マクロビオティックな歯医者さんの食と暮らし                   食養塾 無何有庵の日々

無(む)と空(くう)の癒しの時間の中で、心食動息の一つ一つを共に考えていきたいマクロビオティックなスペース。

2月18日(木)歯周病の講演会を行います

2016年02月12日 13時31分55秒 | スタッフのブログ
歯科衛生士の今川さえです。
来週、松見歯科診療所にて歯周病の講演会を行います。

2月18日(木)
11時~14時
演題:健康寿命を長くする歯周病の治療
   健口維持方法
演者:NPO日本歯周病学会認定歯科衛生士今川さえ
場所:松見歯科診療所内無何有庵
費用:無料

お昼は玄米ごはん付きです。
ごはんの準備の都合がありますので、参加ご希望の方は事前にお申し込みください。

なかなか聞けない歯周病のこと
歯周病検査、してもらってもどう読めばいいのか?
歯周病を全身疾患との関係
現代人が抱える歯周病のリスク
改善方法から、受けてほしくない治療まで
事細かくお話いたします。

歯周病って何だろう?
って方から、今受けている治療はいいのかな?
と疑問をお持ちの方も!
是非ご参加ください。

糖尿病専門の先生からみた、歯科衛生士の役割を勉強してきました

2016年02月09日 09時40分29秒 | スタッフのブログ
歯科衛生士の今川さえです。

2月7日(日)は、
『糖尿病専門医が語る歯科衛生士の役割』
の勉強会に参加しました。
講師の先生は糖尿病内科専門医の西田亙先生です。
西田先生は、次に生まれ変わるなら、糖尿病の知識は持ったままで、歯科衛生士になりたいとおっしゃるほど、歯科衛生士の役割を買ってくださっています。

≪以下勉強会概要≫
・歯を守ることは、命に直結していないが、人間としての生活を守ること
・現在歯周病患者数8000万人
(全人口の3分の2)
糖尿病患者数2000万人
→なぜ今まで発症を防ぐことが出来ず、患者数が増加したのか?
・1型糖尿病の20代女性
血糖コントロール不良・投薬されたインスリンを打ったり打たなかったり、不規則な自己管理
肺炎で緊急搬送された
肺化膿症の所見
歯周炎・う蝕あり
肺化膿症の発症要因
1、誤嚥
2、血行性播種
3、隣接感染臓器からの波及
所見より、口腔内の疾患から感染が原因
・71歳女性
→糖尿病があり、血糖コントロール良好下で、左人工関節再置換手術
施術後、血糖値が不安定に
炎症反応が増し、敗血症性骨髄炎発症(生死に関わる状態)
口腔内を確認すると、11年前インプラント
現在インプラント周囲炎発症
全インプラント抜去後、再度同じ術式で左人工関節再置換手術施術
血糖も炎症反応も問題なく退院
・食改善・運動も行っているのに、血糖コントロールがうまくいかないのは、身体が悪いのではなく、歯肉の状態が悪いことがある
・日本医師会も厚生労働省も口腔感染症を視野に入れた活動をしている
・一人の透析費用は、月50万円年間600万円
100人透析した人がいたら、自治体で6億円の負担
自治体を圧迫する金額
・日本歯科医師会は、全身疾患を踏まえた口腔ケアの重要性をアピールしていない
・非管理群(看護師さんが患者さんの口腔ケアを行っている群)と管理群(歯科衛生士が口腔ケアを行っている群)の、入院期間を比べると、圧倒的に管理群(歯科衛生士がケアを行っている群)が入院日数が短い
→悪性リンパ腫を例に取ると、非管理群は4ヶ月に対し、管理群は2ヶ月
口腔疾患から感染を起こすため、炎症反応が生じて入院日数が増える
歯科衛生士がプロケアをすれば、その感染が減るために、入院期間が減少する
・動物園の動物は歯周炎や虫歯になる
・モンゴル遊牧民は歯磨きをしないが、日常的にかたいもの、かめるものを食べているため、優美な歯列を持つ
・軟食となった現代では、定期的な専門的歯周ケアと日常的口腔ケアが必須
・災害時は食生活が破綻する
→自衛隊の炊き出しがある地域は、ご飯やお汁物があったりして、食生活が充実
炊き出しがないところは、パンやおにぎりだけだったり、食事を抜くこともある
・被災1ヶ月後の小学校の給食も牛乳とパンばかりでミネラル群が圧倒的に不足する
→栄養失調状態が1ヶ月以上続く
食生活の破綻と共に口腔環境も悪化する
しかし、この事実はマスコミも報じていない
・被災地で配給される、ミネラル群が圧倒的に不足する食事を、日常的に行っているのが現代の若者
・震災後には肺炎が増加する
→気仙沼市では震災後肺炎で225名入院、うち52名死亡(4分の1死亡)
震災後に肺炎が激増
→高齢者施設で、125名中5名が肺炎を発症し、入院後全員死亡
→現代では肺炎でなくなることはほとんどないため、震災後肺炎は大変な問題
→2011年3月11日東日本大震災で震災後肺炎がはじめて明かになった
・肺炎の原因は、粉塵吸引ではなく、高齢者の誤嚥性肺炎
・介護施設が最も高い死亡率(45%)
・震災5年前から、専門的口腔ケアがなされていた高齢者施設では、震災後肺炎が発症しなかった
・しかし、被災後は、介護する側も被災者
→被災後に介護人数も増えた状態で、どこまでケアが出来るかは課題がある
・震災後肺炎による二次的震災死は日本特有の高齢社会の特徴
→スマトラ沖地震では震災後肺炎は皆無
・非常用持ち出し品には、家族分の歯ブラシを用意しよう
・緊急連絡先は、かかりつけ歯科医院を必ず記入しよう
・口は命の入り口
心の出口
病の通り道
明日の入り口
・2型糖尿病の本態は脂肪細胞の慢性炎症
・歯周病の本態は細菌感染による慢性炎症
・歯周病治療をすることで、12日後にはインスリンが不要になった症例もある
→インスリン投薬は月に25,400円
内服薬なら月に582円
HbA1c10、0%から7、4%に現象(入院しても1%下がる程度)
・口腔状態に異常があると、味覚障害が出る
→味の濃いもの・甘いものを食べるようになる
・糖尿病の全段階、糖代謝異常には歯科だけがアプローチできる
→糖尿病専門医は、糖尿病になってからしか患者さんを拝見出来ない
歯科はどのステージの方も、患者さんが来院される
・小学4年生の1割以上は糖尿病予備軍
・小学校の給食がやわらかくて飲み込めるような食事になっている
→筋力を使わないので、表情筋がかたく、『あ』と、お口をしっかり開けられない
吹き戻しが吹けない
風船が膨らませられない
誕生日ケーキのロウソクが消せない
・唾液が出なくなってる
→唾液が出ないので、味蕾(味を感じる器官)まで、食物と唾液が混ざったものが流れない
そのため、味覚障害のある子供が2割

私は、NPO日本歯周病学会認定歯科衛生士です。
歯周病でお悩みの方が、ずっとご自身の歯で食事が出来ますように。
一人でも多く口元に自信が持てますように。
そう思ってこの資格を取りましたが、もっと色々な方のお力になれる役割があると改めて感じました。