企業は、インデックスファンドやETF(上場投資信託)を通じて、米国の大企業の株式を大量に保有しており、S&P500企業の90%以上で最大株主となっている。
これらの企業の影響力は、単なる投資運用にとどまらず、企業の経営方針や市場の動向にも大きな影響を与えている。まさに、アメリカの金融資本を牛耳る存在だが、ヤニス・バルファキスによれば、これらが「クラウド資本」を提供して、「テクノ封建制」を支えていると言っている。そして、もちろん彼らは、利潤を上げているが、利潤を上げるよりも、支配することを主たる目的としているように見える。丁度、現在、その意味を考えているところだが、それらが資本主義をどのように変えているのかがどうも、今ひとつ、よく分からない。自分が、バカになってしまったような気がしているところだ。そんなとき、アメリカのトランプ大統領が、自国の経済を守るために関税を課すと発表し、世界中を驚かした。
関税とは、国家が輸入品に課す税金のことで、主に以下の3つの目的で導入される。①国内産業の保護──海外からの安価な商品が流入すると、国内企業が競争に負ける可能性があるので、関税を課すことで、国内産業を守ること。②税収の確保──関税を通じて、政府は収入を得ることができる。これにより、公共サービスの充実やインフラ整備の資金源になる。➂貿易政策の調整──関税は外交政策の一環として使用される。他国との貿易交渉や経済的なバランスを調整する手段となる。
今回のトランプの関税は、この3つを含んでいると思われるが、最大の目的は、➂でありアメリカの膨大な貿易赤字を改善し、アメリカの国内産業の育成を図ることのように思われる。つまり、アメリカは、今まで、赤字になってまで、世界の政治経済のために働いてきたが、今後は自国の経済のために働くというわけだ。
アメリカはこの貿易不均衡による国内の産業破壊を回復するために、「相互関税」という概念を持ち込んで、今回の完全率を割り出している。「相互関税」とは、貿易相手国がアメリカ製品に課している関税や貿易障壁に応じて、アメリカも同じような関税を課す政策である。これは「レシプロカル・タリフ(Reciprocal Tariff)」とも呼ばれ、貿易の公平性を確保することが目的となっている。
現在、トランプ政権は2025年4月にこの相互関税を導入し、世界各国からの輸入品に一律10%の関税を課したうえで、国ごとに異なる追加関税を設定した。例えば、日本には合計24%の関税が課されることになり、特に自動車産業への影響が懸念されている。この政策に対して、EUや中国などの貿易相手国は報復関税を検討しており、世界的な貿易摩擦の激化が懸念されているが、それは、アメリカ国内でも消費者物価の上昇や企業の負担増加が問題になってきている。
こうした、アメリカの「相互関税」のあり方が今後どう動くのか、それが世界経済にどのように影響をあたえるのか、それと「テクノ封建制」とはどうつながるのか、これから時間がかかってもいいのでじっくり考えて行きたい。いま、新しい、経済戦争が起ころうとしていると思われる。日本は、どうしたらいいのか、考えどころだと思う。