イコンのもとに


在宅介護16年が終了後、やっと自分のために生きられる。イコンも描いてます。ブログは書いたり書かなかったり、気分で。

今日描いたもの

2015年04月19日 | イコン
大アナスタシアのイコンを描こうと思って
朝から、トールペイント用のオーバルプラークの小さなの15枚に
ジェッソを塗り、全部磨いて
そのうちの4枚がこれです。



前記のアナスタシアとはまた別の4枚を
午後3時くらいに病院に来て骨描きをし、
夕方6時までにはこれまで描いているので
イコンは描き慣れてしまえば
小さなものなら短時間で描けるのです。
この板のサイズは、160x120x12(mm) です。

今日の1日で描いたもの。
8人の看護士ですね。



この次には、光背の純金箔を貼り、
背景にゴールドフィンガーを塗ります。
私の場合は背景の色が決まると、
人物の色もわかりやすいので
背景を決めてしまいます。

これらアナスタシアを描いていると
看護士さんたちが、欲しいと言ってくださり、
こんなものでもよければ,
イコンが広く認知されていくのと、
どなたかの支えになるかもしれないので
私の幸いで、喜びになります。

30年前の文化財修復に使われた樹脂系のメディウムが
現在、ボロボロと剥がれていて
全国の社寺で、
その剥がれたメディウムを
全て膠に変えるという修復作業が行われているのだそうです。

ですから、アクリルで描かれたイコンは
30年は持たないと思います。
人吉ハリストス正教会のイコノスタスはアクリル画ですから、
30年経つとパリパリ剥がれてくると思います。
文化庁のメディウムでも、30年持ちませんでしたから
白石さんの普通のリキテックスでは、30年持てばいい方だと思います。
私は白石孝子さんに油絵でイコンを描かれたらと言ったこともありますが
油絵はなかなか乾かないので、アクリルにしたのだそうです。
もう少し、修復などの知識を
勉強されたらよかったのに、と思います。

ここは日本ですから、
イタリアやギリシャのイコンの画材では
長持ちはしませんし、カビが来ます。
人吉のイコノスタスの天使の金箔を100枚以上は貼りましたが、
「イタリアの金箔はね、こんなんじゃないのよ」と度々、
白石さんに言われましたが
ここは、日本です。
イタリアではありませんね。
あの天使のイコンは、ひどい仕事でした。
金箔を貼ったときに、白石さんの都合で取り上げられていきましたから、
私は天使を描きませんでしたが、
描かなくて本当によかったと思っています。
描く能力は、イコンを必要な人のために使う方が
私の生き方としては正しいと思っています。

感情だけでイコンを描くと
こんな大失敗がありますから、
ですから「画面から聖人たちが現れてくる」という表現をしたのではないかと思います。
画家の描くイコンではあるが、
画家個人の絵ではないわけです。
そのところを理解できていないと
高額なイコンを当たり前のように売ったり、
岡山県からイコンで美術の賞が欲しいと言い出すわけです。
「私は立派な仕事をしているんだから、
岡山県から賞をもらってもいいんだから」
と白石さんは公言していました。
みな、あきれて聞いていました。
そんなことになったら、
大反対が起こるだろうと思います。

私が描いてみて思うのは
イコンって、塗り絵みたいなもので
誰でも描けるように作られている
ということ。
でなければ、こんなに長い間伝わりはしません。
特別な絵だけど、特別な人でなくても描けるということ。
そんな絵を生活の糧に変えてはならない
と、
昔の人はよくわかっていたものだと思いました。

使う画材が違うだけで、
日本画家ならイコンは難なく描けるはずです。
それを「神父の娘の私が描くんだから特別なのよ」と白石さんは言っていましたから、
今後も、特別なイコンを描かれたらいいと思います。

