マロリーな日日(にちにち)

癒し系ソフト・ボトルメールの作者が、ガツガツ派では見えないゴロゴロ視点で、ビジネスの世界を観察していきます。

イサム・ノグチが愛されるわけ

2005-09-23 22:27:08 | ヒト
東京都現代美術館で開催中(9/16~11/27)のイサム・ノグチ展へ行く。
奥さんの研究対象が詩人の野口米次郎で、その息子がイサム・ノグチというわけです。

会場は大盛況。一般にイサムは彫刻家としてカテゴライズされることが多いのですが、こんなに人気がある彫刻家なんて他にロダンぐらいしか思いつかない。つーか、そもそも知っている彫刻家の名前を挙げてみろといわれても困るほどなので、その異色ぶりはすぐ実感できると思います。

なぜ彼はそんなにも、人口に膾炙されるのでしょう。
その理由の1つには圧倒的な活動範囲の広さがベースになっていると思います。

舞台芸術、抽象、建築、インテリアと、およそ音楽以外の芸術学部学生なら、みなイサムに通じてしまうほどの幅広い活動。
また彼の師やパトロンは、フランク・ロイド・ライトやバックミンスター・フラーというワールドクラスの歴史的偉人に加え、日米を中心に地理的な広さとあいまって、大阪万博会場、ユネスコ本部、ウォール街、そしてIBM本社前といったようなひじょうに印象的・象徴的なスポットで彼の作品を見ることができ、まさに彼を語らないわけにはいかないのです。
そして私生活では、山口淑子(李香蘭)さんが元奥さんですから、芸能や昭和史の研究者までもが、これまたイサムの宇宙に吸い込まれてしまうわけです。

そして、人気の秘密その2は、彼の作品が誰でも買える、ということでしょう。
ソファにテーブル、ティーカップに、和紙の「あかり」。
彼の作品は、美術館だけでなく、私たちの自宅すら豊かなものにしてくれます。

また、その延長として、遊具や公園の設計を行っていることも、人気の秘密その3です。
彼の作品は、街中で見ることができるだけでなく、さわって、よじのぼって、抱きつくことも許してくれます。
このイサム・ノグチ展でも私たち以外に多くの子ども連れの訪問者がいました。家族でちゃんと楽しめるこの手の催しというのはホントに少ない。イサムの作品は、2歳の私たちの娘にも開かれているのです。

こりゃ、すごいことです。


PS
 この展示場入り口で「こどものためのガイドブック」という冊子が入手できます。子連れでなくてもこれ、是非Getしておいてください。オトナ用のつまらない出典リストより何億倍も楽しく、役に立ちますよ。


写真の説明
 本展示の最大の見物は「エナジーヴォイド
 これを見たうちの娘がビビッとインスピレーションを受け、とっさにとったのがこのポーズ。
 写真撮影禁止ゾーンだったので、私は即、注意をうけました(^ ^;
 でも、そもそも巨大彫刻の写真ぐらいとらせてくれてもいいのにね。


BEST BUY
 一夜漬けイサムファンの私にはこの冊子が一番ビジュアルが多くて好きです。

Casa BRUTUS特別編集 イサム・ノグチ伝説

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