坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

「東北を思う」展

2011年06月20日 | 展覧会
東京国立近代美術館では、パウル・クレー展の同時開催として、常設展示室内で、緊急企画「特集 東北を思う」と題して東北出身の画家の作品、モデルとなった対象が東北出身の作品、東北の風景を描いた作品という3つの部門から集められた作品、39点が公開されています。
近代美術館ならではの視点で、東北とは日本の近代美術においてどのような存在であったのかを探ります。近代洋画では、黒田清輝や青木繁、坂本繁二郎といった九州の画家たちのイメージが強いですが、一方で萬鉄五郎や関根正二、松本竣介といった個性的な画家が東北から出てきました。
風景のコーナーでは、奥田元宋の「磐梯」、安井曾太郎の「奥入瀬の渓流」などが展示されます。
・掲載作品は東山魁夷「道」1950年で、魁夷の代表作であり、画家としての転機となった作品です。この作品の基になったスケッチは八戸の種差海岸で描いたものです。何もない一筋の道に画家としてのインスピレーションを得て、日本風土の色彩や湿度感を研究していきます。近代洋画の発展にも重要なテーマであった東北に思いを寄せる企画です。

◆特集 東北を思う/開催中から7月31日/東京国立近代美術館(北の丸公園)

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