漫筆日記・「噂と樽」

寝言のような、アクビのような・・・

サンマの煙

2009年09月02日 | 食べもの
ぼちぼち、サンマが安くなってきました。

昔、サンマは、
煙をもうもうと上げながら、土製のコンロで焼いたものですが、
今は、ガスで焼いても、
排煙設備が良くなって、家の中が煙だらけと云う事は無くなりました。

土で形を作り、
それを焼いて作った焜炉(こんろ)を、
江戸で「七輪」、京、大阪で「カンテキ」と云うのですが、

コレ、他の地方ではどう呼ぶのかナ。

「消し炭」や「消し壷」は東西共通のようですが、
面白いのは、「カマド」、
江戸も浪花も「へっつい」なのに、京は「おくどさん」なんですねぇ。

いずれにしても、
「十能」や「火バサミ」と併せ、若い人には通じない言葉となりました。

鯖(さば)や鰯(いわし)が高級魚価格となった今では、
サンマだけが、
豊富にとれて、大衆魚の孤塁を守っている感がありますが、

コレ、案外、食べ方が少ない。

煮物や揚げ物にも、
出来ないことはないが、焼いて食べるほどには旨くない。

そう云う中、
私は、「サンマの酢漬け」が好きなんです。

三枚におろしたサンマを、
まず、海水程度の塩水にしばらく浸けて置いてから、
酢に砂糖を少し入れ、サンマを漬け込み、
あとは昆布の切れ端と鷹の爪を一つだけ放り込んでおく。

午前中に仕込んでおけば、夕食には間に合います。

このサンマを斜めに切って、
小さく握った御飯に乗せ、「握りずし風」にして食べると旨いモンです。

あくまで、「スシ風」ですから、御飯は酢メシでなくていいのです。

これに、いい日本酒なんぞが付いていれば、この世の天国。

一匹百円のサンマで天国とは、これまた、安い天国ですがネ。(笑)

  
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【竈】 かまど
1 土・石・煉瓦(れんが)などでつくった、煮炊きするための設備。
  上に釜や鍋をかけ、下で火をたく。へっつい。

【消し炭】 けし‐ずみ
1 まきや炭の火を途中で消して作った軟質の炭。
  火つきがよい。

【消し壺】 けしつぼ
 燃えさしの炭・薪などを入れ、ふたで密閉して火を消す壺。火けしつぼ

【十能】 じゅうのう
  炭火を載せて運んだり、火を掻き熾(おこ)したりするために使う、
  柄のついた器、小スコップ状の物が多い。

【火ばさみ】
 火のついた炭などをはさみ上げる金具。





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