坂野直子の美術批評ダイアリー

美術ジャーナリスト坂野直子(ばんのなおこ)が展覧会、個展を実際に見て批評していきます。

ミュシャ展

2012年11月07日 | 展覧会
アルフォンス・ミュシャ(1860-1939)は、チェコの小さな町に生まれ、ウィーン、ミュンヘンで学んだ後パリに出て、数年間の下積み生活を送りました。
彼の人生を大きく変えたのは1894年、当時の伝説的舞台女優サラ・ベルナールの芝居のために制作したポスター〈ジスモンダ〉がパリで大好評を博し、一夜にしてアール・ヌーヴォーの旗手として華々しいデビューを飾りました。
その後も数々の商業ポスターを制作し名声をとどろかせましたが、同時に彼のルーツである故郷とスラヴ民族に思いをはせるようになり、これまでのアール・ヌーヴォー様式とは、一線を画した作品を制作するようになります。
本展では、その点に注視したこれまでにないミュシャ展の内容になります。

◆ミュシャ展 パリの夢 モラヴィアの祈り/13年3月9日~5月19日/森アーツセンターギャラリー(六本木)他4か所巡回。