前言を撤回して古いMOSを訪ねます。高田馬場一丁目店です。
池袋で一杯やるつもりがこうなったのは、直後に忘年会を控えた状況で、腹具合が半端になるのを承知で事前に一杯やる必然性が今一つ感じられなかったことによります。浮いた時間をどうするかと考えたとき、ふと思いついたのがMOSでした。
先週末訪ね歩いた千葉のMOSを始めとして、遠くは帯広駅前店、松山フライブルク通り店に至るまで、そこに立ち寄ることが年中行事となりつつあるMOSの店舗は各地に点在しています。それらの店舗に勝るとも劣らない古びた味わいと個性を持ちながら、「灯台下暗し」の諺通り、この店舗を訪ねた回数は決して多くはありません。しかし、今回改めて再訪すると、長らく無沙汰していたのがもったいなく思えてくる名店舗です。
まず書き留めておきたいのは外観です。玄関の自動ドアの両脇に二本の柱が立ち、その上には左右方向に細長く、中央を半円形に盛り上がらせた、曰く言い難い形の行灯があって、そこにMOS BURGERのサインが掲げられています。このファサードが、ともすれば平凡になりがちなマンションの一角の店舗に、唯一無二の個性を持たせているという仕掛けです。
そのファサードをくぐって店内に入ると、右がレジカウンター、左が客席という構成。焼き付けMマークのステンレス板と、冷蔵ケースをはめ込んだレジカウンターには、モス坊やの募金箱が鎮座して、内側の厨房には年代物のシェイクマシンと、天井から吊るす回転式の注文伝票受けが往年のまま残ります。店舗の中央を貫く太い柱を囲むように設えられた、10人は着席できるであろう正方形のカウンターに、手狭な敷地を巧みに生かす工夫が感じられ、通り沿いの窓際から側面の壁際にかけては、寄木のテーブル席がL字型に並びます。二十年来変わらない昔ながらの造りは秀逸というほかありません。
もう一つ特筆すべきは賑わいです。駅から離れた住宅街の店舗にもかかわらず、お客が引きも切らずに出入りして、一時はカウンターもテーブルもびっしり満席となったのには驚きました。この繁盛ぶりなら、店も当分安泰でしょうか。健在ぶりを確かめられたことを喜ばしく思います。
★モスバーガー高田馬場一丁目店
東京都新宿区高田馬場1-3-1
03-3207-6663
730AM-2200PM
第422号
池袋で一杯やるつもりがこうなったのは、直後に忘年会を控えた状況で、腹具合が半端になるのを承知で事前に一杯やる必然性が今一つ感じられなかったことによります。浮いた時間をどうするかと考えたとき、ふと思いついたのがMOSでした。
先週末訪ね歩いた千葉のMOSを始めとして、遠くは帯広駅前店、松山フライブルク通り店に至るまで、そこに立ち寄ることが年中行事となりつつあるMOSの店舗は各地に点在しています。それらの店舗に勝るとも劣らない古びた味わいと個性を持ちながら、「灯台下暗し」の諺通り、この店舗を訪ねた回数は決して多くはありません。しかし、今回改めて再訪すると、長らく無沙汰していたのがもったいなく思えてくる名店舗です。
まず書き留めておきたいのは外観です。玄関の自動ドアの両脇に二本の柱が立ち、その上には左右方向に細長く、中央を半円形に盛り上がらせた、曰く言い難い形の行灯があって、そこにMOS BURGERのサインが掲げられています。このファサードが、ともすれば平凡になりがちなマンションの一角の店舗に、唯一無二の個性を持たせているという仕掛けです。
そのファサードをくぐって店内に入ると、右がレジカウンター、左が客席という構成。焼き付けMマークのステンレス板と、冷蔵ケースをはめ込んだレジカウンターには、モス坊やの募金箱が鎮座して、内側の厨房には年代物のシェイクマシンと、天井から吊るす回転式の注文伝票受けが往年のまま残ります。店舗の中央を貫く太い柱を囲むように設えられた、10人は着席できるであろう正方形のカウンターに、手狭な敷地を巧みに生かす工夫が感じられ、通り沿いの窓際から側面の壁際にかけては、寄木のテーブル席がL字型に並びます。二十年来変わらない昔ながらの造りは秀逸というほかありません。
もう一つ特筆すべきは賑わいです。駅から離れた住宅街の店舗にもかかわらず、お客が引きも切らずに出入りして、一時はカウンターもテーブルもびっしり満席となったのには驚きました。この繁盛ぶりなら、店も当分安泰でしょうか。健在ぶりを確かめられたことを喜ばしく思います。
★モスバーガー高田馬場一丁目店
東京都新宿区高田馬場1-3-1
03-3207-6663
730AM-2200PM
第422号