
カリファの【ゴールデンアワー】を受けて立つ事すら出来なかったサンジだったが、天からバスタブが落ちてきて、湯をかぶった為に呪縛が解けたようだった。
タイミングよくナミを助けることができた事を喜ぶサンジにナミは「バスタブが当たればよかったのに・・」と思った。

そげキングはまたも情けなくやられたこと、一味に助けられた事を情けなく思って言葉を濁したが、サンジは「命がありゃいい。誰にでも出来ることと出来ねェ事がある。二人共外を見ろよ。」と外を見る事を促した。
外を見ると、あの固く締まっていた巨大な『正義の門』が開こうとしている・・・!!
ということは・・・ルフィは間に合わなかったのか!!

「あの門が開いてロビンちゃんが通過しちまったら、その先の海はおれ達には渡れねェ海王類の巣、さらに奥には大監獄、海軍本部。直にロビンちゃんはおれ達の手の届かない場所に行っちまう!!!
状況は・・・最悪だ。最悪の事態には必ず相応のチャンスが眠ってるもんだ。
こいつの鍵はおれに任せろ、お前に出来ねェ事はおれがやる。おれに出来ねェ事をお前がやれ!!!
よく考えろ、状況を読め!!!お前がいればロビンちゃんは必ず救えるんだ!!!ウソップ!!!!行け!!!」

その瞬間はウソップは、自分が何をすべきなのかわかっておらず、ただ戸惑うだけだった。
しかし、ナミに引っ張られて行く間に「わかった!!!」と閃いた。自分がすべき事・・・、自分にしか出来ない事!!
ナミとウソップを先に行かせたサンジは、狼男と対峙した。
狼男は六式使いの中で唯一、全身に【鉄塊】をかけた防御の構えのまま、攻撃を繰り出させる【鉄塊拳法】使いである。
サンジが強烈な蹴りを入れても、その全てを【鉄塊】で防御されてしまう。
狼男は「お前の蹴りなど効かん!!」と豪語するが、その実、鉄塊の上からビリビリと蹴りの衝撃が体に響き、(何だ・・こいつの蹴りは・・?)と、今まで味わったことのない強烈な蹴りを感じていた。
ブルーノに脳震盪を起こさせた蹴りである。

サンジの繰り出す【肩ロース、腰肉、後バラ肉、腹肉、上部モモ肉、尾肉、もも肉、すね肉、そして仔牛ショット】の全てを後ずさりながらもなんとか【鉄塊】で受けきった狼男ジャブラは、ビリビリとするその腕で「お前の蹴りなど効かんと言ってお【狼牙(ろうが)】!!!」とサンジを強烈な突きの拳法で弾き飛ばした。

飛ばされて壁に激突したサンジはすぐに立ち上がり、【二級挽肉(ドゥジェムアッシ)】の強烈な蹴りで、ジャブラを蹴り飛ばして壁に激突させたが、ジャブラもまたすぐに立ち上がってくる。
立ち上がったジャブラはゆっくりと言った。
「天晴れだ・・・お前のような男をおれは待ってた・・・。助けてやってくれねェか、ロビンの奴を。黙っていたが、ロビンは昔生き別れたおれの実の妹なんだ、どうかロビンを・・」と言って手錠の鍵をサンジに投げてよこした。
サンジは驚いたが気を取り直して「よし任せろ!必ずロビンちゃんを助ける!」と鍵を拾おうと腰を屈めたところを・・・狼男ジャブラは狙ったが、サンジは「ってさんなわけ・・・ねェだ"狼牙(ろうが)"!!!!」と狼男を蹴り上げた。
騙したものだと油断していたジャブラは鉄塊をかけていなかった為、まともに蹴りをくらって天井にぶち当たって落ちた。
ウソップが何度も騙されていた為、すっかり油断していたようだが、サンジはそこまでバカじゃない。

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