ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【修復腎移植NOW】難波先生より

2015-03-24 23:58:42 | 修復腎移植
【修復腎移植NOW】
 日経の連載小説「禁断のスカルペル」がヤマ場に差しかかっている。小説は人の感情に直接訴えるだけに、書きようによっては論説よりも影響力がある。昔、NHKラジオの連続ドラマ、菊田一夫原作「君の名は」が放送された時は、午後8時からの時間帯は「女湯が空になる」といわれたほど、人気があった。
 3/19のロータリでの卓話の後、ホテルのコーヒーハウスで、数人の方と談話会になったが、日経の小説が非常に興味を持って読まれているのがわかった。事実と小説との違いについて、いろいろ質問を受けた。

 「修復腎」に関する厚労省官僚の考え方も、かなり変化してきたようだ。
 1/14に開催された「第42回、厚生科学審議会・臓器移植委員会」の議事録を読むと、
1) 事務局が、臓器提供件数の全体的減少ことに「心停止」下での臓器提供(主に腎臓)が減少していることの問題提起が初めてなされている。
2) 委員のひとりが徳島大永廣教授から広島大栗栖薫教授(脳神経外科)に交代している、
などが着目される。
 また3/11「日経」は、「レシピエントの優先度選択ミス」について「日本臓器移植ネットワーク」に厚労省が「初の立ち入り調査」を行ったと報じたが、これも従来の両者の蜜月関係からすると信じがたい話である。

 もともと「ネットワーク」は、それ以前に機能していた地域ブロックの自主的ネットワークを、東京女子医大の太田和夫教授を追い落とす形で、やくざのボスのような小紫芳夫と厚生省トップが談合して「一元的中央統制組織」として発足させたものである。
 そのいきさつは木村良一『移植医療を築いた二人の男:その光と影』(産経新聞社、2002/8)に詳しい。

 3/18に実施された「修復腎移植臨床研究」の親族間腎移植第3例目は、東京のある大学病院で妹から兄への腎提供が、小径腎がんの存在のため、「臨床研究」を行っていないその大学病院では不可能と分かり、宇和島徳洲会病院へ紹介されて実施の運びとなったという。
 この病院は、腎移植の実施数では日本一の病院だと思われる。(個人手術例数1000例以上というのは、宇和島の万波誠医師が日本一である。)
 その大学病院が、患者に宇和島での手術を勧めたというのは、もう実質的には「修復腎移植」が承認されたということであろう。

 幸い、これまで日本移植学会を牛耳り、理事長として修復腎移植禁止という旗印を掲げてきた、阪大の高原史朗教授は、この3月末で定年となり民間透析病院に移るそうだ。
 後任の理事長に誰がなるのかわからないが、反対派のもう一人の旗手、『日本の臓器移植:現役腎移植医のジハード』(河出書房新社、2009/5)を書いて「病気腎移植」絶対反対を唱えた東邦大の相川厚教授も、いまや「厚労省・臓器移植委員会」での発言は孤立気味である。

 作家・ジャーナリストの麻野涼(高橋幸春)さんも、修復腎移植のその後の進展を踏まえたNF新作を「東洋経済」社から出版準備中だという。
 この出版社の「週刊東洋経済」3/21号、「医学部・医者:ウラとオモテ」という特集はきわめて面白い。医師志望の受験生必読だと思う。
 今年は「修復腎移植」にとって、長い冬がやっと終わる年になってほしいものだ。
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