(裏)長男の荷物

それどこで買ったの?いくらしたの?Where did you get It? How much was It done?

Suzanne Vega Tales From the Realm of the Queen of Pentacles

2014年04月22日 21時15分26秒 | no music no life
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Suzanne Vaga スザンヌ・ベガの7年ぶりのアルバムです。
ジャケットのSuzanne姉さん、少し怖い。昔は可愛かった。
その前に、スザンヌ・ベガの1987年のアルバムSolitude Standing にLuka という曲が入っています。わかりやすいメロディラインでポップなテンポで素朴な明るい曲です。アコースティックギターが印象的ですね。80'sらしい曲です。

詩は以下の通りです。

My name is Luka
I live on the second floor
I live upstairs from you
Yes I think you've seen me before

If you hear something late at night
Some kind of trouble. some kind of fight
Just don't ask me what it was
Just don't ask me what it was
Just don't ask me what it was

I think it's because I'm clumsy
I try not to talk too loud
Maybe it's because I'm crazy
I try not to act too proud

They only hit until you cry
After that you don't ask why
You just don't argue anymore
You just don't argue anymore
You just don't argue anymore

Yes I think I'm okay
I walked into the door again
Well, if you ask that's what I'll say
And it's not your business anyway
I guess I'd like to be alone
With nothing broken, nothing thrown

Just don't ask me how I am

My name is Luka
I live on the second floor
I live upstairs from you
Yes I think you've seen me before

If you hear something late at night
Some kind of trouble, some kind of fight
Just don't ask me what it was
Just don't ask me what it was
Just don't ask me what it was

And they only hit until you cry
After that, you don't ask why
You just don't argue anymore
You just don't argue anymore
You just don't argue anymore

著作権とやらがあるので全文載せちゃっていいのかな。構わない。訳してみました。Luka が男の子か女の子かわからない。PVには男の子が出てくるので男の子なのでしょう。

僕の名前はルカ
僕は2階で君の上の階に住んでる
君にはきっと会ったことあるよ
もし、真夜中に何か大きな音が聞こえても
(なんでもないんだ)
僕に何かあったなんて聞かないで

僕はダメな子供だからなんだと思う
あんまりおおきな声で話をしないようにしなきゃ
僕は変だから
たぶん、だからかもしれない
あまり目立つのは止めなきゃ
・・・・  

詩は幼児虐待を書いたものです。凄く悲しい歌です。ポップなメロディが、さらに曲を悲しくさせる。1980年代当時、日本でも当然話題を呼びました。幼児虐待と言う言葉は一般化しつつあったものの、アメリカの、違う国のことのように思われていました。まだ日本は文化的後進国でした。日本では、2000年にようやく「児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)」が制定されました。しかしながら幼児虐待は潜在的に存在していたはずで、今でも毎日、幼児虐待について報道を見ない日はないのですから。何も進んでいない。何も解決されていない。
幼児虐待の原因として、しつけ、配偶者の暴力性、望まない妊娠、経済的困窮などあげられるが、どれ一つとっても何ら虐待への正当性として認められない。せいぜい、きっかけに過ぎない。都合のいい、言い訳です。
この歌は幼児虐待の本質的なもの、根深いものを歌っています。幼児虐待の残酷なところは、虐待される子供が、虐待の原因が自分にあるのではないかと思っていること。子供ですから、当然、生存について、親に、大人に依存しているわけですから、親、大人は絶対的な存在です。その状況下で虐待を受ける子供たちは親を恨むわけではなく、自分を責めるわけです。歌詞の通り、「僕はダメな子なんだ」、「僕は変な子なんだ」。何という悲しいことだろう。
児童憲章には”人”として尊ばれる。社会の一員として重んぜられる。よい環境の中で育てられる。と書かれています(憲章制定は5月5日)。当たり前のことが書いてありますが、世の中にはそれらを保障されない子供が何人いることか。

前置きが長くなりました。つい、怒りに任せてキーを打ってしまいました。音楽の話です。このニューアルバムTales From the Realm of the Queen of Pentacles にSong Of the Stoic という曲が収められています。
詩は以下の通りです。著作権はもういいです。

I am a man
I’ve been working all my days
This is my accounting
Of my means and of my ways

More years are behind me now
Than years that are ahead
Looking back I feel
This is my story to be said.

