習志野市民フォーラム

市民情報交流センター

JR津田沼駅南口開発における問題点(フォーラムだよりNO3,NO4より)

2012年09月26日 | フォーラムだより
「奏の森」への町名変更で問題となっている南口開発に関する「フォーラムだより」の
記事を転記します。

JR津田沼駅南口開発における問題点(第1回)
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荒木前市長の集大成である「JR津田沼駅南口開発」そのものに反対するものではないが、前市長が行った「南口開発」には多くの問題点が指摘される。荒木市政を受け継いだ宮本泰介新市長も、前市長の悪政をそのまま引き継ごうとしている。
習志野市民として看過できない大きな問題を内包していることより、今回と次回の2回にわたり、下記の通り問題点を明らかにすることとしたい。

今回採り上げる問題点
Ⅰ.仲よし幼稚園跡地売却の是非
Ⅱ.第一中学校用地買い戻しの是非
Ⅲ.人権無視の強制執行

次回採り上げる問題点
Ⅳ.税金投入額について
Ⅴ.隠されてしまった事業計画について
Ⅵ.いわくつき1ヘクタールの土地について
Ⅶ.さらなる税金投入が懸念される問題について

問題点Ⅰ 仲よし幼稚園跡地売却の是非
津田沼駅前に立地し、容積率600%の一等地2300坪が、1坪150万円、総額35億円程度の安値で売却されようとしている。一度手放したら二度と手に入らない、幼稚園廃園から32年間保有してきた市所有不動産のなかでも一番価値の高く、これから開発が進みさらに価値の増す不動産を、売却するには最悪のこの時期に、一般入札ではなくプロポーザル方式でなぜ売りに出すのだろうか? 不動産業界では、「再建指定都市ならまだしも、1人当たり納税額が、全国1723市町村のなかでも上位50番以内に入る習志野市が、駅前に立地し習志野市民にとって利用価値の高いこの土地を、売りに出すのは信じられない」とささやかれております。
さらに問題なのは、私が市議会に提出した「売却事由を質した陳情」に対し、習志野市は虚偽の回答を繰り返していることです。虚偽の回答とは、習志野市が仲よし幼稚園跡地売却事由としている「平成8年3月のJR津田沼駅南口総合基本計画策定調査報告書ではこの土地の活用方法は売却以外にないと結論づけている」と報告していることです。情報公開により取得した「同報告書」を精査したところ、虚偽の回答であることが判明いたしました。すなわち「定期借地方式も有効な利用方法である」と結論づけているのです。(もし、情報公開により詳細を調べなかったら、「売却と定期借地方式が有効である」と並列的に取り上げられていることが明るみに出ることなく、市の虚偽の回答を信じる以外になかったのであり、この虚偽の回答によるミスリードは悪質であるといわざるを得ません)
定期借地方式の内容は「市と事業者で第三セクターを設立し、土地を市から借地してビルと駐車場を建設して運営すると、投資資本の回収は早く、借地期間終了後は市に土
地が返還され、安全な事業である。また、この方式を採用すると、4年目で黒字転換、24年で投下資本は全額回収、51年目で土地は市に変換される」としてその有効性を結論づけております。
なにはともあれ、習志野市が「売却以外にない」との根拠は崩れたのであるから、売却方針は白紙に戻し、一昔前の平成8年の結論を採用するのではなく、もう一度吟味し、現実にあった、市民に最も有効な活用方法を、市民の意見をふまえ検討すべきです。

問題点Ⅱ 第一中学校用地買戻しの是非
習志野市は、南口開発への税金投入方法として、第一中学校用地買戻しという荒業をあみだしました。それは道路計画にかかる校庭用地5356㎡を買い戻すとの事由で、組合に対し15億円を支払うというものです。道路計画などで敷地を削られる場合、100人いれば100人とも、補償や代替地を求めるものと思われますが、習志野市は、削られる校庭用地を15億円で買い戻すとして、組合に税金を与えることとしたのです。JR津田沼南口開発の北側の端に位置し、すでに校舎の建っている第一中学校を開発地域に含め、他の農地と同じように、減歩の対象としたのです。
そもそも大きな開発事業の場合、学校用地は開発当事者が負担する例が多く見られます。南口開発では人口7000人が増加する計画なので、1年平均人口が100名前後増加することとなり、1学年3クラスの学校が必要となります。しかし今回の南口開発では、組合に学校用地の負担は全くさせずに、谷津小学校と第一中学校に押し込めるとしているのです。道路にかかる部分は組合に負担させるくらいは当然のことであると思われます。
この校庭用地を買い戻すという行為は、荒木前市長の後援会長が理事長、選対委員長が副理事長である「JR津田沼駅南口土地区画整理事業組合」へ多額の税金を提供するためにあみだされた行為以外なにものでもありません。税金の使い道については、自らの懐が傷まないし、市民は税金の使い方に無関心で、もの言わないからこそ、あみだされた荒業だといえるのです。

