巨人に遭遇したナミの悲鳴は、誰にも届かなかった。
巨人は、もう一度ナミに話しかけてきた。「酒を持っているかと聞いたんだ」
少しならあると答えると、嬉しそうに「そうか、持ってるか」と人懐こい笑顔を見せた。
その巨人「プロギー」は、近くに居たティラノザウルスと思しき恐竜の首を一撃で斬り倒し、「我こそが!!!エルバフ最強の戦士!!!プロギーだ!!!ガババババハ!!!」と雄たけびを上げたので、ナミとウソップは恐怖に卒倒した。
巨人プロギーは、酒と肉を持って、自分の家で2人をもてなしてくれたが、巨人の家の周りには人骨が散乱していて落ち着かない。ナミとウソップは、自分達も太らせた挙句に巨人に食われるのかと思うと、食欲がでなかった。ナミが勇気を振り絞って巨人に、この島のログが溜まる期間を尋ねた。「一年だ。まぁゆっくりしていけ」という巨人の回答に、2人は再び卒倒した。
一方、島の探検に出かけたルフィとビビ(とカルー)も、巨人に出くわしていた。
ルフィが大型草食恐竜に食われてしまった時、その首を斬って、助け出してくれたのが、巨人「ドリー」だった。
その巨人は「ゲギャギャギャギャ!!!活きのいい人間だな!!!久しぶりの客人だ!!!」と豪快に笑うと、「我こそがエルバフ最強の戦士!ドリーだ!!!」と名乗って、ルフィ達を家に招待した。
ルフィは巨人ドリーとすっかりうちとけ、仲良くなっていた。
「ところでおっさんは何でここに一人で住んでんだ?村とかはねェの?」というルフィの質問に、ドリーは昔を懐かしみながら、教えてくれた。
「村はグランドラインのどこかにある、"エルバフ"という戦士の村だ。だが、村には掟があり、村で争いを始めて互いに引けぬ場合、エルバフの神の裁きを受けるまで戦い続ける。エルバフの神は正しき者に加護を与え、正しい奴を生き残らせる。今、この島は、オレとある男との決闘場ってわけだ。だが、かれこれ100年決着がつかねェ!!!」と言って、また豪快にゲギャギャギャ!!!と笑った。
エルバフの巨人族は、人間の3倍生きるらしい。
100年間続き決闘にビビは、100年も殺し合いを続けるなんて意味があるのかと、争いの理由を問いただしたが、それまでぽかーんと話を聞いていたルフィが、ビビの口を塞いだ。「やめろ!!そんなんじゃねェよ」
その時、真ん中山が噴火した。決闘の合図だ。
ドリーは、古い巨大な剣と楯をを持って立ち上がった。プロギーは、すでに決闘場に来ていた。
「そう、誇りだ。理由などとうに忘れた」
彼らの、全てにおいてのスケールの大きさに圧倒されて、ルフィがパタリと倒れた。
「まいった・・・でっけェ」