I faced my father down
Inside the hallway of our home
18 years of pain
Upon my body to the bone

Demons lived inside of him
They forced him to the act
The layers of the bruises
To my body was the fact.

Ooooh

I grew and went into the world
I learned to know it’s code
Of spoken and unspoken
And I learned to love the road

I shoulder every burden like
A mule with a heavy pack
Every coin I earn is another
Knot within my back.

Ooooh

Ecstasy and pleasure come
At much too great a cost
I keep myself upon the earth
But measure what I’ve lost

Winged things they brush against me
Never mine to hold
I keep my eyes upon the ground
And carry on as old.

I met a woman
She had the gifted touch
Her hands were wise with healing
And with wonder and all such

As the fates would have it
Each to others we are wed
We confine ourselves to friendship
And we stay out of the bed.

Oooh

Now I turn around to face
The specter of my age
My soul it fights my body
Like a bird will fight its cage.

I see that last horizon
I hope it brings me peace
I look forward to the day
At last my body knows release.

全文を訳したいのですが、私の英語力ではこの曲のメッセージが飛んでしまう。

私のこれからの人生より、過去に背負った人生の方が長い
私はそれを感じて振り返ってみる
体と骨への痛み、あざ、それが18年間の事実、これが私の物語である

Luka の話は終わっていませんでした。彼は18年間暴力を受け続けた。骨まで達するかのような痛みは、あざとなって、記憶となって彼の体に残っている。
しかし、救いがありました、癒してくれる女性と巡り合い結婚したこと。
彼の過去は忌まわしい亡霊のように付きまとうけど、彼は強くそれに立ち向かい、いつの日かその忌まわしい傷から解き放たれることを信じて。
救いがある結末でよかった。Luka は強い大人になっていた。人を愛することができる。愛することができるのは、人として重要なことだと思います。人として最も、「人」らしいことだと思います。

ごめんなさい。曲としては単調で重く、好みではありませんでした。エンディングにかけてのコーラスと、ストリングスに希望みたいな明るさを感じました。ライナーノーツを読んだら豪勢なメンバーで作ったそうな、このアルバム。でも、豪勢なメンバーを出さなきゃ購買欲が出ないということかな。Luka に興味がある人は聞けばいいと思う。

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偶然にも今日4月22日は正教会で聖人Luka を祝福する日だそうです。世界中の子供たちが祝福されますように。

付記
音楽の話。Solitude Standing にTom's Diner という曲が収められています。これが世界で初めてmp3 で配信された曲だそうです。携帯音楽プレイヤー時代の幕開けを飾った曲です。日本でCMにも使われました。くちずさんでしまう面白い曲です。ネット配信が世界の音楽事業・業界を大きく変えることを当時は誰も考えませんでした。

オフィシャルのPVは見つかりませんでした。こちらはVega に無断でリミックスされ本人の激怒を買ったPVです。Officialと書いてあるけど。


The Secret Life of Walter Mitty

2014年04月20日 13時36分11秒 | 映画
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邦題「LIFE!」
ベン・スッティラー主演・監督によるロマンティック・コメディ・アドベンチャー。この2行でイヤな予感が。
『LIFE』はご存知の通り、アメリカで発行されていた雑誌です。wiki から引用させてもらうと、文章記事よりも写真を中心に報道・言論を構成しようとし、カメラマンをスタッフという専属的な所属とし、撮影から記事・レイアウト等の編集のスタイルを一貫させ、「フォト・エッセイ」と称した。あのロバート・キャパもライフ誌の写真を撮ったことも。