イコンは特別な人でなくても
家庭で誰かを想って誰でも描ける絵です。
子どもたちの塗り絵でも構わないと思います。

私も家族の回復と、
お世話になったお医者さんや看護士さんたちを想って描きたいと思います。

15人の看護士が揃うのが楽しみです。










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出てくるもの

2015年04月19日 | イコン
病室で毎日イコンを描いていると
看護士さんたちやスタッフの方々が入って来られ、
ハッ!とした顔をされます。

クリスチャンの方ばかりではないと思いますが、
私が絵を描いているという行為ではなくて、
イコンの図柄にハッ!としたものを感じているのだと思います。

お医者様方も私たちを助けてくださるのですが、
毎日、お世話してくださる看護士さんやスタッフの方々が
本当によくしてくださると思います。

入院が長びきそうですから、
小さなイコンをお渡しできたらと思います。



大アナスタシアで検索してみてください。
wikiに載っている画像からとりました。
プリントしたのではなくて、
iPhone の画面を描きたい板の大きさに合わせて
紙に写し取りました。
私はコピーペーパーであげ写しをしましたが、
トレーシングペーパーなら透けますから、すぐに写せます。
パソコンやタブレットなら、
もっと大きな画像も写しとれますね。
iPhoneやタブレットの普及は、こんなところにも影響があります。

イコンはみんなが写し描きながら伝えてきましたが、
まさか、iPhoneやタブレットみたいな電子機器から写して描けるとは
昔の画家は考えもしなかったと思います。

また、家庭でも描ける、
子どもたちでも誰でも描けるイコンの描き方を書いていきますから
時々、見てください。

iPhoneやタブレットを使うと
世界中のイコンから描きたいものを選べますね。



毎日毎日、イコンを描いていますが、
被災地がますますたいへんだと思ったことと
長引く介護生活を支えるものは
若いときに修業した絵しかないと思ったからです。

イコン画家の白石孝子さんからは
「年寄りばかりみていないで、イコンを描きなさい」と言われましたが、
年寄りをみもしないで
イコン画家にはなりたくはないと思いました。
今、年寄りの病室でイコンを描いていて、
こんな状態は、とても幸せなことだと思いました。
介護しながら、イコンや日本画が描けるわけですから。

不良クリスチャンの私のめちゃくちゃなイコンでも
クリスチャンでなくても
看護士さんやスタッフの方々のお役に立てるかもしれない。
ご自分が持ってなくても、
看護する患者さんか、
誰かにあげてくださればお役に立てるかもしれません。
ですので、病室で描くことに意味があると思って描いています。

絵を描ける幸せ。
まだ、日本は戦場でないだけマシだと思っています。
現状に満足して、次へ進まねば!

イコンは画家が描くというより
画面から現れてくる、
と言われていますが、
私は、たくさん描いていて、
その「画面から現れてくる」という意味がわかりました。

画家の様々な意思や欲望は
全く関係ないところにイコンはあります。
私が描きたいように描く、というのも
私の意思と関係なく、現れてくるといいなと思っているからです。
霊的なこととは、一切、全く関係ありません。
偶発的に描いている、無心に描く、という言い方の方が的確です。

先日のNHKの雪舟の特集でも、
全く同じ意識が取り上げられていました。
次に、その意識のことを書きます。


ちょっと考えまして、
クリスチャンでない方にもお渡しするので
十字架を持っているアナスタシアから
薬瓶に手をあてるアナスタシアに変えました。



この方がクリスチャンでない方も
受け入れやすいかもしれません。
自分で描くと、こんなことが自由にできるのはいいところです。



うん
こちらの方が抵抗感はないですね。
西洋医学の病院ではありますが、
ここは日本ですから、
いろんな考えの方がいらっしゃるから。
このアナスタシアは宗教は関係なく
看護士を守るアナスタシアとして描きたいと思います。
十字架を描くアナスタシアは、
いつか聖路加国際病院に、、、
母の母校です。

衣の色も、この4色ベースで
みな違う色にしていきます。
もっと落ち着いた色になります。



赤はマリア様の色ですから、
赤は使いません。
5色の5番目の色が赤です。
紫は茶よりの紫になります。

ナイチンゲールの娘たちの顔を思いながら描いていきます。
5月にナイチンゲールデーがあります。
それまでに渡せたらうれしいです。













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花時計