都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。論文や講演も。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

ボストンとニュー・ヨーク旅行:2日目:ボストン

2015-06-12 04:48:57 | 趣味

朝は5時から活動。コプリー・プレイスからニューベリー・ストリートを歩いて、マサチューセッツ・アベニュー(マス・アヴ)を歩いて、Smoot( https://en.wikipedia.org/wiki/Smoot )表示のあるハーヴァード・ブリッジを渡りMITへ。MITは通りの両側に鰹節の頭側を東(Kendall)にした形だ。25年の間に面白い建築が色々できた。

 西半分のVassar St.にSimmons Hall(学生寮)は四角を組み合わせた、Steven Holl( https://en.wikipedia.org/wiki/Steven_Holl )の設計で細かい窓枠に赤、黄、青が配色。

 Franc Garyの新館は脱構成というか壁が斜めで凸凹と尖がっている。Hackの歴史やオタク(Nerd)の展示が面白い。消火栓の水飲み機の実物や昔やったドームの上に警察車両を置いたといういたずらの歴史がある。建物の内部は意外に快適。Kendall SQはBiogenなどバイオ関連の企業が進出。ボストンのファン・ピアと企業の捕りあいをしているとのこと。槙文彦さんのメディア・ラボ新館は端正。対比が面白い。

 Kendall SQのAu Bon Painで朝からHam&CheeseとChickenのサンドイッチと大盛りコーヒーで朝食。Sloanの頃が懐かしい。

 かつて住んだEast Gate11C を内緒で見学。エレベーターがごついが内装を忘れていた。記念にドアとエレベーター・ホールを撮影。夫婦で喜び写真を。角部屋でチャールズ・リバーの夕陽が見えた。2階に幼児のPlay Roomがある。East Gateは低層に建替えの予定があるそうだ。近くの交通局のビールも建替えの予定で、25年前の様子が様変わり。MIT Sloanも空中通路で拡大した。いまやMemorial Dr. に立派な新館だ。本館の前にピカソの彫刻があったはずだが無い。

前はMarriottとMIT CoopにあるLegal Sea Foodsくらいしかなかったのが、オフィス・パークとしてバイオ企業、薬品(Novartis など)が集積しさらに拡大している。ボストン経済は製造からITを経てバイオに変容しているとのこと。道路を渡る通行デッキなど大掛かり。冬の寒さ対策か。

 前は、Boston Symphony帰りなど物騒な感じだった駅前もジェントリフィケーションで綺麗。MITもえらくすっきり。

 Harvard CoopまでT Red Lineで移動。Cherieというカードに変わり、1回$2くらいと高い。止まったりして動かなくなるのは25年前と同じ。愚妻は会計の本、こちらは都市計画と建築の本を買いあさる。重い。

 タクシー$23でHarvardからボストン美術館(MFA)へ。フェンウエイの緑が綺麗だ。北斎とダビンチの特別展示を楽しむ、アメリカ展示の新館とカフェが完成。2時間では全く見きれない。疲れる。北斎の展示はMFAならでは、世界でもっとも所蔵が多いはず。ダビンチのスケッチの正確さに驚嘆。係員が親切で案内してくれる。前はMITの学生証で無料だったが、二人で$50、数日間は何回でも入館できるが暇がない。印象派の部屋でセザンヌ、ルノアール、ゴッホの有名作品を久々に見る。近くのイザベラ・ガードナー・ミュージアムも変容したようで行きたかったが時間がない。ここはVermeerの「合奏」が有名だったが、拝見したあと盗難された。未だに発見されない。

それにしても寒い。異例の寒さで雨の暑さだったのが激変とのこと。10℃無いため愚妻の防寒着をCoply Place ( http://en.wikipedia.org/wiki/Copley_Place ) の商業で買う。ハイエンドのブランド・ショップが多いが、80年代末のMXDは分棟型で両端のホテルが商業+オフィスをデッキで繋ぐ構成だ。この前の複合開発が分棟型のPrudential Center で古典的分棟型複合再開発( http://en.wikipedia.org/wiki/Prudential_Tower#History )だ。

 