ウォルター・ミティーは『LIFE』編集部のネガフィルム管理部門で真面目に働きながらも、地味で平凡な人生を送る冴えない男、空想がちな男でもある(The Secret Life という原題もここから来ているのではないかな。1947年制作同名映画のリメイク。設定は似ているけどエンディングが異なる)。ある日、ミティーが出社すると突然『LIFE』の廃刊を言い渡される。最後の表紙を飾るのは写真家ショーン(ショーン・ペン。渋くなった)の写真なのだが見当たらない。ミティーは社を飛び出し、ショーンを探す冒険の旅に出る。

まあ、こんな感じのストーリー。スーツケースを持ったサラリーマンが冒険する話だけど、何か大活躍するわけではない。ついつい、そんなところに期待させてしまうが、劇中ではそんなエピソードが小さなカットで入っているだけで、期待値との乖離が大きい。それをやり過ぎると、多民族・文化をバカにすることになると言うことでしょうが。。
それほど面白くはなかった。体調のせいかな。体調で映画の評価が変わるのはいかがなものかと思いますが。
あと違和感があったのは、吹き替えのナイナイ岡村隆史の関西弁ちゃうかな。あれはないんと思うんよ。

ついでにネタバレしておくと、ショーンはミティーの仕事に敬意のつもりで、ミティーの実家に財布を渡すようにと預けておいた(財布に敬意云々と刻印してあったけど忘れた)。ミティーはパキスタンの山中でゴーストキャット雪豹を撮るショーンを見つける(見つけられる)。ネガフィルムは財布に入っていると。捨てたと思っていた財布はミティーの母が大事に持っていた。発行された最終刊の表紙には、ミティーの姿と
FINAL ISSUE
Dedicated to the people who made it.
と記してあった。
バックパッカーが亡くなった父の夢であったり、母(シャーリー・マクレーン。こんなところで見られとは)の愛があったり、恋するシングルマザーの後押しがあったり、伏線が張り巡らされてありますが、『LIFE』誌自体のバックボーン
「世界を見よう、危険でも立ち向かおう。それが人生の目的だから」
を知らないと面白くないんじゃないかな。そういう私も『LIFE』誌の名前だけしか知りません。
『LIFE』誌は2007年に休刊になっています。
さあ、ミティー、次は職探しだ。

正直に言ってしまうと、予告編見ておけば十分です。何か感動的な映画に思えるのはJosé GonzálezのStep Outという曲の力だと思う。


何か文章にキレが無いなぁ。

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David Bowieの曲も入っています。買いですよ。



ARGO

2014年04月19日 23時11分59秒 | 映画
「必ず全員を脱出させる。」
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2012年のアメリカ映画である。ベン・アフレック監督・主演でアカデミー作品賞を獲っています。

1979年イランでイスラム革命が起こり、現イランに至っているわけですが、時の国王パーレビはアメリカや欧米諸国から支援を受け私服を肥やし、また秘密警察を組織し民衆の反感を買っていたようである。悪い王様によくある話です。そんな王様がアメリカに亡命したため、暴徒化した学生がアメリカ大使館を占拠した話です。1979年から1980年に起こったイランアメリカ大使館人質事件での出来事を描いている。そんな中、領事館に居た6名がカナダ大使公邸に逃げ込むことができた。残りの大使館員は拘束された(余談だが、カーター大統領が1980年に人質救出作戦を行ったが見事に失敗し、世界に赤っ恥を晒した)。この、領事館に居た6名の救出作戦です。

余談ですが、ブラックホーク・ダウン、ハート・ロッカー、ゼロ・ダーク・サーティと見ましたが、どうもしっくりこない。賞を獲ったりもしている。日本人視点だからだろうか。面白くない理由は、いずれの映画も、「救い」が無いから(「救いようのないバカ」で使われている、”救い”と同義語と思ってください)。アメリカ人にとっては自虐的意味があるのだろうけど、日本人にとっては知ったことではない。人が死ぬのはいけないことだが。そういった思い込みがあって、この映画を敬遠していました。

