スプリング・エフェメラル

2016年04月07日 | 

ショウジョウバカマ。猩々袴、と書きます。

子供の頃、お釈迦さまの誕生日の4月8日(花まつり)に山道を通ってお寺まで一人で歩いたことがあります。  暖かくて麗らかな日でした。 木漏れ日に照らされて、このショウジョウバカマが可憐に咲いていたのを覚えています。

 もうその山道は切り拓かれてしまっていて存在しませんが、適度に手入れされた里山には、人ひとりが通れるだけの小道がつけられておりました。所どころ急な登りのある、ありふれた道。辺りを森に囲まれて、木々の隙間からの光線が小さな流れを揺らしています。春を湛えたかのようなそこの空間には、湿りを含んだ空気が満ちていました。

ちょうどピッタリの場所に、ピッタリの角度で群落が展開しているのです。  夢のようでした。 その時の花の色は、。ショウジョウ色、としか表現できません。

 ところがこの沢には、なにかの変異なのか、色の異なる種があるようなのでした。




これはピンク、ですよねぇ。




そしてこの花は淡いが混ざっているような。   首を高く掲げて、虫たちに存在をアピールしているかのようです。



ところが初めて花の姿をシゲシゲと見たわけですが、これはどうやら虫をあてにしていない。風媒花っぽいんです。



花弁が小さくて雌しべが立派、雄しべも柱頭のすぐ近くにがっしり延びている。   ダメでも自家受粉はしっかり確保。良ければ風に乗った他家受粉が。時間との闘い、ここでもしっかり行なわれているんだなぁ

さて、やっと見慣れた色のものがありました。これが普通のショウジョウバカマ。



でも、これは?   びっくり、初めて見たのですが。 何? 黄色?



分かりません、ポピュラーな変異色なのか、土壌環境による個体変異なのか。  もし、新発見でしたらこれの観察場所は一応秘密、ということにしておいたりして。





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