ちょうどX-Plane11.30のメディア発表が行われたところです。そこで改めてX-Plane11のデフォルトの航空管制(ATC)を試してみました。
結論はダメですね。はっきり言って使えません!QNHは全然違う空港の数値を言ってきますし、アライバルで管制に見失われますし、全然いけません。今回は平野の着陸でしたがそれでもダメで、これが山の近くだと見事に山にぶつかるコースを誘導してくれます。しかしせっかくですからフライトの様子をご紹介します。
真冬の北海道稚内から帯広までです。以前紹介したTerraMaxxの真冬のシナリーを入れ、アイシング関連のプラグイン(ver1.13)を入れました。
機体はデフォルトのCirrus SF50ですが、そのままだとオートパイロットが不安定なので、無料の改良版(ver1.51)をダウンロードして入れてあります。この機体、操縦は容易で既に実機も各地で飛んでいて、自家用ジェットとしておすすめです。パラシュートもついています。最初はデフォルトの機体でほとんどパネルが動かなかったのですが、今ではG1000が動くようになっています。
稚内の天気は雪ですが、着氷などはありません。
電源を入れる前の機内です。
G1000に稚内から帯広までの直行ルートを入れます。ATCが誘導するはずなのでSIDとSTARは入れません。
ドアを開けてあります。このマルチファンクションディスプレイはほとんど動きません。
3画面あります。ウエイト&バランスは燃料をたくさん積んでいるので最大着陸重量を上回っていますが、帯広につくときには制限内に収まっているはずです。
G1000のPFDの画面です。G1000の使い方は以前紹介しました。
稚内空港に止まっています。吹雪です。
ATCを表示するにはセッティングでATCの音と文字を表示するようにします。どちらかだけでもかまいません。
横なぐりの雪です。
ATCの画面を開いてメーカーとモデル、出発・到着空港、巡航高度を指定してフライトプランをファイルします。
ではQNHを聞きます。
2967です。なぜか新千歳と言っています!
QNHと巡航高度をセットします。
IFRのクリアランスを得ました。
トランスポンダを合わせてスタンバイ。
エンジンを始動します。
計器類は正常。
2
タクシーの許可を得ました。
セッティングでタクシーのルートを示すようにしておきます。
するとこうやって黄色い明るい矢印でタクシールートを示してくれます。駐機場に木が生えていますが(笑)。
滑走路をバックタクシーしていきますが、滑走路に入る時にクリアード・フォー・テイクオフが出ました。
灯火も全部オン。防氷装置なども全部オン。トランスポンダはALT。
滑走路に入ります。
バックタクシーもちゃんと表示されています。
では離陸です。
経過時間計をオン。
あっという間に離陸しました。吹雪が続いています。
滑走路方位で上昇を指示されています。
センターにコンタクトするように言ってきます。ZGDセンターってどこでしょうか??X-Plane11のATCではトップレベルセンターと言って、上に上がったらどこでもこのセンターのようです。
QNHが2992になります。新千歳だそうです。
オートパイロットを入れます。フライトレベルチェンジです。
しばらくすると南に変針ですぐにリジューム・オウン・ナビゲーション。NAVモードでGPSを使ってG1000に入力した直行ルートを飛びます。
直行ルートに向けて旋回しているところです。速度計を見てください。上に126ノットというレファレンスが出ています。G1000には速度レファレンスの機能がありますがX-PlaneのG1000ではそれが使えません。しかしこのようにときどき自動的に出てくることがあります。この機体では上昇や降下の時にあらかじめ設定された速度が出てくることがあります。この場合だと126ノットで、126ノットで上昇していきますが、自動操縦の上下のノブを動かすとこの数字も変わります。機首を下げると速度が上がりますから、ダウンにするとこの速度が上がります。オートスロットルはこの機体にはついていませんから、引き続きマックスパワーで上がっていきます。
直行ルートに会合するように飛んでいます。
マックスパワーのままです。フラップは上がっています。
126ノットで上がっていきます。速度を上げると上昇率は下がります。
153ノットに加速しました。引き続き上昇中です。直行ルートに会合中です。
このダウンーアップのダイヤルを上下に動かして速度を調整します。スロットルはマックスのままです。
雲の上に出ました。追い風成分23ノット、横風成分29ノットです。偏西風のなかを飛んでいます。
雲の切れ目からときどき下界が見えます。
巡航高度に達しました。スロットルはそのままで加速するところまで加速していきます。
今日はこのあたりの速度で加速が止まりました。
帯広まで98.5マイル。
これから大雪山にかかろうかというところでまずFL240への降下指示。
ちょうどそのころの速度は220ノット。横風成分は41ノットで偏流角は15度ぐらいあります。
さらに11000フィートへの降下指示。相変わらずQNHは新千歳の2992。
降下速度も自動的に231と出ますが、先ほどのダイヤルを上下に動かすとこの速度が変わります。スロットルは降下率を見ながら調整します。スロットルをアイドルにすると4000フィートぐらいの降下率になってしまいます。
ちょっと降下率を下げると設定速度も下がります。
引き続き雲の上を飛んでいます。
重量は最大着陸重量以下になりました。
燃料はまだ十分にあります。
燃料コントロールは最初からオートです。
フラップは2段です。
大雪山脈が見えます。
そして広大な十勝平野が見えてきました。11000フィートで飛んでいます。
大雪山の上を飛んでいます。
山並みが広がります。
7000フィートへの降下指示が得ました。
QNHは相変わらず新千歳の2992。
雄大な景色です。
ActiveSky XPによる帯広の気象。QNHは2965です。薄曇りです。
5000フィートへの降下とRWY35のビジュアルアプローチへのベクターの開始です。
直行ルートから外れてベクターに従います。
5000フィートで飛んでいます。
引き続き南下します。
街もところどころ広がります。
まさに薄曇りです。
十勝空港を過ぎ、帯広空港の真横です。空港にAI機が一機います。
依然として南下を続けます。
右手に日高山脈が見えます。
黒い四角がAI機です。帯広に南側からアプローチしている機があります。この後ろにつくのだろうと思っていました。
しかし新千歳のQNHを言うばかりでベクターがありません。
AI機も片付いたのにまだベクターがありません。
どこまで行っても呼びかけがありません。
既に太平洋上を飛んでいます。
次のAI機がアプローチに入っています。
しかし何のベクターもありません。
さらに太平洋を南下します。しかし燃料がそろそろ限界です。
管制からすっかり忘れられたようです。IFRをキャンセルします。
Uターンして帯広空港に直行します。
戻るのに18分もかかる予定です。
空港が近づいたのでオートパイロットを解除します。よく地上が見えています。
空港の手前に丘があります。
丘を越えると空港です。RWY35にストレート・インでアプローチします。
ファイナルアプローチです。
無事着陸しました。
時間は1時間21分52秒。
燃料はイエローゾーン手前のぎりぎり。
駐機場に到着です。
ドアを開けます。晴れています。
今日はこんなに大回りして着陸しました。
というわけで、X-Plane11のATCも全然だめです。しかしデフォルトのCirrus SF50はいい機体だと思います。
ATCのアドオンはいくつか改良が進んだものがありますので、改めて紹介します。
(おわり)