問題点Ⅲ 人権無視の強制執行
平成23年9月市議会における建設常任委員会で50名程度の傍聴席が満席になりました。それは「平成23年1月31日JR津田沼駅南口土地区画整理事業組合が行った強制執行」についての陳情についての傍聴のためでした(強制執行についての記録映像は「http://www.youtube.com/watch?v=2iRpu0USdGE」でご覧いただけます、また建設常任委員会の記事は「平成23年9月22日の朝日新聞朝刊」に掲載されました)。
平成23年9月議会に提出された陳情によれば、「1月31日寒風吹きつけるなか強制執行は行われました。朝9時30分、組合理事長が何か叫んだ後すぐに100名程度の男たちが乱入、屋外から電気線を切断、門の鍵を壊し、電気のこぎりでドアを壊し、窓を全て取り払い、病気で寝ていた高齢の女性の布団をはがし、高齢の女性とその娘を攻めつづけ、午後5時過ぎ女性二人は自宅から追い出された」とのことです。当事者の肉体的・精神的苦痛はいかばかりかと懸念されます。
強制執行に至った第1の問題点は、居宅に住民が住んでいるのにかかわらず、その敷地の売却について、居住者に何ら知らせることもなく、組合が三菱地所と藤和不動産との間で契約してしまったことにあります。
第2の問題点は、組合が居住者に無断で売買契約を締結したのにかかわらず、立ち退
き期限を勝手に平成22年12月31日と指定し、居住者を脅し続けたことにあります(「平成22年11月5日までに物件移転補償契約書等にサインしなければ、強制執行のうえ建物を取り壊し、補償費は土地収用委員会に委ねる」というのが脅しの内容です。居住者としては移転先の新居建設中であり、補償費が支払われなかった場合、新築した住宅の引渡しも受けられなくなるとの不安に駆られ、契約書にサインしてしまったというのが実情です)。
第三の問題点は、立ち退き期限経過後(本件の場合;平成22年12月31日)、組合が居住者に一回の勧告もせずに、強制執行を申請したことにあります。一般的に、経済活動においては、契約期限が到来したとしても直ちに強制執行することなどありえません。もし金融取引等において、弁済期限が到来したからと言って、直ちに強制執行していたのでは、経済界は大混乱に陥ってしまいます。通常立ち退きについても長期間かけて交渉されることが多く、立ち退き期限経過後、催告書の出状などの手順を踏んだ折衝後、解決の目処がまったく立たないことを確認し、強制執行申請に踏み切ることが一般的です。それが今回の場合、立ち退き期限経過後すぐに待っていたとばかりに「勧告ナシ」で、正月早々の1月4日に強制執行が申請されたのです。
第四の問題点は、この申請を受けて、習志野市が全く片手落ちの検討のまま、1月17日付けで強制執行を認可したことです。通常強制執行申請がなされた場合、認可者は中立的立場で、両者の言い分を聴取のうえ、強制執行は最後の手段として、何とか妥協の余地はないか等、慎重に検討するのが一般的です。ところが習志野市は、組合から提出された事由のみをそのまま一方的に取り上げ、居住者の言い分を一度も聞くことなく、強制執行を認可してしまったのです。荒木前市長が4月には退任することが決定しておりましたので、人権など無視しても、自らの後援会長が理事長である組合の土地売買契約を優先させようとした意図が明らかです。強制執行後も、組合による立ち退き者への嫌がらせが続いているとのことでもあり、組合ならびに習志野市が行った今回の強制執行は、人道上からも許せる行為ではありません。JR津田沼駅南口開発に大きな汚点を残してしまったのです。

JR津田沼駅南口開発における問題点(第2回)
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「JR津田沼駅南口開発」そのものに反対するものではないが、荒木前市長が行った「南口開発」には多くの問題点が指摘される。荒木市政を受け継いだ宮本泰介市長も荒木前市長のコピー的存在で悪政をそのまま引き継ごうとしている。
特に税金の投入方法については、第一中学校用地買戻しや1ヘクタールの土地提供など、皮肉で申し訳ないが、よくぞここまで考えついたと唖然とするほどの見事さである。
この南口開発への税金投入方法こそ、平成9年の1ヘクタール土地購入時から計画された荒木勇市政の集大成であり、この税金投入方法によってあみ出された税負担こそ、市政に対して無関心でものを言わない市民が受ける当然の報いであるのかもしれない。

