漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

涙と笑いは背中でつなぐ

2009年01月05日 | 事件
人が死んでいるのに、笑ってはいけない、

もちろん、そうなのですが、
世の中には「可笑しくも悲しい」と云う事があるものです。

時に「笑いは涙よりも悲しい」のですから。
  
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  酒代めぐり突き飛ばされ死亡
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千葉県警は28日、
口論の末に、
元同僚を階段で突き飛ばし、死なせたとして、アルバイト男性(43)を逮捕した。

調べによると、
このアルバイト男性は、深夜0時ごろ、
同県船橋市の雑居ビルの階段で、
職業不詳の男性(53)を殴った上で突き飛ばし、脳挫傷などで死亡させた疑い。

2人は直前まで、
ビル内の飲食店で酒を飲んでいたが、代金の支払いをめぐって口論になった。

  ~~~~~~~~~~~~~~~ 2008年12月28日


「職業不詳の53才死亡」と云う記事には、
人生の悲哀がこもるが、
殺した側の「43才でアルバイト」と云うのも、これまた悲しい。

彼らはこれまで、
どんな人生を歩んできたのだろうか、と、思わずにはいられない。

雑居ビルにある飲み屋で飲むと云う事は、
家で飲むことに比べれば高くつくが、ビックリするほどのことでもない。

常識的には、
二人で数千円、せいぜい1万円程度のことだろう。

少なくとも、命をかけるほどの額ではない。

その程度のカネで、
命を失った人生も痛ましいが、
人殺しをしてしまった人生もまた、愚かしくも哀しい。

こんな事件報道を読んで、
怒るのは簡単だし、泣くのもやさしい、

しかし、不謹慎にも、つい笑ってしまう、

きっと、
真実や悲哀と云うものは、本質的に滑稽なのだ。

涙と笑いは、
お互いに反対方向を向きながら、実は背中で接しているのだろう。




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