日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

本日の晩酌 - 松尾

2015-12-08 23:52:05 | 晩酌
我が家での晩酌酒の寸評を書き留めてきた中で、最も多く登場したのは「松尾」ではないでしょうか。頻度がとりわけ上がったのは、北信越詣でを繰り返した直近の一、二年です。その発端となった北陸新幹線の開業後、しばらく足が遠のいていた黒姫を再訪したとき、店頭に並んでいたのが蔵出しされたばかりの新酒でした。
この蔵による槽口搾りの原酒といえば、感銘を受けたのが「荒瀬原」ですが、一夏寝かせた「荒瀬原」に対し、こちらは搾られてから一週間も経たない正真正銘の新酒です。わずかに発泡した舌触りはあちらと同様ながら、味わいは明確に異なっています。含んだ瞬間に感じたのは、「飛露喜」の無濾過生原酒にどことなく似ているということでした。これは一言で形容しがたい複雑玄妙な味わいということでもあります。「飛露喜」が一般の小売向けにはまず出回らない代物となってしまった昨今、入手に腐心するよりも、この酒があるならそれで十分のような気がしてきました。数ある「松尾」の中でも出色の名品です。

★松尾 純米手造り槽口絞り無濾過生原酒
高橋助作酒造店(長野県信濃町)
原料米 長野県産美山錦
精米歩合 麹米59% 掛米65%
アルコール分 17度
長野県信濃町 萬屋酒店にて購入
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