漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

お墓だからネ、見ちゃダメッ

2018年10月08日 | 歴史
最近、「倭の五王」と云う本を読みましてね。

西暦の400年代、
中国の史書に「倭国からの使者あり」と記録されてるんですが、

その派遣した倭王が五人。

この五人の王を、
どの天皇に当てはめるかで、

遠く室町時代から論争が続いてます。

で、この本、

ていねいに、
この時代の中国や朝鮮半島の歴史を述べ、

倭の五王を、
各天皇に比定した説を検討したのち、

どの説も、
帯に短しタスキに長し、

「完全に信用は出来ない」、と結論。 (笑)

つまり、この時代、
日本に文字資料は残ってないし、

日本書紀や古事記にしても、
この時代より200年も経ってからの記録。

いまなら200年前と云っても
同時代の文字記録はたっぷりあるし、写真だってある。

だけど、人々の記憶に頼ったろうこの時代、
200年も前の記憶にどれだけの信用が置けるかは確かに疑問。

また、記・紀を編纂した側の都合もあるだろうから、
定説となりかけてる天皇の存在さえ疑わしいとこの本は述べる分けです。

なかなか面白かったけど、

読み終わって思ったのは、
この時代の同時代史料である、古墳がいっぱい残ってるのに、

これらの古墳は、
天皇家のお墓である、と云うことで調査ができない、ということ。

べつに私のような庶民にとっては
どうでもいいけど、

考古学に人生をささげているような、
学者さんにとっては、コレ、かなりツラいことなんでしょうね。

だって、古墳と云うタイムカプセルが、
目の前にありながら、

「開けちゃダメッ」と言われてるようなもの、なんだから。




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