日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

本日の晩酌 - 初孫

2015-08-19 23:15:34 | 晩酌
教祖が番組で酒の味わいを語るとき、多用する表現の一つに「きれいな酒」「真面目な酒」というものがあります。吟醸香が際立ち雑味の少ない酒が「きれいな酒」、昔ながらの骨太な酒が「真面目な酒」ということになるのでしょうか。漠然としており、なおかつあまりに多用されるため、信者の間でも賛否両論あるこの表現ですが、私自身は肯定的です。グルメレポーターがどれだけ巧みな表現を使おうとも、味わいを伝えきるには限度があります。ならば「きれい」「真面目」の一言でも必要にして十分、いやむしろその方が的確だろうというわけです。
教祖の真意は不明ながら、自身「きれいな酒」と感じたのが本日紹介する「初孫」です。土産物屋などでも売られる定番中の定番だけに、希少価値や物珍しさはありません。味わいにも際立った個性はなく、事前に聞かされなければ生酛造りとは気付かないでしょう。しかし、雑味が少なく吟醸香が際立ち、それでいながら淡麗辛口とは一線を画す骨太な味わいは、「呑みやすい酒」ではなく「きれいな酒」と表現するのが合っています。ラベルに書かれた「味と香りが調和した旨さときれいな後味」なる寸評は言い得て妙です。

★初孫 生酛純米吟醸 いなほ
東北銘醸(山形県酒田市)
原料米 美山錦
精米歩合 55%
日本酒度 +4
酸度 1.4
アルコール分 16度
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