日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

新緑萌える東北へ 2018続編 - 麦とろ

2018-05-19 20:01:53 | 居酒屋
同じ土地に何度も泊まると、日没後の流れが確立してきます。会津も然りで、八時前後に投宿して一風呂浴び、九時過ぎに「籠太」の暖簾をくぐるというのが、最も多く繰り返された展開です。しかし今夜は若干早く到着し、八時前後に出直せる状況となりました。こうなるとつい寄り道をしてしまうのが自分の癖です。浮いた時間で「麦とろ」を訪ねます。
そもそも、先週末に帰れたところをあえて一週延ばしたのは、長旅をあのまま締めくくるにはどうにも中途半端だったからです。中途半端に思われた理由の一つとして、往路に会津を素通りしてきたことが挙げられます。特に、「麦とろ」に寄れなかったのは心残りでした。というのも、花見の時期に登場するコシアブラの天ぷらを、毎年楽しみにしてきたにもかかわらず、様々な誤算が続き、直近は三年続けて逃しました。今年こそはと期するものがあっただけに、どうにかして埋め合わせができないものかと模索していたのです。一週延ばせば会津に寄れるという条件が、直接の決め手になったといっても過言ではありません。

こうして巡ってきた四年ぶりの機会ですが、懸念が一つありました。そもそもコシアブラがまだあるのだろうかということです。北東北から南下してきた途端に、季節感は春から初夏へ様変わりしました。今日訪ねた直売所にもコシアブラは全くなく、ワラビにミズなど遅めに出回る山菜がわずかに残っているだけでした。もちろん悪くはないものの、どちらかといえば天ぷらよりもお浸しに向く山菜であり、こちらの期待していたものとは異なります。それだけに、またしても空振りに終わりはしないかが懸念されたわけです。
しかし幸いにして杞憂に終わりました。コシアブラこそなかったものの、タラの芽、山うど、さらにはボウフなる珍品もあり、それらが盛り合わせで出てきたのです。これならコシアブラを補って余りあります。久々に馬刺もいただき、これにてようやく宿願達成と相成りました。

麦とろ
会津若松市栄町4-9
0242-24-9886
1100AM-1400PM/1700PM-100AM

花泉二合・会津娘・彌右衛門
お通し(いか大根)
馬刺し
身欠き鰊
山菜天ぷら
山うど味噌漬け
コメント

新緑萌える東北へ 2018続編 - 植木屋商店

2018-05-19 19:19:39 | 酒屋
出発から3000kmを走破し、さらに10km少々走ったところで会津若松市街に入りました。ほぼ半年ぶりの再訪です。その間に目立った変化がありました。神明通りのアーケードが再建されたのが一つ。そして、それ以上に意表を突かれたのは、植木屋商店がいつの間にやら建て替えられていたことです。
そうとは知らずに車を降りると、何mあるかと思うほどの巨大な扁額が浮かび上がっているのに驚きました。暗い中でも一目で分かる存在感です。玄関の脇には酒樽が、奥には屋号をアルファベットで綴った縦長の電飾が見えており、小洒落た店舗に様変わりした様子が窺われます。
暖簾をくぐると右側の壁に沿って冷蔵庫が並び、左側の壁には常温保管の棚が設えられて、突き当たりにある分厚い一枚板のカウンターが店主の定位置になっていました。それだけでは終わりません。両脇には子供の背丈ほどある大型のスピーカーが鎮座し、両側の壁際には天井まで届くレコード棚があって、その一角だけがあたかもジャズ喫茶か何かのような異空間になっています。しかも正面に立ち上がるのは土蔵の壁です。手前の店舗を取り壊し、奥にある土蔵と棟続きにしたのでしょう。何とも凝った造りです。

植木屋商店
会津若松市馬場町1番35号
0242-22-0215
930AM-1930PM
日曜定休
コメント

新緑萌える東北へ 2018続編 - 日中線記念館

2018-05-19 18:29:30 | 東北
その後は本降りとなってしまったため、米沢を素通りして大峠を越えてきました。只今熱塩の日中線記念館を訪ねています。峠の前後に散りかけの八重桜がないかと探すも見当たらず、それどころか雪さえ全くありませんでした。先週末に秋田で眺めた八重桜が、結果としては最後の花見だったことになります。去年より少し早めの見納めです。
コメント

新緑萌える東北へ 2018続編 - 長井駅

2018-05-19 16:51:45 | 東北
続いて立ち寄るのは長井駅です。西大塚、羽前成田の両駅と違い、開業当時の駅舎ではないものの、縦長の大きな窓と、同じく大きな三角形のファサードを特徴とする洋風の木造駅舎が健在です。駅前に植えられたハナミズキとツツジが花盛りを迎えています。あいにくの空模様ではありますが、この駅舎が最も絵になる季節に重なったのは間違いなさそうです。
コメント

