東京大学の受験会場近くで、
受験生2人と70代男性が刃物のようなもので襲われたと云うニュース。
犯人は17歳の高校生で、
東大医学部を目指していたが、成績が伸びず将来を悲観して犯行に及んだと云う。
まぁ、身勝手な理屈ですが、
大学の先生で、
社会心理学者の碓井真史さんと云う方がこんなことを書いておられる。
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人生に絶望し、
死んでしまおうと考える人の多くは
「何て自分はダメなんだろう。死ぬしかない」と発想しますが、
通り魔事件を起こす人は
「自分は本来ならばもっとすごい人間なのに、どうしてこうなったのか。
こんなはずじゃなかったのに」と思いをスリップさせます。
悪いのは社会で、
最後に自分は本当はすごい人間だと示したい。
世間に対する復讐で、人生最後の一発大逆転という感覚です。
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京都アニメや大阪キタ新地の病院放火事件は、
いずれもそのような犯人の起こした事件だったと思うのですが、
怖いのはこの種の事件が大報道されること。
人が大量に死ぬと、
「てぇへんだ、てぇへんだ」と騒ぐのはマスコミの本性ですが、
マスメディアが大きく報ずれば報ずるほど模倣犯が増える。
こう云う事件を報じる場合、
マスコミは記事の後にでも、
「悩みのある方は御相談を」と公共機関の電話番号などを書き添えるべきだと思う。
この先生も書いておられる。
「通り魔事件は大きく報道され、注目を集めます。
見返すことで人生を終わりにしたい人にとっては、
逮捕も死刑も怖くないので犯罪のブレーキになりません。
通り魔事件は起こり始めると、連鎖します。
ただ、彼らはプロの犯罪者ではないのでささいなところで実行を踏みとどまる」と。
もし彼らから相談されたら私ならこう言います。
「あなたが思うほど世間はあなたに関心がないのですよ、
だからあなたが多少の失敗をしたとしても世間は気にしません。
だからあなたも世間の目など気にせずやり直せばいいのです」。