明源寺ブログ

浄土真宗本願寺派

名人芸・・・②

2010-10-05 23:01:53 | Weblog
今日は、久しぶりに何も予定のない一日。しかし、右足の膝下にシップをあて右足を引きずっています。
昨日、員弁組同朋研修会が拙寺で開かれました。その為に、一昨日(10月3日)は法要の合間、本堂の縁(えん)を雑巾拭き。午後4時から、暗くなる午後6時過ぎまで。縁板の木目が光沢を放ち満足の行く出来栄え。しかし、頑張った事はよかったのですが右足の膝があえなくダウン。昨日の午後から、痛み出し、今日は整形外科に行くことになった。診断は、右膝が熱を持ち腫れていました。つまりは、使いすぎ。当分、治らないとの事で「お大事に」との先生の弁。何とかしてくださいよ。その為に行ったのですから・・・
一昨日(10月3日)は、樵(きこり)さんが拙寺の雑木林を引き続き伐採中でした。再び名人芸を撮影しました。その名人芸とは、ロープを巧みに使って、思うところに木を伐採する技術。
写真①は、ロープを引っ張る動力源は小型のレッカー車。奥さんが操作。レッカーの先からロープが垂れています。

写真②は、倒したい方向に少し切れ目を入れます。この桧の木は、レッカー車とは30m以上離れています。これを、巧みにロープを操り倒していくのです。

写真③は、準備OKの状態。桧の上部を見てください。ロープがかけられています。ゴーサインで、小型レッカーからロープを引っ張り出します。

写真④ロープに力が加わり、桧が次第に音もなく倒れていきます。



写真⑤見事に予定地点に倒れました。

この桧は、65年程前に亡き父親が植えたもの。本堂の工事の際には、この桧をどこかに使用せよとの話。そこで、年末からの本堂工事に備えて今回の伐採となった。父親の性格そのままにまっすぐな桧でした。桧の樹皮は、昔は屋根等に使用され非常に高級品だったそうです。

員弁組同朋研修会が開かれました

2010-10-05 12:03:09 | Weblog
昨日(10月5日)、午後2時から拙寺にて員弁組同朋研修会が開催されました。テーマは、『自死にまつわる問題にどう向き合うか』
浄土真宗本願寺派教学センター研究員の竹本了悟さん・野呂靖さんのお二人がご講師。竹本さんは、京都自死・自殺相談センター代表、野呂さんは副代表も勤めておられます。

皆さんもご承知の通り,今日本では自死・自殺が深刻な社会問題となっています。2009年で、32.845人。ここ近年、3万人を超えています。内、男性が71.5㌫を占めています。この数字は、あくまで亡くなられた人の数。未遂等を含めれば、その3倍・4倍にはなると思われます。男性の数が圧倒的に多いのも特徴。日本人は、豊かな社会をめざして走り続けてきました。そして、世界有数の豊かな大国になりました。しかし、漠然とですが、誰しもがこころの奥に不安をいだく社会になるとは想像だにしなかったのではないでしょうか。端的にいえば、誰しもが「疲れた」との根源的不安を抱かざるを得ないのが実情です。
現代日本の自死・自殺の多さは、近年の日本経済の長期低迷により、私達の生活に大きな打撃を与えている事もその原因の大きな理由の一つでありましょう。又、長寿社会のもたらす介護等疲等の様々な問題もありましょう。しかし、無縁社会といわれる現代社会の中で、誰にも相談できない孤独・寂しさ等のこころの病(やまい)等が複雑に入り混じっている事も大きな動機として見逃す事はできません。五木寛之さんは、小説『大河の一滴』のなかで、現代日本の自死・自殺の多さを「こころの内戦」の時代と表現されたことは余りにも有名です。
さて、今回の研修会、員弁組内から22名の住職・坊守の皆さんが参加です。写真は、休憩時の様子。

パワーポイントにより、ご講師は「死が目の前にちらついている程の苦悩深き人」に一体なにができるのかが話されました。「相談者の立場にたった対応とはなにか」が問題提起でした

とかく、僧侶は聞く事よりも話す事になれています。だから、端的にいえば「相手の立場にたって物事を聞く」という人が苦手な人が多いのも実情。私も、話す事は得てでも、人の話を聞くことは苦手の一人。
しかし、当日にご講師が配布された資料の中に、本願寺教学研究所発行の『あなかしこ』第3号がありました。

その巻等のページ、『先輩に聞く』のコーナーにて、葛野洋明先生が『わしの居るところが助かる場所 助かるが先に届いている』という題の文章が目に入りました。
その中で、「「浄土真宗は聴聞(ちょうもん)に極(きわ)まる。」ということです。坊さんの一番大切なことは聴聞であって、話すことではないですよ。まず住職が聴聞しなけいといけない。」との箇所がありました。このお話は、葛野先生が故桐渓和上(わじょう)から聞かれた中で、一番こころに残っている言葉だそうです。よくよく噛み締めなければならない言葉・・・・・
グループに分かれて、体験学習もさせていただきましたが、とても半日で終る内容ではありません。今後とも持続的に研修会が必要です。