新緑萌える東北へ 2018続編 - あやめ公園

2018-05-19 16:28:24 | 東北
午前中に日が射したのも束の間、その後は曇り空に戻ってしまいました。こうなると粛々と移動するしかありませんが、もう一ヶ所寄っておきたかったのが、駅名にもなっているあやめ公園です。五月といえば菖蒲の季節、今ならおそらく見頃だろうと考えてのことでした。しかし結果としては早すぎましたorz
案内板には五百種三万本とあり、様々な品種の札が並ぶところはバラ園を彷彿とさせます。しかしそれらはことごとく札だけであり、株には蕾らしきものさえ見当たりません。紫の菖蒲と、おそらく黄菖蒲であろう黄色い花がわずかに咲いてはいるものの、それらが主役でないのは明らかです。六月中旬以降が見頃ということからしても、菖蒲ではなく花菖蒲を「あやめ」と呼んでいるのでしょう。それならこの眺めも納得ではあります。
ちなみに現在の気温は12度、小雨交じりの薄ら寒い風が吹き、先ほどから雨合羽を羽織っています。梅雨間近と思わせる蒸し暑さが続き、今週末も難儀するかと思いきや、昨日の雨を境に空気が入れ替わったようです。暑がりのこちらにとっては助かります。
コメント

新緑萌える東北へ 2018続編 - 羽前成田駅

2018-05-19 14:33:12 | 東北
宿願を果たしたところで羽前成田駅に戻ってきました。「戻ってきた」というのは、先ほど一度訪ねたものの、金ちゃんラーメンの閉店時刻が迫っていたため長居ができず、早々に退散するしかなかったからです。
西大塚駅と並んで開業時の木造駅舎が残る当駅ですが、こちらに寄るのは久々で、過去の記録を繙くと六年ぶりということになるようです。長らく無沙汰をしてしまったのは、西大塚と違って若干寄り道する形となるのに加え、駅舎が東向きに建っている関係上、近くを通る時間帯には強い逆光になっているという事情によります。今回もやはり逆光気味ではありますが、赤い屋根には日が当たっており、それなりの条件で記録することができました。
玄関、窓口、腰壁の全てが木造なのは西大塚と同様ながら、こちらでは窓のサッシも木製です。ただし、窓のサッシは明らかに昔からのものではありません。木製のサッシを誂え、わざわざアルミサッシから戻したというと、思い出すのは大糸線の海ノ口駅ですが、あちらと同じく往年の姿を復元する形で改修されたのでしょう。しかも、駅前には東屋と藤棚があり、それぞれの下にはベンチとテーブルがあって、ホームの花壇には花菖蒲が咲いています。何とも粋な計らいです。
コメント

新緑萌える東北へ 2018続編 - 金ちゃんラーメン

2018-05-19 13:43:29 | B級グルメ
置賜を通って会津へ向かう以上、お昼は「金ちゃんラーメン」しかないと決めていました。経路上最初に現れるのは白鷹店です。朝から飲まず食わずで空腹感も限界に近く、すぐさま飛び込みたいのはやまやまでした。しかるに素通りしてきたのは、長井店を一度訪ねてみたかったからに他なりません。一日わずか三時間という営業時間の短さが壁となり、これまで機会を逃し続けてきましたが、今回ようやく宿願達成と相成りました。

こうして訪ねた長井店ですが、結論からいえば米沢店とほぼ同じです。具材の構成と盛り付け、スープを一口すすったときの甘い香り、スープと麺がなじんでいく中盤から終盤にかけての味わいなど、共通点は多岐にわたる一方、違うところはチャーシューが腿肉のみであることと、付け合わせのたくあんがないことの二点しか思いつきません。支店の中でも一、二を争う評判の高い店だけに、期待値も自ずと上がってしまいましたが、米沢店をも上回るということはありませんでした。見方を変えれば、自身絶賛してきた米沢店のラーメンの完成度が、いかに高いかということでもあります。
その一方で、この店には一つだけ難点がありました。客席が落ち着かないのです。壁際に四人掛けのテーブル席を五つ並べ、内側に六席分を向かい合わせにした相席のカウンターを置いたのが客席の造りですが、このカウンターがいただけません。相席を嫌っているというより、衝立で視界が遮られるのを好まないのです。目の前の丼に集中するしかない状況に置かれることで、餌でも食わされているような気分になるとでも申しましょうか。
親子二代で仕切る厨房の雰囲気はよかっただけに、それを見渡す形のカウンターなら気分は全く違っていたでしょう。広い駐車場を二、三台分でも削って店舗に回せば、そのような造りにするのも十分可能だったと思うのですが。それ以外は何もかもよい店だけに、画竜点睛を欠いているのが惜しまれました。

