moving(連想記)

雑文(連想するものを記述してみた)

履修不足問題のズレ

2006-11-03 | エッセー(雑文)
主に高校の必修化された課目の授業が行われず、
受験に即した授業にシフトしていたことが
問題となっているようだが、
いまさらこんなことを問題にし、さらにマスコミで大げさに
取り上げるのもあざとい気がする。

進学予備校に堕して久しい、高校という実態に目をそむけ、
その矛盾に苛まれながら、現場教育で職人技を振るっている
教師にたいして、あまりにも考慮が足りない話題つくりといえる。

その結果が校長の自殺では、マスコミ報道の無責任さ、良識を
問い返さなくてはならないのではないだろうか?

高校は義務教育ではないのであるし、公立、私立とさらに進学校では
その授業内容に幅があるのは、あきらかであり、
父兄も学生も「有名大学進学」を望み、その圧力をかけている。
進学できない授業内容では、特に私立では学生は集まらないので、
当然指導要領の範囲から逸脱することになるだろう。
(地方では、伝統ある男子校、女子校が生徒不足のため、共学化している。)
進学校でなくても、かなり以前から進学組コースが3年次にはもうけられ、
必修とされる教科の内容を、教師は要点を説明したプリントなどを配り、
それを読んでおくようにとして、実際は受験に即した授業展開をしていた。
当然その授業の成果で国家公務員という試験を勝ち残り、文部省や外務省の
職員になっている彼らが沈黙しているのは解せない。

まして、それを想定しない画一教育建前の文部省、国立大学入試センターの
試験内容は、矛盾そのものといえるだろう。

このままいくならば、登校拒否、引き籠りの問題もふくめるなら、
高校進学者は減少し、直接大学入試資格取得後、
進学予備校から大学受験を行うものが増加するだろう。
格差社会化し、貧富の差が明らかになった昨今では、親にしてみても、
教育費の負担を考えるなら、効率的な大学進学は好ましいだろうw。