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マクロビオティックな歯医者さんの食と暮らし                   食養塾 無何有庵の日々

無(む)と空(くう)の癒しの時間の中で、心食動息の一つ一つを共に考えていきたいマクロビオティックなスペース。

自然医食フォーラム通信連載より

2006年07月17日 23時26分48秒 | 心食動息の医療現場を目指して

パーキンソン病克服大作戦

Sさん(78歳)は10年ほど前からパーキンソン病に罹り、歯科治療には奥様がタクシーに乗せて抱えるようにしてご来院なさっておられました。以前お元気でいらっしゃる時は、とてもよくお話をされ楽しい方でした。しかし、病気はそんな素敵なSさんの笑顔をも奪い年々体を動かす事もままならなくなりました。

2004年に入って、Sさんの病状はますます悪化しついに寝たきりとなってしまいました。歯科治療が中断したまま2、3ヶ月が過ぎましたので口腔内の点検のため往診を致しました。口腔内の問題もさることながら、やはり病状の悪化には目を伏せたくなるものがありました。何よりも、高齢となった奥様の介護姿は気の毒としか言いようがありません。身の回りのお世話から食事まで全介助です。よく見ると奥様の手は細かく振るえが起きており、ご主人のSさんの後を追っかけているようでした。

当院で自律神経免疫療法を導入し始めたのは2003年でした。Sさんのパーキンソン病も自律神経の乱れを整えれば改善が見られるのではと考えた私たちは、外部スタッフの鍼灸マッサージ師の大田先生と薬剤師で漢方にも詳しい大西先生とチームを組み、免疫療法の実施と服用中の薬の見直しを実施致しました。

自律神経免疫療法を週2回、往診にて行い始めると目に見えてお元気になって行くSさんの姿がありました。薬も漢方に置き換えられるところは漢方に、減らして行けるところは減らし、薬の量もうんと少なくする事ができました。うつろだった目に力がつき、全く無表情で無言だったのが少しの会話が出来るようになったのです。しかも驚く事にひと月経った頃には、もう一度来院できるまでに回復したのです。

 玄米ご飯は数年前から実施されておりましたが、骨粗鬆症予防に牛乳は欠かさず、肉や魚もたんぱく質が必要と頑として菜食に反対の姿勢をとられていた奥様も、Sさんの病状の変化にやっと私たちの言っていることにウソがないと判断されたようで、少しづつ食事の改善も始まりました。奥様の貧血と冷え性は、梅醤番茶と豆味噌の味噌汁を実行する事でひと月かからずに改善され、ますます食の大切さを実感されたようでした。

 現在、毎週木曜日にSさんご夫婦はご来院なさります。Sさんが診療台の上で背中を伸ばすストレッチをしている間、奥様は丹田呼吸法をされ、Sさんの呼吸法やパタカラ(口の周りの筋肉を鍛える装置)、手足の運動が済むとお二人とも自律神経免疫療法を受けタクシーで帰られます。Sさんはソックスが自分ではけるようになったりコートに手を通す事がができるようになったり、調子のいいときはおしゃべりもたくさんできるようになりました。このことは、木曜日に参加されているほかの皆さん(皆さん元気で明るいのですが本当は重病を抱えている方ばかりです)に大きな励みとなっています。

 最後の最後まで諦めない、それが私たちの信条。心食道息の医療現場では様々な不思議が起き始めています。

むすび誌連載より(その8)

2006年07月17日 23時12分46秒 | 院長のブログ <歯医者さんの健康常備学>
18歳から結婚まで。
親が出来る、最後の仕上げ磨きです。

 高校を卒業すると多くの子供達は進学、就職で一人暮らしが始まります。当医院では「一人暮らしを始める人のために」という2時間の指導コースがあります。内容は、とにかく毎日ご飯(玄米)を炊く、おかずは味噌汁だけでよい。と、いたって簡単です。昨年3月にこのコースを受講したお嬢さんがいました。お母さんの予想では「あの子は絶対せんわ」だったのですが、同居している兄の分まできちっとご飯を作っているそうです。おまけにその夏帰郷した際私が「アトピーの調子はどう?」と尋ねると彼女の返事は指でVサイン「イェイ!!」でした。
 高校の卒業生には学校の勉強よりも大切な事がある、それは自分の身体を護る知恵、正しい食事の仕方を学び実践すること、と話します。一人暮らしはそういう意味で大切な体験の場です。面倒だからと外食に頼ると一人暮らしの間に歯も身体も精神もぼろぼろになります。一番早くお口の病気が発現しますから、身体の異変のサインを見逃さないで下さい。虫歯が発生していないか、歯ぐきの状態は良いか、で、食生活の良し悪しが簡単にわかります。帰省時に定期点検を受けさせ生活チェックをしてください。受診は親が言っても聞きませんから、かかりつけの歯科の担当衛生士から直接本人に電話を入れさせる(携帯に)と上手くいきます。
この時期親知らずが生える頃です。生える時親知らずの周りの歯肉炎を起こしやすいですが、真直ぐはえている限り抜かない方が良いです。妊娠前より中高生まで(本誌1~7月号参照)上手く子育てが出来れば親知らずは真直ぐ生えるはずです。
また外食が出来るほど生活費を渡さないことも大事です。食費を抑え現物支給(玄米)を届けるのも有効です。生活費がなくなっても米水塩さえあれば生きていけることを体験させます。だって神棚の上に供えるのは米水塩。大切な食べ物が何かに気付きます。更にアルバイトはあまり感心しません。自炊の時間優先です。裕福にもなり必然的に外食になります。就職している子も同様です。夜遅い時間まで仕事はダメです。知り合いの息子は外食産業に就職し深夜まで仕事、食事は勤務先のまかない物、わずか半年あまりで生を終えました。22歳でした。
最後に、一人暮らしはある意味寂しく、彼氏彼女を求めるのも当然かと思います。しかし子作りは別問題です。本年2月号を参照してください。子作りは最高の条件で!真剣に!子供に対して責任を持って!と教えて下さい。子育て最後の仕上げ磨き、歯も身体も心もピカピカの人間に磨き上げてください。