都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。論文や講演も。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

ともに食べるということ(福田育弘):著作の寄せ集めで分析の整理がない

2024-06-08 02:24:39 | マクロ経済

 早稲田と南仏のソルボンヌで学んだとある。どうりで日本とフランスの事例が混じっているはずだ。内容は6つの著作をまとめたもので、つながりは今一つ。
 知見は:
・1999年民博調査:箱膳(会話は厳禁、食事後団欒)→ちゃぶ台(大正後期・昭和初期 1920~30に出現 話してもよいと厳禁の両立)→テーブル(1960~70年に出現 話してもよい)
・ちゃぶ台は関東では「ちゃぶちゃぶ」(「西洋道中膝栗毛」西洋料理店の意味、「日本大辞書」横浜英語で食事の意味)、関西では石毛(民博)が卓袱料理の食卓が家庭に
・外食:明治36年(1903年)白木屋の食堂が嚆矢、大正から日比谷公園の松本楼に家族連れ、お子様洋食(1930年)三越日本橋本店
・70年代の高度成長期に、仕事に忙しい父はおらず、団欒は失われ、TVが主体
・80年代、個食、孤食の表現が出る
・2000年 中食の調理済みが伸びる
・千利休の侘茶は遊興的、開放的な茶を茶室という閉鎖的、規範性、回し飲み喫茶で一座建立の盟約(熊倉功夫「茶の湯 の歴史 千利休まで」)
・本膳料理:五の膳まで、同時に出る、土産用も、同時に出る場合もある
・すし屋:内店は座敷、普通は出前と土産、その場で食べるのは夜の屋台店(内店の前にも出した)→冷蔵庫がなかったとすれば、夜でも出せるネタはづけや煮物しかない
・Convivialite:共食、Gourmandise:美食的な、Gastronomie:胃袋統制術 はブリア・サヴァラン
・フランス:そそくさと食べると精神性がないとの評価、共食を重んじる、最後の晩餐も→日本は孤食か、鍋はどうか、要は食事の出し方、様式の違いと長々と述べているが

 著述に散漫な印象がある、フランス帰りの意見というところか。共食の意義を時代、経済、国別の習慣などの観点で明確に分析して欲しいものだ


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