都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。論文や講演も。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

大阪北ヤード2期を考える

2008-09-28 09:17:53 | 都市計画

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先日、「大阪府庁の移転の評価と提案」を述べた。最近の新聞には大阪オフィス市況の変化を受け、大阪北ヤードⅠ期の竣工遅延とⅡ期をどうするか、公園にしてはとの提言も書かれていた。<o:p></o:p>

今後の大阪のあり方を考えてみたい。先ず、大阪北ヤードの規模は24haである。これは大阪ビジネスパーク(OBP, 25ha)と同じ大きさで、汐留(32ha)より一回り小さい。面的都心整備として、全体の開発で新都心としてのクリティカル・マスが充足される(つまりは、Ⅰ期のみだと集積が足らないこととなる)のでⅡ期の開発が必要である。<o:p></o:p>

次に、都市として大阪を考えると、縮小が考えられCBDの集約が必要となる。梅田周辺は西梅田、堂島・中ノ島の開発が500m圏にある。つまりは梅田の西、北に地下街とともに開発が連坦している。更に北側も開発が進めば大きな集積となる。また梅田は大型百貨店の新規出店、リニューアルもある。また、JR,阪神・阪急、地下鉄のターミナルとなっている。これらのことから、Ⅱ期の開発もオフィスで行い、大阪の使いやすいAクラスのオフィス集積を伸ばせば、都市間競争に優位となる。ロンドン・ドックランズの開発は90年代オリンピア・アンド・ヨークの破綻の要因となったが、今ではロンドンの金融センターとなっている。当面の空室より、クリティカル・マスの確保という中期的視点が必要である。<o:p></o:p>

但し、梅田の開発は痛みもある。御堂筋線で淀屋橋、本町は既存集積と京阪、中央線(近鉄)の利便性で発展が見込めるが、その南部である心斎橋、難波、天王寺のオフィス需要は今後明解には言えない。さらに御堂筋東西の堺筋、四ツ橋筋については御堂筋線の補完、または住居系エリアとしての変容もある。(タワーマンションが多い)大阪の今後の成長がゼロサム(あるいはマイナスサムであるとすれば、梅田の開発分のパイはその他のエリアでは減少することとなる。そのため、エリアごとの今後のあり方を考える必要がある。つまりは大阪コンパクト・シティ化である。<o:p></o:p>

コンパクトシティでは住・商・医・教が求められる。大阪都心では特に、チェーンで無い市場が欲しい。(京都や東京では意外と多い)また、中ノ島を始めとする緑や歴史のアメニティのいっそうの整備が必要である。特に中ノ島軸は市内を分断するエッジ要素であるから、回遊と緑で魅力的なものとする必要がある。または、梅田から淀屋橋までオフィスの連続性を確保するのも一手である。(歩道橋やアンダーパスで新地付近が分断されている)<o:p></o:p>

さらに、前も述べたが、大阪府庁こそ跡地を緑化すべきである。その容積は北ヤードにTDR(容積移転すればよい)。そうすると、州都の庁舎確保と梅田の中心性向上となり、更に中ノ島軸に広がりのある歴史エリアが付加される。<o:p></o:p>

それでは、WTC,ATCはどうするのかというのが残る。コンパクト・シティには相容れない立地であり、郊外のコールセンター、バックアップセンターとしての活用があろう。湾岸線を利用して、境の「液晶ゾーン」との連携も考えられる。<o:p></o:p>

大阪を都市としてどうするのか、都市競争の課題は何か、効率的な投資は、都市計画案は、という中期を見据えた開発計画・都市戦略が欲しいものである。<o:p></o:p>

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