 13時に友人のAndyがホテルまで、奥さんも同行でまずはFan Pier地区を。内庭が丸いCourt House、やたらに広いConvention Centerとホテル、林立する高層ビルなど、統一感がまるでない。住宅も多くCBDから移住が多いとのこと。逆にCBDはオフィス、商業、興行などが発達し用途の特化が発生とのこと。アムステルダムのウォーターフロントと同じような状況で発展する都市の外周部の開発と景観のコントロールは課題だ。なお、Cambridgeと企業の誘致競争とのこと。インセンティヴと税率勝負とは分かり易い。Fish Pierは今もロブスターなどの市場でNo Name Restaurantも盛業、高いので有名だったAnthony Pier 4は廃業し移転したとのこと。

Rows Wharfで駐車して歩く。ウォーターフロント地区を友人のAndyの車とぶらぶら歩きで視察New England Aquarium (C7Aの出世作)も前に変な増築。Seal Poolも開放型からアクリル仕切りに変わる。コンクリートの劣化が目立つ、船のシアターがImaxの増築棟に変化、新宮さん( http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E5%AE%AE%E6%99%8B )の動くモビール「波のこだま」が無くなっている。

 Big Digは大きな変化でCBDとウォーターフロントを繋ぐ。前は高架の緑色の高速道路がエッジで横断歩道があり、景観と動線のエッジだった。公園になっているが、3つの設計に分かれ統一がないとのことで見てみると確かに統一感がない。噴水が多く、真中はWet社(Florida Disneyでも水鉄砲の展示が有名、阪急三番街にもある)

Faneuil Hall Market Place( http://en.wikipedia.org/wiki/Faneuil_Hall 下に少し記述、 http://www.faneuilhall.com/ )は1988年調査では観光客主体近くのオフィスの利用者と観光客が半々だったが、今は観光客主体。京都の新京極みたいな土産物と地元ではない屋台村のFood courtは変な日本食など観光商業(Tourist Trap)に成り下がっている。( 拙著 P136 参照 https://docs.google.com/file/d/0By9_5eJBeiyQQS1xVVA4dkFRaW8/edit )ディベロッパーも収益重視で面白さより、高級店誘致に走っており面白さが無い。ユニクロがあるのには驚いた、郊外のショッピング・センターと変わらない。

運営も、ホール前のイベント広場もベンチが置かれフード・コートみたいになっている。1973年の開業からディベロッパーのRowsも代替わりか変化したのだろうか。40年持つ商業も奇跡とも言える。

 周辺のUnion Oyster Houseは今も盛業。ここで、Chowder Bowl(クラッカーとコーンブレッドが付く)のみ注文して愚妻とランチに通ったのが懐かしい。North Endを歩きイタリア人街の佇まいを楽しむ。ウォーターフロントの住宅は3億円とかが多く、坪単価は6百万円/坪と高い。

Big Digは$17Billion(約2兆円)の事業費とのこと。車で走り、冬は斜張橋の吊ワイヤーから凍結氷は落ちると悪評の橋を通過しバイオ関連企業のオフィス開発が続くKendall SQの裏を通り抜け、Memorial Dr. Mass Ave. でCopleyまで走ってもらう。都市の変化を話まくる。楽しい。

 学友のAndy夫妻とPrudential Centerの最上階52階 Top of the Hubで17時過ぎから食事。素晴らしい眺望でしかも雨上がりの晴天のためすっきりくっきりしている。ボストンはCBDの近代高層ビルと、周辺の歴史ある低層住宅に二分されている。

3時間ほどディナーよりおしゃべりを楽しむ。Andy一家の動向、東京時代に昆布おにぎり、味噌汁、鮭・のりたまのふりかけ、海苔などが好きとのことで送るのを約束。その頃、東京での招待の返礼にご馳走になった。柿の絵などをUSBにダウンロードしてお渡しする。

 Prudential Centerの商業は通路をアーケード化(ガレリア)にして新ビルとの間をつなぐ。古いSheraton Hotelも建て替え予定とのこと。古典的な分棟型の再開発だから自由度が高い。垂直型MXDではこうは行かない。

 

 久々に英語をしゃべりまくると結構、頭脳が疲弊。特に口が動かないのがもどかしい上に言葉の構成がいまひとつ。歳だな。


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