明源寺ブログ

浄土真宗本願寺派

三河のあるお寺の新聞

2010-10-21 23:33:21 | Weblog
奄美で大災害が起っている。記録的な豪雨。この言葉は、地球温暖化のもたらす異常気象の影響で最近になり頻繁(ひんぱん)に登場するが、凄まじい豪雨である。自坊の裏は、急斜面の崖である。他人事では済まされない思いがある。せめて、これ以上の災害が起らない事を願うのみである。
この大災害の悲劇は、天災でありながら、その根本には人災がある。人類のエゴが地球環境を壊し、地球温暖化を急速にもたらしている悲劇的な側面がある。
一昨日、三河の本宗寺さんの新聞「いのち」第35号を、本宗寺のご門徒さんからいただいた。自坊とは違い、本格的なカラー印刷の新聞である。

この新聞記事の中で、なる程と思った記事があった。「ゴーギャンの問い」と題した、本宗寺の都路実道さんの文章の出だし。ご承知のように、ゴーギャンには非常に長い題名の大作がある。
「我々はどこから来たのか
我々は何者なのか
我々はどこに行くのか」
という作品名の大作。

誰しもが、心の奥深くに漠然(ばくぜん)と抱いている心の不安であるが故に、思わずドキリとする。そして、諸行無常の現実に愕然(がくぜん)とするが、根本的な解決を求める人は少なく、忙しさの中で不安感はいつのまにか消えてしまうのである。しかし、問題は決して解決された訳ではない。それどころか、自分本位の生活の中で限りなく欲望は増大し、結果として地球温暖化はますます進行するという悪循環をくり返す事となる。
やはり、解決には浄土門の祖師達・法然上人・親鸞聖人の言葉が参考になろう。キーワードは、「愚かな私」という自覚であろうと思います。「この自覚を」と阿弥陀様は常によびかけておられます。