暗い奴は暗く生きろ―リクルートの風土で語られた言葉新風舎このアイテムの詳細を見る |
さすがです、イクさん!
ぼくは、出版直後の1月にこの本を書店で見つけ、「あー、イクさんのリクルート時代のエッセーをまとめたんだぁ」とか、「もっとウリに走ったタイトル、オビにすればいいのに」とか、「レイアウトにゆとりがあって良いけど、イクさんを知らない一般のビジネスマンには1,680円は高く映るかなぁ」とか勝手なことを思いつつ、机に積んでおいたままでした。
やがて奥さんから、あの本面白いね、などと先に読まれたうえに、イクさんって素敵じゃない、などとビジネス本には全く興味がない山口県人妻の発言にただならぬ予感がし、その後、あっという間に読了・・・。
実はぼくもリクルート本を出版しちゃおうかなぁんて思っていた時期がありまして、リクルート社関連の現在流通している書籍はほぼすべて持っていて、読みました。
これ、リクルートの風土など全体像を描いたものの中でダントツのナンバーワンです。
秀作。リクルートOBが読んでも、新発見のなんと多いこと! イクさんはこれまで語られたリクルートの常識を、自分の頭で一歩、思考を進めているが故に、薄っぺらいキーワードだけが並んだ類書とは雲泥の差。さすが、もと新聞記者。考えるとはこういうことだったのかと、個人的には小林秀雄より、インパクトを受けたりして。
この本はまた読み返すだろうなぁ、自分の棺桶にいれてもいいか、という本を、みなさんは何冊お持ちか?
しかして、「暗い奴は暗く生きろ」はぼくにとってそういう本だったのです。
世はティップス中心の断片化したビジネススキルの紹介本が目立つが、この本はそういうものとは一線を画している。ビジネス書のようでもあり、人生の指南書でもあるようなそんな印象。
読後の興奮が収まらず、仕事で悩んでいる年上の友人に、これ読んで元気出してください、と思わずプレゼント。(イクさんを知らない、リクルート社には興味がないという人でも訴求する内容です)
また、イクさんにも本の感動のお礼にと、「暗い奴~」の中で、イクさんがお探しの古書の存在を知り、日本の古本屋(http://www.kosho.or.jp/)で入手、お送りする。
そしてすごく喜ばれ、ぼくも嬉しかった。
本書はすでに2版を迎えるそうで、ちょっと目立った誤字(^ ^;もとれることと思います。保存版としてまた購入させていただきます。
ぼくがリクルートに入社したときの最終面接がイクさんだった話や、出版元の新風社の素敵なお店の話などはまたの機会に。