救出作戦の案として残ったのが、自転車をこがせて陸路を脱出させるか。自転車作戦は自転車に乗れない人質がいたらどうする?で廃案。そして偽SF映画をでっちあげ、撮影クルーとして脱出させるか。さんざん検討された。つまり、
誰も責任を取りたくないのである。
「やるしかないだろう。」
「やれるのか?」
「やらないか。」
「やるしかないだろう。CIA長官に話を付けろ。」
「やるぞ。準備だ。ハリウッドのプロデューサーと脚本家を連れてこい。題名はARGOだ。」
「やるぞ。イランに乗り込むぞ。国務長官の許可取るぞ。」
「国務長官が電話に出ない?子供の生徒会名簿を使って呼び出せ。」
「中止だ。」
「中止?」
イラン革命防衛隊はシュレッダーにかけられ出たゴミを、子供を動員してつなぎ合わせるという途方もない方法で大使館員を割り出そうとする。
空港に到着するが、乗客予約リストに名前が無い。
「続行だ、大統領を呼び出せ。」
革命防衛隊が迫る中、既の所で、スイス・エアが離陸。アナウンス「イラン上空を抜けましたので、これよりアルコールを提供します。」
思わず心の中で声が出てしまった。生きて出られて良かった。
「やったぞ、成功したぞ。Ass yourself, ARGO!」
「乾杯。Ass yourself, ARGO!」

上手い脚本の一流のサスペンス。久しぶりに力が入って、感動させられた映画でした。
決断する男はかっこいい
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このARGOの予告編にはAerosmith の Dream On が使われていますが劇中ではかかりません。1973年の曲で、まだスティーブン・タイラーが澄んだ声してます。Joe Perryのギターもたどたどしい。いい曲なので聴いてみてください。最近、多いです、予告編にいい曲付ける映画が。販促の反則です。


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映画の冒頭、クレジットされる「革命の後には粛清が待っている」・・イヤな言葉である。

追記
たぶん関係ないと思いますが1963年にJason and the Argonauts 『アルゴ探検隊の大冒険』という映画が公開されています。砂漠とかそういったところが舞台。Argonautai アルゴナウタイとはギリシア神話の長編叙事詩に登場する英雄たちの総称。イアーソーンに率いられて巨大なアルゴー船で数々の航海をする。アルゴナウタイは複数形で、「アルゴーの船員」を意味するアルゴナウテースが単数形である。映画に詳しい方ならカクカク動く骸骨戦士をご存知でしょう。ダイナメーションと呼ばれる手法で撮影されたもので、これは俳優の演技をスクリーン・プロセスでコマ送りで投影しながらそれに合わせて人形を動かすもの。
Argonauts.jpg
リボルテックが出てるって
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2014-04-18

2014年04月18日 18時00分00秒 | お話
泣いて帰ってきた。通帳から、保険証から、戸籍から全て名前が消えていく。まるで存在していなかったように、何もかも消えていく。生きていた証しが消されていく。それが、とっても辛いらしい。
残された者には、何も残らない。それを分かっていて、それを補うために私がそばに居るつもりだった。それが私の仕事だと。

辛い思いをさせて、ごめんよ、母さん。そして、ごめんね、父さん。


でもね、ありがとうとは言わない。私の体はあなたから作られ、あなたの血は私の体を流れ、私は体を動かし、考え、言葉を伝え、祈る。鏡で自分の顔を見る時、あなたの面影を探し「元気か?」と、まるであなたが私に話しかけるように私は呟く、少し微笑んでね。今も、これからもあなたと生きていく。
そして私が死ぬときになったら、「父さん、ありがとう、お疲れ様」と言おう。