漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

雨中の決戦

2012年06月08日 | 歴史

気象庁のお達しによると、
近畿地方は「今日から梅雨入り」だそうです。

梅雨ともなれば「いよいよ夏の始まり」、
「処でコイノボリはまだですか」、・・・なんて云ったら笑われますかね。

梅雨入りした今日、6月8日は、
明治の初めまで使っていた旧暦では「四月十九日」。

したがって、江戸時代の感覚で云うと、
端午の節句の五月五日は、あと十六日ほど先と云うことになります。

つまり、江戸時代、
初孫の男児を授かった家などは、
「早く鯉幟を買ってやらねばと気が急いている」だろうと云うことになります。

ちなみに「鯉幟」は夏の季語。

端午の節句を旧暦で見れば、
今月の24日ですから、まぁ夏で間違いないとは思うのですが、

今の暦の5月5日に鯉幟をあてはめてしまうと、季節感が狂ってくる。

ついでにもうひとつ云えば、
「七夕」は秋の季語。

こちらも、旧暦で今年の七夕は、新暦の8月24日、
もう夏休みも終わろうかと云う時期ですから、

「七夕は秋」と云われても、そう違和感はない。

新暦と旧暦のひと月余りの誤差が、
そのまま現代人と江戸時代以前の人との季節感の誤差になってます。

今に生きるだけなら、
こんなことは別に問題ないのですが、
歴史上の事件や文献をひも解くときには、ちょっと心覚えしておくと便利。

織田信長開運の一戦となった
「桶狭間の戦い」は、永禄三年「五月十九日」の事。

これに太陽暦を当てはめると、
「6月12日」だそうですから、まさしく梅雨のさ中。

しのつく雨をついて、
休息中の今川軍を急襲して勝利した織田軍は、

梅雨の雨をうまく利用したと言うことになります。

もっとも「梅雨」の方にすれば、
五月だろうと6月だろうと、

「俺の方は、毎年、同じ時期にやってきてるんだ」と言うことでしょうが。










コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。