わいるどぴっぐの猪突猛進

いつも疑問に思うことを書いていきます。

NHKから国民を守る党の研究

2020-04-09 16:17:35 | 書評
NHKから国民を守る党の研究
えらいてんちょう(矢内東紀)(KKベストセラーズ)

NHKから国民を守る党と戦っている(?)矢内さんの本です。ずっと気になっていました。なるほどなあと思う内容です。筆者の矢内さんは、もともと慶応大学経済学部を卒業後。リサイクルショップを開きながら、生活保護申請のお手伝いなどしていきます。しかし生活保護申請をする人の実体としては、お金の使い方のおかしいひとばかりがいるなと感じてきたとあります。
「貧困は社会のせいだ!」と信じて、生活保護申請随行のボランティアをしたら、クズばっかりだった話

矢内さんは発達障害を自認しており、衆議院議員選挙に立候補すると言われています。
しょぼい政党

しょぼいという聞こえが悪いですが、矢内さんの言いたいことは、片意地貼らずにできることをしていこうというように感じています。

矢内さんはN国党自体に批判的ではあるものの、N国党について調べて本を書いています。
本によると、立花さんは以下の経歴になります。
2005年 NHK退職
2012年 立花孝志ひとり放送局開始
2013年9月 大阪府摂津市議会議員立候補 落選
2014年2月 東京都町田市議会議員立候補 落選
2015年4月 千葉県船橋市議会議員立候補 当選 です。

選挙を一度経験した上で、いけると思ってどんどん出ているのかもしれません。
2011年には動画投稿を開始しているので、はじめ社長という人気ユーチューバー(2012年3月)よりも開始が早いとしています。ユーチューブの再生回数が1日平均3000回を超えたのが2012年4月としており、そのころには何をすると再生回数があがるかを知っていたのかもしれません。

N国党というと2019年柏市議選にてヤジをした私人を公職選挙法違反として逮捕しています。このことが有名ですが、立花さんはそうそう簡単に検察に起訴されないことをどこかで悟ったのかもしれません。それゆえ取締のないルールはファールとは認定されないサッカーのようなものと感じて、アンパイアにファールされない限りはやりつづけることを学んだのかもしれません。

矢内さんの分析でなるほどと思ったのがれいわ新鮮組との比較です。
<類似点>
・どちらも党運営が独裁的である。
・ユーチューブ、SNSを活用して、寄付金やボランティアを集めている。
N国党は地方選挙を重視している。一方で支持者との交流は重視しておらず、ポスター貼りや電話番などのボランティアについても「やらない人間には公認を与えない」というように飴と鞭を採用している。
れいわは国政選挙を重視している。れいわ新鮮組は市議会議員選挙にはほぼ立候補者を擁立していない。一方、地回りをして支持者と交流することを重視している。支持者に役割を与える。ポスター、ポスティング。山本が涙を流しながら支持を訴えるなど、支持者ひとりひとりの自尊心をくすぐる、承認欲求をくすぐる。寄付を募るのも「あなたの力」を必要としているというメッセージになる。
(略)
選挙でヤジを飛ばされた際に、N国党は「嘘つき」といわれただけで執拗に集団で追いかけまわし不法な「私人逮捕」をする。一方、山本は「クソ左翼死ね」というヤジを受けた際に「ありがとうございます。クソ左翼死ねというお言葉をいただきました。ありがとうございます。死にたくなる世の中を変えたいために私は立候補しているんだ。みんなに生きていただきたい」と返しており、そもそもの度量が違う(p.99-101)

N国党はウエブ上ネットワークでつながっているので、集団としてのやりがいや達成感でつながっているわけではないことを書いているのだと思います。つまりN国にかかわるメリットがある人が関わっているだけであり、契約的ということなのかもしれません。

立花さん自身はNHK会長宅に夜訪れる動画を出しているなどして、個人的なアプローチが多い。それを真似する支援者も多いため、反対勢力への言論封殺をしているという趣旨の記載があります。これは威嚇ともいえるわけですが、その行為そのものによって刑事罰になることもないでしょうから、今後もこの手法は続くと思います。

でも自分のお家が突撃されてもいいのでしょうか。
突撃されてもいいと思っているので、自分の住所をさらさないという戦略なのか。それとも突撃されたところで自分は負けないという意味なのか・・・

N国党議員の中でもコンセンサスができてないのかもしれませんね。