「習志野市民フォーラムだより(NO.3)」で取り上げた問題点
Ⅰ;仲よし幼稚園跡地売却方針
Ⅱ;第一中学校用地買い戻し
Ⅲ;強制執行実施

今回採り上げる問題点
Ⅳ;税金投入額
Ⅴ;事実とかけ離れた事業計画
Ⅵ;いわくつき1ヘクタールの土地
Ⅶ;さらなる税金投入が懸念される問題

問題点Ⅳ;税金投入額
JR津田沼駅南口開発の最大の問題点は税金の投入額の巨大さです。一般的に組合施行の開発事業の場合は、補助金はゼロか、多くても20%程度という自治体がほとんどです。これに対し習志野市の南口開発の場合、表面的な補助金だけでも総事業費150億円の31.5%にのぼります。すなわち国と県の負担額が23億6,854万円、習志野市の負担額が23億5,945万円という金額です。そのほかに特に問題なのは、無理に理由をこじつけて税金を投入することです。これは前回も指摘しましたが、「JR津田沼駅南口土地区画整理組合」の理事長が荒木前市長の後援会長、副理事長が選対委員長であることからあみだされた税金投入方法であると疑わざるをえません。すなわち無理にこじつけた税金投入方法とは、第一中学校用地買戻し資金等18億554万円、1ヘクタールの土地代等31億5,853万円を負担することです。これにより習志野市の税金投入額総計は73億2,352万円と巨大な金額となります。一般的に開発事業は大幅な地価上昇が見込めること、特に津田沼駅南口地域は農地が宅地に転換されることより地価上昇は確実な地域であれば、税金投入ではなく組合負担で事業を行うのが当然なことといわれております。習志野市はこの巨額の税金投入事由を「土地区画事業を組合ではなく習志野市が行った場合、施設整備等に108億円かかるのであり、その範囲内での税金投入は妥当性がある」と説明しております。別紙①が私の提出した質問状に対する習志野市長の回答書の一部です。この明細の多くの部分が組合員の拠出した保留地の処分代金で充当されたものと重複しております。この重複している事実は、税金投入が過剰であったのか、組合員の減歩負担が過剰であったのか、どちらかであるということとなります。税金投入が過剰であれば税金投入額を減らすべきであり、組合員の減歩率が過剰であれば減歩率を減らすべきです。この重複部分は何十億円という巨額にのぼるものであり、実態解明が是非とも必要です。

問題点Ⅴ;事実とかけ離れた事業計画
習志野市はホームページで「税金投入はするものの、事業着手からの総支出については、平成28年には全額回収となる」と公表しておりました。また荒木前市長は「南口開発は習志野市の財政の下支えになる」と宣伝して回りました。このホームページに掲載された事業計画は、南口開発により7,000人増加に伴い納税される税収入全額を回収にまわすというものであり、7,000人増加によってかかる費用は全くないとした事業計画でした。支出はないものとして収入を全額返済にまわせば、回収期間が短くなるのは当然です。これは多額の税金投入をカモフラージュし、市民をミスリードしようとする意図的な公表でありました。私の提出した陳情により、習志野市はこの事業計画を「デタラメ」であるものと認め、ホームページを改めましたが、新たに掲載した事業計画もまた「デタラメ」なものであるといわざるをえません。すなわち7,000人増加にかかる経費を極端に低く見積り、年間余剰金が8億4千万円生ずるとの事業計画を掲載しているのです。すなわち習志野市の一般予算508億円を人口165千人で割って算出される市民1人当たりの年間経費30万円に対し、南口開発で増加する7000人では1人当たり5万円しか経費がかからないとするする事業計画なのです。経費を実態より低く見積もれば余剰金が生ずるのは当然のことです。

問題点Ⅵ;いわくつき1ヘクタールの土地
 開発事業においては1人当たり3㎡の公園用地を確保することが規定されております。すなわち「JR津田沼駅南口土地区画整理組合」は、7,000人の人口増加が見込まれておりますので21,000㎡の公園用地を用意する必要があります。これに対し、習志野市は公園用地として1ヘクタールの土地を「土地区画整理組合」に提供することとしました。この土地購入総額は31億5,853万円であり、「土地区画整理組合」が負担すべきものを、税金で賄おうとするものです。そもそもこの土地は、平成9年の購入時に土地疑惑が発生、百条委員会が設けられましたが、疑惑のキーマンが死亡したことにより事実解明がなされなかったといういわくつきの土地であります。もしこの1ヘクタールの土地を開発地域に組み込むならば、第一中学校用地買戻しで生じたように、この1ヘクタールの土地についても減歩が必要となるのに、減歩されておりません。このことは1ヘクタールの土地は開発地域に含まれておらず単に「土地区画整理組合」に習志野市が31億5,853万円を投じた土地贈与をしたということと同じこととなります。なにはともあれ、この多額の税金投入負担は市民にとって全く納得できるものではありません。

問題点Ⅶ;さらなる税金投入が懸念される問題
 現在決定している税金投入総額73億2,352万円のほかに、さらに税金投入が増大する懸念があります。それは開発地域の中央を通る都市計画道路348号線が幹線道路につながっていないことにあります。幹線道路「船取線」につなげるためには、さらに多大な税金投入が必要となります。幹線道路につなげる用地買収もなされていない開発事業は大きな欠陥を内包しているともいえます。
また、7,000人増加することによる小中学校の対策もとられておりません。7,000人増加するということは、平均寿命70歳とすると1年100人の学校を用意する必要があることとなります。1年100人となれば3クラス程度の増加が必要となるのに既存の小中学校に押し込めるとの計画であり、校舎の増設などさらなる税金投入が必要となるのは明白です。また保育園、幼稚園などの施設も全く用意されておりません。
さらに、消防署用地取得資金が計上されているのに対し、消防施設建設資金は見込まれておりませんので、消防施設建設資金としてさらなる税金投入が必要となります。

福祉等にかかわる税金投入がカットされる一方、湯水のごとく多額の税金投入がなされる南口開発が習志野市の現状を象徴しているといえるのではないでしょうか?


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