そのようなわけで、ラーメンの味も、雰囲気と客層もことごとく米沢店と共通する一方、客席の造りという明確な難があり、米沢店を差し置いてまでここを選ぶ理由は感じられませんでした。行くとしても毛色の異なる白鷹店の方が好ましいというのが結論です。
ただし、地元客が引きも切らずに訪れる店内の賑わいからも、根強い人気のほどは明らかです。ラーメンの味が全てで、客席の造りには関心を持たないのが一般人の感覚なのかもしれません。そのような感覚に照らせば、文句のつけようがない名店であったことは申し添えておきたいと思います。

金ちゃんラーメン長井店
長井市舟場21-1
0238-88-3117
1100AM-1400PM
チャーシューメン750円
コメント

新緑萌える東北へ 2018続編 - 薬師桜

2018-05-19 13:19:01 | 東北
荒砥で四週前に走った経路と合流しました。この先は花見の旅の足跡をたどりつつ南下します。まず立ち寄ったのは薬師桜です。
主役の薬師桜が葉桜に変わったのは当然として、今日は八重桜すら一度も姿を現しません。水仙とチューリップも姿を消し、代わりに菖蒲とルピナスが咲いていて、先週旅した北東北はと全く違う眺めです。はるばる南下してきたことを実感させられます。
コメント

新緑萌える東北へ 2018続編 - 簡易局

2018-05-19 12:14:24 | 東北
広域農道で山形市街を短絡し、国道348号線に入りました。直売所の案内板に従って脇道にそれると、直売所の手前に簡易局が。赤い半切妻の屋根をかぶった、何とも味のある局舎です。間口の左にある玄関には「山元簡易郵便局」の扁額が架かり、反対側には郵便記号の袖看板が張り出して、その上にある三角形のファサードには、正方形の小さなタイルが五つ並んでいます。おそらく「山元郵便局」と名乗っていた時代の名残でしょう。車が離合できない細い生活道路の雰囲気も上々です。いわゆる旅行貯金には手を出さない主義ですが、この局だけはむざむざ素通りできませんでした。
コメント

新緑萌える東北へ 2018続編 - 羽前山辺駅

2018-05-19 11:35:05 | 東北
先週末の活動では、今や貴重となった東日本管内の木造駅舎を訪ねましたが、本日の経路上にもその手の駅舎が一つだけ残っています。訪ねるのは羽前山辺駅です。
先週訪ねた駅舎がそれぞれ個性をもっていたのに対して、こちらは何の変哲もない切妻の木造駅舎です。しかし、同種の駅舎が片っ端から取り壊され、何の変哲もないこと自体がむしろ貴重となりました。てらいのなさという点では、ここが東北屈指かもしれません。
コメント

新緑萌える東北へ 2018続編 - 仲野酒店

2018-05-19 10:30:31 | 酒屋
天童駅から少し走ると、蔵造りの小洒落た酒屋が現れました。店先には出羽桜の幟がはためいていて、よくよく見れば蔵の敷地の一角でした。別棟の酒屋に加えて美術館まで併設した堂々たる構えは、東北屈指の石高を持つ蔵の面目躍如といったところでしょうか。
品揃えはもちろん出羽桜一本。ありとあらゆる限定品が揃う中から、枯山水なる三年古酒を選びました。

★仲野酒店
天童市一日町1-4-12
023-653-2837
900AM-1900PM
祝日除く月曜定休
コメント

新緑萌える東北へ 2018続編 - 薫風

2018-05-19 09:38:38 | 東北
天童に着きました。米沢から赤湯にかけて交換に手間取り、一時は10分以上遅れるも、山形での停車時間を切り詰めて、3分遅れの到着でした。
ありがたいことに、米沢を出た頃から空が次第に晴れてきました。予報は曇のままですが、実際には曇時々晴に近く、今のところ日が射す時間と陰る時間が2対8程度といったところでしょうか。しかも、昨日までの蒸し暑さは何だったかと思うほどの薫風が吹いています。予想外の好天をどう生かすかが思案のしどころです。
コメント

新緑萌える東北へ 2018続編 - つばさ121号

2018-05-19 06:42:02 | 関東
始発の山形新幹線で旅立ちます。帰京の際に乗車した編成が再び運用につきました。
蒸し暑さは相変わらずで、乗車の際にもかなりの汗をかきました。この調子では今日も難儀をしそうです。ただし、目覚めた時点で雨は早くも止んでおり、現地でも予報の上では既に止んだとされています。一時は土日のいずれも雨の予報が出ていたことを考えると、傘を差さずに済むだけでも御の字というものでしょう。

★東京612/つばさ121(121B→121M)/917天童
コメント