都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。論文や講演も。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

証券化やデリバティブはゼロサムゲームと今後の日本の対応

2008-09-21 08:53:37 | マクロ経済

<o:p> </o:p>不動産証券化の歴史の中で、80年代の終わりに事例として習ったのが不動産担保証券であるFannie Mae, Freddie Macで、その後、90年代のバブル崩壊護、日本で外資の投資銀行がデリバティブで大儲けした。そして、その後不動産の証券化(REIT)が出てきて、2000年以降、不動産ファンド会社の乱立と現在の一部破綻を見るに至っている。<o:p></o:p>

何度も言うが、証券化もデリバティブもゼロサムはゼロサムである。その説明として、今回のAIGCDSCredit Default Swap)を採り上げると、これは貸出し金利の回収の保険部分の分離と考えられる。同じく、オプションなども将来の保険としての分離と考えられる。保険のプレミアムは金利以上には(通常)なく、単に金利の構成成分を分けただけである。マクロ的に見ると付加価値(GNP)を上げるには金利を上げることしかない。<o:p></o:p>

更に不動産ではプロジェクト・フェーズ毎にリスクが区分され開発段階はコンストラクション・ファイナンスとなり、更には開発型証券化手法もとられ、開発者とその後の所有者が分離された。そして運営も専門会社への委託が多い。つまりは開発と運営と所有の分離がなされている。専門化・特化であるが、このことは開発から所有と運営までの「哲学」が一体ではなく、都市計画上のモラルや開発と運営の一貫性に課題がある。(破綻した開発会社やファンドで宙に浮いているプロジェクトも散見される)<o:p></o:p>

分離の次は混合である。CDSにしても、CDOにしても複合の案件をまとめているものが多い。REITははじめから束にした案件である。ここで混合するとリスクが減るという考え方がある。ある一面は正しい。しかし、カレーは色々なルーを混ぜたほうが美味しいというのは正しくないというのを「カレーライスの謎」水野仁輔著で読んだ。これによると、カレーの基本は決まっており、プロが作ったままが一番美味しいとある。具体例として、色々なカレーをレシピのまま作ったらそれが一番美味しかったということも述べられている。混合でなんでも良くなるというのも幻想だろう。混合は何が入っているのか分からない餃子かも知れない。この場合、皮は投資銀行やファンドのブランドということになるのか。だが、今では投資銀行もブランドとして権威がない、ファンドも課題のあるものが見受けられる。となると餃子より、中身の見えるハンバーグ、挽肉のハンバーグより焼肉、切ってある焼肉より出自の明らかなお肉屋さんから買ったお家でのお食事になるのかもしれない。<o:p></o:p>

餃子も皮から作ると安くて美味しいし、家族のつながりを感じる。もっと分かりやすく、ごまかされない投資が手作りでかつ内容の分かり易い物が欲しい。<o:p></o:p>

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さて、アメリカの投資銀行などの金融支援が求められている。日本の貯蓄で「買収ファンド」など運営し、相応の値段で取得するチャンスではないだろうか。後ろ向きよりも、前向きで創造的に。<o:p></o:p>

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