NANNJYAIブログ

人生は旅、利他愛こそ人の道しるべ!

青い鳥を放す

2011-09-26 09:43:00 | 日記
そこで鏡の中の映像が消えた!


「私は何という自分勝手な生き方をしてきたのだろうか・・・!?
全てのことを、自分では良かれと思っていたことが、相手にとっては迷惑なことも、辛いことにも・・・。

相手の気持ちを思いやることより、自分の思いばかりを優先するが余り・・・!
私は何て我侭な生き方をしていたのだろう!」
こんな自分に気づかせてくれたこの「幸せの青い鳥」を飼って、私は反省を込め、この先の生き方を学んで行こう・・・と決心し、命のローソク7年分を契約しました。

それから私は勤めながら夜間の保育士資格を採る勉強を始め、ここで又、多くのことを学びました。必死でした!
3年の歳月が流れ、年を重ねましたが心はとても充実しています。
これを機に、私は児童養護施設に転職し、ここで親に恵まれない子供達の母親代わり姉代わりとなって毎日を忙しく過ごしています。

私の受け持ちは6人の子供達。
幼稚園児から小学3年生の男の子が3人、小学2年生から6年生の女の子が3人
一挙に6人の母親でもあり、お姉さんでもあります。
最初は戸惑いもありましたが、毎日が母親のように、朝は6時半に起床させ、朝食を食べさせ、学校のカリキュラムを確認して送り出します。
その後は食器の片付け、部屋の掃除、洗濯、布団干しと切れ間無くある仕事をこなします。
気が付けば、私の母も同じ様にしながら、私を育ててくれた・・・有り難い。

半年も過ぎ、仕事にも子供達にも慣れ信頼されるようになり、心の余裕が出来てきたので
少し自分の趣味を再開しようと、陶芸教室に通う余裕も出来ました。
OL時代より給料は少なくなりましたが、心の充実感は比べ物になりません。
教室で6人分の子供達のマグカップを作るのが最初の目標です。

3ヶ月が過ぎようとしていた頃、そこに以前交際していた彼が初級講座に・・・!
何と言う偶然でしょう!
私は以前の私と違い、落ち着いて彼に声を掛ける事ができます。
まるで中学の同級生に会ったかの様に・・・。
それに、私の方が陶芸は少し先輩

彼は最初、驚いた様子でしたが、私の境遇を理解すると打ち解けるにはそう時間がかかりませんでした。
彼も私と別れた後、自分の気持ちの中に辛いものを引き摺っていた様子でした。
何度か社内の女性と交際したようでしたが、心のわだかまりが解けず、長くは続かなかったとか・・・。

教室を終わり、意気投合して私達は近くの喫茶店に入り、あれからの暮らしや、生き方、心の変わり様を話し、お互いに心が以前より近づいたことを実感します。
子供達は敏感に人の心を読み取るものですね。
小学6年の女の子が「お姉さん、最近何か好い事あった」
「どうして・・・!?普段と変わらないよ!」
「何となく、顔が明るくなった様に見えるんだ!それに、前より優しくなったし!」と!

陶芸教室は月に2回程しか通えませんが、彼は必ず出席しています。
「君に会えるのが嬉しくてね!」
そして帰り際にはいつもの喫茶店で、私はモカブレンド、彼はブルーマウンテンを楽しみながら日常の出来事などを話します。

私が受け持つ子供達の境遇を話している時は彼も寂しそうに聞いていますが、後には必ず元気な笑顔に戻ります。
彼は父親を早くに癌で亡くし、母子家庭に育った経験が色んなことを思い出させるのだろうと・・・。

3ヶ月が過ぎた頃、彼から「僕達、少し遅くなったけれど一緒に暮らしませんか!?」と
私は一瞬戸惑いましたが、断る理由も無いので「私で好ければ・・・!?でも、私は今の仕事を続けたいのでそれでも好ければ・・・!?」と
彼は迷うことなく頷いてくれました・・・嬉しかった。

彼に言わせると私は以前に比べ、別人の様に輝いているし、人の気持ちを理解しようとする配慮が豊かになって、逞しい生活力を感じると・・・

結婚式は施設長の特別の計らいで施設の集会所で行うことに!
近しい親戚と友人、施設の子供達やそこで働く同僚達に祝福されて手作りの結婚式を・・・。
私達は36人居る子供達全てにマグカップを作り、記念品に贈りました。
それはそれは大変な作業でしたが彼も私も納得のいく物を作りたいと必死でした、でも楽しかった!

子供達は「自分も大きくなったら、お姉さん達のような結婚式を挙げたい!」と言ってくれます。
「その日がくるまで私があなた達のお世話をしますからね。辛い時や、悲しい時も何でも私に相談してね」・・・

私達は施設から15分くらいの所にある貸家に居を構え、新しい暮らしをスタートさせることに。
引越しが終わり、部屋の整理がついた時、私は鳥カゴの青い鳥を外に放してあげました。
わずかな時を経過し、過去の自分を振り返る余裕もできる様になった私
私は今、目前の日々の課題と子供達の成長を見つめながら、理解ある彼との暮らしを楽しめるようになりました。
そして、心の中に青い鳥が住んでいる事を実感します。