漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

不思議の国の円高

2010年08月25日 | Weblog
銀行などの金融機関は、

預金をあずかり、
その利子に経費と利益を乗せて、返してくれそうな人に貸すのが仕事。

例えば百万円を三年満期、1%の利子で預かり、
人件費や店舗維持費など、諸経費をあわせ1%程度かかるとすれば、

この預金の利子の原価は2%、
貸す相手の信用度で危険費用を1%、利益を1%と」計算すれば、

「返済期限は三年、4%の金利」で貸せば良い、とは、素人でも分かる理屈。

処が、ここに、
「半年の間さえ据え置きすれば」、
あとは、いつでも引き出せて、
しかも「利子は定期金利がそのままですよ」と云う金融商品がある。

この商品、預ける方には有利だが、運用する側はむずかしい。

例えば百万円を預かったとして、
先ほどと同じように計算し、金利4%で貸すとしても、返済期日をどうするかが大問題。

半年にしておけば利益は確実だが、
そんな短期では、堅実な事業家のような、まともな客は借りにこない。

だからと云って、長期で貸し付けては、
半年後に引き出しに来た預金者に対応できなくなる危険がある。

つまり、運用が非常にむつかしい、それが「ゆうちょ銀行の定額貯金」。

ここに集まるカネは、
貸す側にむずかしい裁量のいるような、
民間への融資を避けて、その殆どは国債に投資される。

そしてその巨額の資金が、公共工事などに使われてきた歴史がある。

評論家の田中直毅氏は、
毎日新聞に、
「ゆうちょ銀行の場合、資産のおよそ4分の3が国債であるため、
 もし「国債バブル」の崩壊が起きるようなことがあれば、
 打撃は他の金融機関に比して極端に大きい。
 その巨大性が、経営から柔軟性を間違いなく奪っている。」と書いている。

ゆうちょ銀行は、国債の最も大きな引き受け先、
ここが破綻するときは、日本の国家財政の破綻するとき。

今のような巨額の財政赤字がふくらみ続けるとすれば、、
いずれくる「国歌財政の破綻」は、東海沖地震より確実と見る人は多い。

こんな国の通貨が上がり続けると云う現象を、
経済の専門家には、はどう説明してもらえるのだろうか。




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