明源寺ブログ

浄土真宗本願寺派

無量の光を再度・・・④

2010-10-01 08:17:25 | Weblog

上記絵図は、『ニ河白道(にがびゃくどう)』の話を絵に描いたもの。このお話は、浄土真宗の7高僧の一人である中国の善導(ぜんどう)大師が、浄土の教えを誰にでもわかりやすく説明するためにお作りいただいたお話。念仏者の、心の流れを見事に解釈された完全無欠のたとえ話として、多くの人々が、『ニ河白道(にがびゃくどう)』の話をされてきました。
親鸞聖人も、その主著である『教行信証(きょうぎょうしんしょう)』の信巻(しんかん)の大信釈(だいしんしゃく)という箇所にて、全文を引用されている程の重要なたとえ話です。

注目すべきは、この、『ニ河白道(にがびゃくどう)』の話を引用される直前に、次のような事を書いておられます。「また、一切の往生を願う人達に申し上げます。さらにいま、念仏者のために一つのたとえ話を説いて信心をまもり、もって他の教えの色々な意見に惑わされることのないようにしましょう。どのようなたとえ話であるかというと・・・・(私の現代訳)」で、次から『ニ河白道(にがびゃくどう)』の話が始まります。ですから、親鸞聖人をして、この『ニ河白道(にがびゃくどう)』の話が、いかに大切であり、信心の要(かなめ)であるとの認識をお持ちであったとうかがう事ができます。しかも、このお話は昔話ではなく、今こそ必要なお話と思うです。
善導大師は、今から1300年程前、唐(とう)帝国の最盛期の人。事実上の中国浄土教えの大成者です。釈尊の本当のお心、『南無阿弥陀仏』の意味を見事にあきらかにされた方です。

この善導大師が、『仏説観無量寿経』の解説である『散善義(さんぜんぎ)』を書かれました。この『ニ河白道(にがびゃくどう)』の話は、『散善義』の中味を更に判りやすくたとえ話にされたもの。このたとえ話の主人公は、西に向かう一人の旅人。この一人の旅人こそ、実は私達の事なのです。

さお、皆さん、人生の旅人になって、『ニ河白道(にがびゃくどう)』の話をいただきましょう。