海辺を散策していると身体に妙に馴染みな感じを体験している感覚があり
ます。 人類学で有名な学者が書いた著書「Out of Eden」によるとアフリカ
大陸で誕生したホモサピエンスはアフリカ大陸を北上してアラビヤ半島を越
えてインドからインドネシア、アジアからロシア、アラスカへ渡りアメリカ
大陸を南下してアルゼンチンまで移動して行った。
この偉大な人類移動を支えたのはビーチコーミングであったと言うのだ。
ホモサピエンスは潮の引いたことでできる海辺の道を通ることで打ち上がっ
た魚や貝類などの食料を得て、流木で焚火をおこし食べ物に火を通して食べ、
暖をとっていたと言う。この説の証拠は海辺に多くの昔の石で囲んだ火越し
跡が発見されたことに基ずく学説だ。 確かにジャングルのような道なき道
を移動するより海辺の潮の引いた道の方が移動は容易で、おまけに食料は得
られ、暖もとれるのだ。こうして15万年前から5万年前に偉大な人類移動
はビーチコーマーによってなされたのだ。