本日の晩酌 - 聖山

常々申している通り、旅先で酒を買うならその土地の酒、それも都会では見慣れない品を選びたくなるものです。しかし、それが地元で古くから呑まれてきた酒かというと、実はそうでもありません。一家言ある酒販店で扱われるのは十中八九が特約店向けの限定品で、昔ながらの酒とは毛色が異なるからです。たとえるならば、「酒場放浪記」に登場する地元客御用達の雑然とした店と、教祖が推奨する洗練された店との違いのようなものとでもいえばよいでしょうか。本日紹介するのもその手の特約店向け限定酒の一つ、「オバステ正宗」の蔵が造った「聖山」です。
淡い緑色を帯び、味わいは甘美にして濃厚、それでいながら生臭さ、しつこさは一切なく、後味は鋭く切れます。その傾向は燗をつけてもほぼ変わりません。いかにも現代的な、洗練された一品です。

★聖山 純米吟醸無濾過生原酒26BY
長野銘醸(長野県千曲市)
原料米 長野県産美山錦
精米歩合 49%
日本酒度 -3
酸度 1.8
アルコール分 16度
長野県千曲市 酒乃生坂屋にて購入