マクロビオティックな歯医者さんの食と暮らし                   食養塾 無何有庵の日々

無(む)と空(くう)の癒しの時間の中で、心食動息の一つ一つを共に考えていきたいマクロビオティックなスペース。

ナマコと進化

2020年03月19日 13時25分06秒 | いただきますの法則
先日、瀬戸大橋が通る島にご実家がある患者さまから、たくさんの海の幸を頂きました。
春の恵みの若芽、今シーズンは外食でもしなければもう食べられないとあきらめていた「ナマコ」も(⋈◍>◡<◍)。✧♡
近頃はスーパーも魚屋さんでも、生きたナマコを手に入れることが難しくなりました。
料れる方がいなくなったことが原因と思いますが、ナマコは活き作りでないと美味しくありません。
自分好みの口当たり。固すぎず、柔らかすぎず…。
これは料るときのちょっとしたコツがあります。生きているからこそできるコツ。
ナマコは、ギューッと緊張した状態で切ると固くて食べられません。
ナマコの状態を一番いい状態にして、料るのです。
こうして、活き作りで料ったナマコは薫りもよく本当に美味しいのです。

たくさん頂きましたので、スタッフのかずちゃん、ご近所さん、着付けのお師匠さまにもおすそ分けして
ありがたく頂きました。

さて、ナマコは無脊椎動物の一種です。
口から肛門までの消化器官を筋肉が覆った原始の形です。
形態学で内臓系といわれるイノチのカタチです。
進化の過程で、脊椎や尾ひれ、頭…内臓系を保護しより活動できるように体壁系という機能を持ち、
魚類、両生類、爬虫類、鳥類、ほ乳類、猿類と経て、イノチのカタチは私たちの形態にたどり着きました。
私たちのカラダの中にもこのナマコのようなイノチのカタチが残っていますから、
ナマコを食べるということは共食いといえば共食いですが、
それは進化の記憶の遠い向こうに誕生したカタチ。
肉食である牛や豚を頂くことよりも植物を頂くことに、より近い感覚です。
何より、動物なのにサポニンを持っているのです。

それにしても、ナマコを食してみようと思った先人に脱帽です。
割烹を営んでいた母を見て育ったので、私はナマコを料ることができますが、
このグロテスクな生き物を触れない方が多くなっているのも、わかる気はいたします。
私は、美味しそうって思えますけど(笑)
ちなみに、姉はいつも母に料ってもらっていたから捌けないと、おすそ分けを丁寧にお断りされました。
姉妹でも、いろいろ。多様性の時代です。



ナマコの締まり具合が美味しさの決め手です。


このわたは珍味。


酢醤油、大根おろし、七味で和えます。

ちなみに、その昔、ナマコは「こ」と呼ばれていたのだそうです。
生の「こ」だからナマコ
「こ」のはらわただから、このわた。
なるほどです。


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