「思い出のアンネ・フランク」(文春文庫)
中古で手に入れました。
アンネたち8人の潜伏生活を支援し続けたミープ・ヒースの記録です。
1984年~1年4か月の間に
アリスン・レスリー・ゴールドというジャーナリストの
熱心な説得と少しずつのインタビューで
ミープ夫妻から聞き取ったことが、まとめてあります。
ミープという大人の目から見たそれぞれの人物像と
「アンネの日記」に書かれている人物像のギャップが興味深く、
それぞれの人となりが立体的に浮かんでくるようでした。
それにしても、ミープのなんと献身的なことか…。
自分たち夫婦と、隠れ家の8人、そしてまた別に、自宅にまで1人かくまっていたとは…。
「自分たちはヒーローでもなんでもない、あの時代に、ほかにも二万人以上のオランダ人がおなじことをしていた」
「あの立場にいたなら誰でもしたであろうことをしたにすぎない」
「人間として当然のことをしたまで」
「とくに勇敢にふるまおうと意図した結果ではなかった」
ここでも、また二種類の人間が出てきました。(「夜と霧」にも二種類出てきた)
「ナチに協力するものと、抵抗するもの、二種類の人間がいるだけだった」
アンネの日記とあわせて、是非たくさんの人に読んでほしい本です。