長すぎる「ひとこと感想」その12。
観た後、ラストの感動とは別に、曰く言い難いモヤモヤが残ったアニメーション。(スタジオ・ジブリの作品は今回の米林宏昌監督に限らず、往々にしてこういうモヤモヤが残る気がするけれど。)
若い友人が後から独り言のように言っていた感想をわざわざメモに書き留めてあるのは、私も似たようなことを感じたからだろうか。曰く、「(いろんな要素?)全部が調和してないと感じるのは、結局演出が悪いのか・・・ハヤオさんがプロット出すなら、本人が書いて演出もしないと、結局うまくいかないってのは本当だな~。音楽も作画も背景も良かった。ただ、なぜかキャラと物語に調和してないだけ。」
私自身は元々ヤクザなところがあって、(特に子どもも対象にしている作品の場合)あんまり正面切って真面目な映画は好きになれないことが多い。このアニメーションは物語がとても真面目(と私は感じる)なので、記憶に残りにくいのだとは思うけれど、それにしてもここまで全体の印象が自分にとって薄いのはなぜなのだろう・・・と、ちょっと考えてしまった。
とにかくアリエッティの表情や動きに、作り手の愛が感じられるのは本当。このアニメーションを観て私が一番強く感じたのは、結局そのことだったかもしれない。ディズニーの『不思議の国のアリス』でもそうだったけれど、作り手(たち?)がどれほどこの少女を愛しているか、丁寧に表現して命を吹き込みたいと願っているかが、映像から直に伝わってくる。
それほどアリエッティの動きは細やかで、「定型から外れた」自由さを感じさせて、もう2次元のアニメーションを越えた、オリジナルな「小さな生きもの」という感じがする。でも・・・そのことがかえって全体の調和を乱すのかもしれないとも思う。(という風に、いちいち心が揺れる。そして・・・「モヤモヤ」自体は上手く説明出来ない。)
それでも最後、アリエッティと少年の別れのシーンは強く印象に残っているので、私としてはもうそれですべて良しにしてしまうけれど、それでも今こうして振り返って、もうちょっと自分なりの愛着が持てたらいいのに・・・と思うのはゼイタクなのだろうか。この作品に限らず、スタジオ・ジブリのアニメーションは「背景」があまりに美しいので、それ以外の要素が相応の質で出来上がっていないと、どうしても文句を言いたくなるのかもしれないけれど。(監督さ~ん、ケチつけてゴメンナサーイ。次なる作品待ってますからね~。)
いいですね~。内容の深い所まで行けるというか、やっぱり人と話すっていうのは大事なことなんでしょうね。
私は「内容」にはあまり立ち入らないままになってしまいました。
>借りなしの人生はあり得ない・・・
謙虚で、深い言葉ですね。
いつだったか、お茶屋さんが「借りはすぐさま返してはいけないということを教えられる機会があって、それまでの自分はなるべく早く返すようにしていたけれど、それが間違っていたと思った。」といった意味のことを書いておられたのを思い出しました。
もう少し私も作品の内容・テーマに眼を向けられたらいいんですが、なぜかヘンな所にばっかりひっかかってます(笑)
借りなしの人生はあり得ないってことで。
そしたら、さっそく職場で借りを作ってしまい、更に『借りぐらし』が印象深いものになりました。